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市長に聞く!
待機児童の現状と対策②

保育施設に入れない待機児童問題。
各自治体は解消に向けてさまざまな対策を進めていますが、
都市部を中心に依然として深刻な状況が続いています。
自分が住む自治体のリアルな情報を知りたいママも多いはず。
そこで、岡山県内で人口が多い9市において、
各市長に現状や課題、対策などをうかがいました。

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≪総社市≫


総社市長 片岡聡一氏(58歳)

【現状と課題について】

総社市は子どもの数が増えています。それは目指すべき姿であり、嬉しいことです。しかし、その裏側にある「待機児童の解消」は対峙すべき課題ではありますが、否定的にとらえ過ぎてはいけないと考えています。
総社市では平成23年以降、保育所等7園を新設し、幼稚園の預かり保育の拡充などの待機児童対策を実施しました。その結果、昨年4月には一旦待機児童ゼロを実現しましたが、現在は再び待機児童が出ています。現代の待機児童が増える原因は、女性の就業率の上昇と育児休業中の継続利用の実施、保育料の段階的無償化などが考えられます。
今まで各自治体では待機児童解消のために施設の新設に力を入れてきましたが、これからはそこで働く保育士をどうやって確保するのかが一番の課題となっています。保育士確保ができない限り、待機児童は解消しないと言っても過言ではないでしょう。

【今後の対策】

総社市の待機児童対策としては保育士確保に重点を置き、保育士支援に力を入れていきます。保育士の給与水準のアップについては国や県のさらなる支援も望まれますが、総社市では年額2万円の支援金を直接支給する独自策を実施し、保育士を応援します。また、フルタイムで働く保育士のお子さんの最優先入所や、保育士の雑務を解消し、ゆとりのある職場環境を整えるなどの支援を行い、保育士の新規獲得及び離職防止に努めます。
その他、新認定こども園建設や、幼稚園の早朝預かり保育など既存施設を活用した受け皿づくりを基本としつつ、将来の保育ニーズに柔軟に対応した子育て支援施策を展開していきます。
働くお母さん方に寄り添い、「安心して出産や子育てができるまち総社」を目指して、待機児童対策に取り組んでまいります。

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≪玉野市≫


玉野市長 黒田晋氏(54歳)

【現状と課題について】

全国の待機児童数は26,081人(平成29年度)です。5年前の24年度(24,825人)と比べると、人数では1,256人、割合では5.1%増加しています。玉野市はこれまでずっと待機児童ゼロと、すべての申し込みに応えてきましたが、29年10月に初めて4人の待機児童が発生しました。
世間では「待機児童」に並んで、「少子高齢化」という言葉をよく耳にします。通常、少子化であれば待機児童は減少するものと考えられますが、実態は相反し、子どもの数が減少しているにもかかわらず、待機児童が増加している状況となっています。一見矛盾しているこの状況は、働く母親の数の増加が影響していると考えられています。
このような情勢は今まで待機児童と無縁だった玉野市にも影響しており、これからは世の中の動きに柔軟に対応し、すべての申込者の受け入れができる体制を整えていくことが課題だと認識しています。

【今後の対策】

待機児童を発生させる原因として、一般的に大きく次の2つが考えられます。
1つは保育所等の面積基準です。それぞれの保育所には保育室や園庭等の大きさに応じて入所することのできる人数の上限があり、その上限を超えて児童を受け入れることはできないからです。もう1つは保育士の受け入れ基準です。面積だけでなく、一人の保育士が対応すべき児童数にも制限が設けられています。そのため、施設としては受け入れ人数に余裕があるものの、保育士が足りないため、受け入れできないことがあります。
玉野市は、施設は充足、保育士が不足の状態です。そのため、一人でも多くの保育士の確保を目指し、保育所等に事務職員を配置して保育士が働きやすい環境を整備するほか、勤務内容に応じた対価が得られるよう賃金の見直しを検討しています。
これから働く予定のお母さん。就職先の1つとして、玉野市の保育士を検討されてはいかがでしょうか。

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≪笠岡市≫


笠岡市長 小林嘉文氏(57歳)

【現状と課題について】

笠岡市では「笠岡市子ども・子育て支援事業計画」を策定し、その基本施策において「保育の充実」を掲げ、次世代を担う子どもの健やかで心豊かな成長を支援しています。全国的に少子化が問題となる中、笠岡市でも同様に今後さらに少子化が進むと予想されます。笠岡市の就学前児童数は減少しているにもかかわらず、就学前児童における保育所入所率は年々伸びています。そのうち0~2歳の低年齢児の入所増が特徴的となっています。
現在、認可保育所において4月1日時点での待機児童はおりませんが、年度途中からの利用者数は増加する傾向にあります。育児休業明け後の職場復帰での入所ニーズが特に高く、希望する保育所への年度途中における入所が困難な場合もあるため、やむなく育児休業を延長される保護者もいらっしゃいます。

【今後の対策】

笠岡市では待機児童の発生を未然に防ぐための対策として、国が待機児童の解消に向け、保育の受け入れ枠を確保するために自治体等を支援する施策「待機児童解消加速化プラン」に参加し、民間保育所の新築・増改築等による受け皿の拡大につなげています。来年度には新しい保育所が1園開園し、市内の保育所は公立6園・私立9園で合わせて15園となり、保護者にとっても選択肢の幅が広がることになります。また、笠岡市独自策として、年度途中での入所児童の増加を見込んで年度当初から保育士確保に努め、積極的に乳児保育に取り組む私立保育所に対し、保育士の賃金に要する経費の一部を補助しています。これにより保護者が育児休業から希望するタイミングでの職場復帰をかなえることにつながると考えています。
今後も多様化するニーズを考慮しながら、安定的な児童の受け入れ体制の確保に努めていきます。

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