/掲載日:2020年07月24日/紙面:山陽新聞朝刊/掲載:13ページ/
会員制交流サイト(SNS)を利用する子どもの問題は、実は大人の問題でもあります。不安を覚えながらも現実には放任状態。ガミガミ言うだけで具体的な指導をしない。こんな保護者や先生たちの姿勢についても考えたいものです。
SNSを日用品のごとく使いこなす子どもと違い、大人には少なからず苦手意識があります。使い方が分からず、そもそも使ってみたいと思わない。自分が知らないから、子どもに何をどう教えればいいのか困ってしまう。取材の場ではこうした声を聞きますが、「知らない」ことと「知ろうとしない」ことは別です。
子どもにSNSを利用させるなら、それがいったいどういうものなのか、できる範囲で調べてみましょう。
例えばSNSの利用規約です。サービスを提供する会社はユーザー(利用者)に対し、一定のルールを設けています。このうち「年齢制限」では、ツイッターやフェイスブック、インスタグラムなどの主要SNSが「利用できるのは13歳以上」と規定しています。仮に小学生がツイッターを使っていれば、明らかな利用規約違反。つまり、「違反行為だから利用してはいけない」と明確に伝えることができます。
また、利用規約には会員登録された個人情報の取り扱いに関する記述もあります。自分のプライバシーがSNSの各社にどう利用されているのか、親子で考えるきっかけになるかもしれません。
「危ないからダメ」と口先で注意するよりも、正当な理由をもとに子どもと話し合う方が効果的です。そのために、まずは大人側の「知る努力」が大切ではないでしょうか。