/掲載日:2020年05月22日/紙面:山陽新聞朝刊/掲載:12ページ/
子どものスマートフォン利用を取材する中で多く聞かれるのが、「スマホを使いすぎる」という声です。子どもを心配する保護者だけでなく、当の子どもたちも「深夜までゲームをやめられない」「何時間も動画を見てしまう」などと言い、「これって依存ですか?」と尋ねられたりします。
厚生労働省研究班の調査(2018年8月発表)では、中高校生の7人に1人、全国で約93万人に「病的なインターネット依存が疑われる」と推計されています。インターネット依存とは「やめようと思ってもやめられない」、「過度な利用により生活や健康に多大な支障が出ている」といった状態を指します。学生であれば昼夜逆転による不登校をはじめ、無気力や暴力性など深刻な影響が出る恐れもあります。
なぜこのような状態に陥るのか、現在のところ明確な原因は特定されていません。スマホが普及して10年足らずで、依存的な利用が問題視されたのは最近だからです。
とはいえスマホ特有の問題点もあります。例えばどこにでも持ち歩ける利便性が、半面ではやめる機会を失わせてしまうことも。結果的に歩行中や食事中の「ながらスマホ」につながります。
子ども社会の同調圧力もやめられない理由の一つです。仲良しグループでメッセージ交換をする、チームをつくってゲームを進行する、同じ動画を見てクラスの話題にする、こうした「みんな一緒」の空気感がプレッシャーとなり、スマホを手放せなくなるわけです。とりわけ会員制交流サイト(SNS)での同調圧力に悩む子どもは多く、「いじめ」に発展するケースも増えています。
(石川結貴・ジャーナリスト)
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