Home>新聞記事

[ 新聞記事 ]

コロナ禍の外出自粛 熱中症 屋内でも注意 高い気密性、室温上昇 日よけなど工夫して/マスク着用でリスクも

/掲載日:2020年06月16日/紙面:山陽新聞朝刊/掲載:4ページ/


 今夏の気温について気象庁は平年並みか高いと見込んでいる。新型コロナウイルス対策として外出を控え、例年に比べて自宅で過ごす人が多くなりそうだ。そこで注意が必要なのは熱中症だ。炎天下の屋外だけでなく、気密性が高い建物の中にいても発症するケースが相次いでおり、専門家は警鐘を鳴らしている。

 熱中症は体温の上昇に伴って体内の水分・塩分のバランスが崩れることで生じるめまいや嘔吐おうとといった体調不良の総称。患者は例年5月ごろから急激に増え始め、7、8月にピークを迎える。

 総務省消防庁によると、昨年は5~9月、全国で7万人以上が救急搬送された。内訳は工事現場や田畑などの「仕事場」が12・9%、「道路」が15・6%、野外コンサート会場などの「屋外」が12・5%、「教育機関」が6・1%だが、突出しているのは「住居(庭などを含む)」の38・6%(2万7500人)だ。

 鉄筋コンクリートでできたマンションや一戸建てが急増している。耐震性といった利点の半面、気密性が高く、熱の逃げ場が少ないことが、屋内で熱中症にかかる原因と考える専門家は多い。

 住宅と熱中症の関係に詳しい京都府立大の柴田祥江研究員(建築環境工学)によると、昼間が最も長い夏至の日中、部屋の西側にある2メートル四方の窓から入る日射量は、最大でヒーター2台分(計約2千ワット)の熱さに匹敵する。柴田さんは「日よけなどで熱を室内に入れない工夫が大切だ。外より屋内の方が暑い場合もある」と指摘する。

 気象庁によると、日本の夏(6~8月)の平均気温は変動を繰り返しながら上昇傾向にあり、長期的には100年当たり1・11度の割合で上昇しているという。昨夏は基準値(1981~2010年の30年平均値)より0・45度高かった。

 同庁の高橋賢一防災気象官は「命を守るという点では熱中症も他の自然災害と同じ。家の中だから大丈夫だと思わないでほしい」と訴えている。

 


屋内の熱中症対策


マスク着用でリスクも

 在宅勤務や休校の影響で外出する機会が少なく、まだ体が暑さに慣れていない。新型コロナウイルス対策でマスクの着用が増え、高齢者や子ども、屋外で働く人、運動する人は昨年以上に熱中症への警戒が必要だ。

 めまいや立ちくらみ、手足の筋肉がつる、体がだるい、力が出ない、吐き気や嘔吐、汗が止まらない、汗が出ない―は熱中症の初期症状だ。涼しい場所に移り、ためらわずに周囲に助けを求め、病院に向かおう。

 環境省や厚生労働省は屋外で人と2メートル以上の距離を保てる場合はマスクを外し、着用時は負荷のかかる作業や運動を避けるよう呼び掛けている。

 一緒にいる家族、友人や知人、同僚の様子にも気を配ろう。会話が成り立たない、呼び掛けに応じない、まっすぐ歩けない、ひきつけを起こした場合は症状が重く、救急車を呼び、早く病院に向かう必要がある。屋内でも料理店の厨ちゅう房ぼうといった風通しが悪く、熱がこもる場所はリスクが高い。

 こまめな水分・塩分補給は大切だが、症状が出てうまく水が飲めない人に無理やり飲ませる必要はない。水が気道に入る恐れがあるためだ。

 晴れて気温が上昇すると屋内・屋外を問わず熱中症になりやすい。外出時は帽子や日傘を使い、室内ではカーテンやすだれで日差しを遮る。温度計で室温を確認し、状況に応じてエアコンや扇風機を活用しよう。

>一覧に戻る

LaLa Okayama 会員登録

Access Ranking

Present

プレゼント