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徳永充生・岡山市小学校長会長 新1年生保護者にアドバイス できる準備着実に

/掲載日:2020年03月13日/紙面:山陽新聞朝刊/掲載:4ページ/

 

 間もなく新入学シーズンを迎える。中でも、新小学1年生のいる家庭では、子どもの成長に目を細めつつ、新しい生活や友達になじめるか、登下校は大丈夫だろうか…と心配もあるだろう。新型コロナウイルス感染拡大の影響は気掛かりだが、今はできる準備を着実にしておきたい。教員生活38年のベテラン、徳永充生・岡山市小学校長会長(同市立高島小校長)に、そんな保護者へのアドバイスをもらった。不安を少しでも和らげ、晴れの日を迎えてもらえたら―。(聞き手・岩崎充宏)

生活 早起きして毎日朝ご飯

 こういう時期です。手洗いの習慣をきちんと身に付けてください。睡眠時間は9~10時間を目安に、規則正しい生活を心掛け、体力を付けておきましょう。

 日々の過ごし方ではまず、朝ご飯を食べるのが大切。頭や体が活性化し、学習への集中度も高まります。時間がなければバナナ1本でもいい。朝の時間を大事にして「早起き―朝食―朝うんち―(登校)勉強―給食―あそぶ(下校)―夕食―早寝」と良い習慣をつくりたいですね。

 学校で困らないように、制服や体操服の脱ぎ着、トイレは1人でできるように練習しておいてください。そんな時、保護者には「~しよう」より「~できたね」と“褒め生かし”を心掛けてほしい。子どもの気持ちが乗ってきます。

 ノートルダム清心学園の故渡辺和子理事長が言われた通り、子どもは親や教師の「言う通り」でなく、「する通り」になっていくもの。大人には、良いお手本になってほしいです。

登下校 通学路歩く練習しよう

 何より安全が第一。子どもと一緒に通学路を歩く練習をしておきましょう。実際にランドセルを背負って体験すると、いつもとバランスが変わるのも分かります。交差点や道幅の狭い箇所などと一緒に、「子どもかけこみ110番」といったステッカーが張ってある家や商店も確かめておくと、不審者対策に加え、急なトイレもお願いしやすく安心。子どもには普段から「あなたの命が一番大事。元気に行って、帰ってくるのがうれしい」と“言葉のシャワー”を掛けておくと、自分の身を自分で守る意識が高まります。

 地域の人にも、できる範囲で登下校の子どもたちを見守ってもらえるとうれしいですね。学年ごとに下校時刻はほぼ決まっています。表に出て、毎日顔を見せてくれるだけでも、子どもたちは安心なんです。

学習 他の子とは比べないで

 小学校ではひらがなの書き順から丁寧に学びます。習い事でプラスアルファを身に付けるのは家庭の考え方ですが、まずは学校の授業を大切にしてください。ただ、学用品にはあらかじめ名前を書いてもらっているので、自分のものと分かるように、入学までに名前は読めると良いですね。

 お願いしたいのは、他の子と比べないことです。まずはその子ができるようになったところを認め、褒めてあげましょう。子どもなりに一人一人、みんな頑張っていますから。

 ちなみに、新しい学習指導要領で加わった「外国語(活動)」は3年生から。「プログラミング」も独立した教科はなく、1年生は学校のパソコンに楽しく触ってみるところからなので特別な準備はいりません。

友達 あいさつで心を開こう

 友達を多くつくってほしいのは保護者の願い。やはり人間関係をつくる基本はあいさつです。「おはよう」「ありがとう」と心を開いて言える子はなじみやすいでしょう。「どういたしまして」「ごめんね」「じょうずだね」といった、言われるとうれしい“ふわふわ言葉”も使えると良いですね。

 子ども同士だからトラブルもあります。子どもの気になる話や様子があれば、すぐ学校に相談してください。その時、大人が感情的に介入してこじれることもあるので、学校と一緒に解決する姿勢でいてもらえるとありがたいです。

 最後に、友達の話に限らず、学校でその日あったことをぜひ子どもに聞いてください。楽しかったこと、できたこと…を一生懸命に言うでしょう。「よく頑張ったね」と声を掛け、毎日ぎゅっと抱きしめてあげてください。

「気になることは遠慮なく学校に相談して」と呼び掛ける徳永充生・岡山市小学校長会長

 

雨模様の朝、真新しいランドセルにカバーを掛けて、集団登校を体験(左)、「給食はおいしいよ!」。5年生による学校生活の説明を、きちんと座って聞く新1年生=2月13日、岡山市・高島小(写真右)

 

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