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漫画「くらしきぎゃらりーかふぇ物語」刊行 岡山の食や風景 詰め込んだ一冊 県内在住の八朔さん脚色、作画

/掲載日:2020年11月18日/紙面:山陽新聞朝刊/掲載:21ページ/

 倉敷市美観地区の小さなギャラリーを舞台にした漫画「くらしきぎゃらりーかふぇ物語」(ワニブックス)が刊行された。脚色、作画は岡山県内在住のイラストレーター八朔さん。女性店主と周りの人々の、心が通う日常を通して、家族の絆や平和の大切さを描き出す。倉敷川畔や自然豊かな県北の景色、白桃やマスカットを乗せたフルーツパフェなども登場し、“岡山色”も満載だ。



 ギャラリーの店主は友恵おばあちゃん。娘夫婦や孫2人、常連客、猫の茶々に囲まれにぎやかな日々を送っている。おばあちゃんは店に飾っている女の子の絵に、毎朝花を供えるが、実はその絵には、ある秘密が隠されていた。舞台は戦前、1930年の大阪へと移り、幼なじみの少年と少女の切ない物語が幕を開ける―。

 漫画「ねことじいちゃん」などで知られる名古屋市の漫画家ねこまきさんが企画。同市在住の小説家志賀内泰弘さんが原作を担当した。

 岡山大教育学部で美術を学んだ八朔さん。卒業以来10年、ねこまきさんの事務所でアシスタントを務め、イラストレーターとして実用書の漫画解説や挿絵を描いてきた。自身の名前が記された本の出版は、今回が初めてだ。

 作中に登場し、物語の鍵となる女の子の肖像画、ヒマワリの絵は、岡山県西粟倉村在住の洋画家関野智子さん(48)の描き下ろし。八朔さんの大学の先輩という縁で協力した。

 涼やかな倉敷ガラス、一面に広がる県北の茶畑…。作品随所に“岡山らしさ”をちりばめた。八朔さんは「私の好きな岡山の風景を詰め込んだ。漫画の世界に入り込んだ気持ちになって、楽しんでほしい」と話している。



 A5判、175ページ、1265円。 (山本恭子)

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