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新型コロナで再休校 家で過ごす親子へ 早稲田大・前橋教授

/掲載日:2020年04月24日/紙面:山陽新聞朝刊/掲載:15ページ/

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、岡山県内の学校の一斉休校が再び始まった。家にこもらざるを得ない今の状況について、保護者はどのようにとらえ、子どもたちにどう話しかければよいのだろうか。子どもの健康福祉学が専門の早稲田大人間科学学術院教授の前橋明さん(65)=岡山市出身=に、とらえ方や伝え方のポイントについて寄稿してもらった。


子どもたちへ できることにチャレンジ

 今いま、お父とうさんやお母かあさん、おじいちゃん、おばあちゃんたちが戦たたかっているのは、人間にんげんのからだの中なかに入はいってきて、人間を病気びょうきにする、時ときには人間を殺ころす「ウイルス」という、普通ふつうの目めでは、誰だれにも見みえない手てごわい敵てきです。しかし、みんなをウイルスから守まもるために、毎日まいにち、戦っている人ひとたちが、まわりにたくさんいます。おうちの人をはじめ、お医者いしゃさんや看護師かんごしさん、生活せいかつに必要ひつようないろいろなものを運はこんでくれている人、お店屋みせやさんなど、とても多おおくの人たちが、みんなを守るために(元気げんきにしてくれるために、病気に負まけない体力たいりょくをつけてくれるために、ウイルスの来こないきれいな場所ばしょにするために)、今も戦ってくれています。

 みんなも、お友ともだちと遊あそべなくなったり、ずっとおうちの中にいて辛つらくなったりすると思おもうけど、今はみんなで力ちからを合あわせて、ウイルスから身みを守るときなんだよ。だから、そのために、みんなは、自分じぶんのできることにチャレンジしてもらいたい。では、チャレンジしてもらいたいことを言いうよ。できることを、少すこしずつ増ふやしていこうね。さあ、みんなもしてみよう。


大人たちへ ポイント絞り伝えて

 基本的に、子どもたちに伝えなければならないことは、「消毒」や「手洗い」、「うがい」の励行、「タオルやハンカチ共用」の回避などが、感染防止のための努力として、必要不可欠な事柄ということです。

 集団感染というものは、換気の悪い密閉空間や多くの人が密集している所、近距離での会話・発声のある場所で、密接になると起こりやすい特徴がありますので、密閉空間に大人数が密集し、密接する所に出かけさせないことが大切です。

 つまり、子どもたちに避けさせたい場所は、集団感染の危険な環境としての「密閉空間での換気の悪さ(密閉)」、「人が密に集まって過ごす場所(密集)」、そして、「濃厚接触の起こる可能性の高い場所(密接)」という悪い条件がそろっている所です。ウイルスに感染した人が一人でもいれば、狭い場所で、しかも、大勢がいっしょに一日を過ごすような場所に行くことは、大変危険です。

 そこで、子どもたちに伝える内容を考えてみました。大人に伝えるように、多くのことを言っても、子どもたちにはできませんので、ポイントを絞って、3~5つを選んで伝えていきましょう。

 10個の目標をリストにしますが、お子さんの年齢や状態に合わせて選んで使ってください。例えば、「できていないこと」や「必要なこと」とともに、「達成感をもたせるために、あえてできている事柄」を目標の一つに加えるテクニックも有効に働きます。できることが増えていくのが、動機づけになっていいですね。

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