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ミュージカルに出演する子どもの思い


最近、子ども参加型のミュージカルを目にする機会が増えています。
出演のきっかけは、オーディションやスタッフに声を掛けられるなどさまざま。
12月2日(土)に岡山市内で開かれるミュージカル「幸福の王子」には、
中学2年の近藤雅希(まき)さん、小学4年の湯浅かなえさん、石川未藍(みらん)さんが一般枠で出演します。本番に向けて稽古に励んでいる3人の子役に、
ミュージカル出演のきっかけや楽しさ、大変さなどをうかがいました。

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◆このミュージカルに出演するきっかけを教えてください。
雅希さん:ディズニーが好きなのでミュージカルに興味があり、「挑戦してみたい」と脚本家の先生に気持ちを伝えたことがきっかけです。私は途中から参加させてもらっています。
かなえさん:脚本家の先生が誘ってくださり、私自身ミュージカルや歌が好きだったので出たいなと思いました。
未藍さん:脚本家の先生からお声掛けいただいたのがきっかけです。

◆実際にミュージカルの稽古をしていて、難しいと思ったところは?
雅希さん:
表情と気持ちを表現することが難しいです。
かなえさん:子どもだけのミュージカルに出たことはあるのですが、大人の方たちと一緒に出るのは今回が初めてで、あいさつや言葉遣いなど礼儀に関して特に難しいなと思います。ミュージカルを通してこうした社会性も学んでいます。
未藍さん:気持ちを込めることが難しいです。あと、大人の方たちが多いので、コミュニケーションをとるのも難しいなと感じます。

◆稽古は楽しいですか?
雅希さん:
とっても楽しいです!代役の方の違った演技も見られるので勉強になりますね。
かなえさん:楽しいです!みんなで1つのものを作り上げるため、チーム一丸となった稽古はテンションが上がります。同級生がいて一緒に遊べるので、それも楽しいです。
未藍さん:楽しい!!自分より年上のお姉さんと一緒に歌えるのが嬉しいです。

◆大変さはありますか?
雅希さん:勉強と部活との両立が大変です。朝早く起きたり、予定のない日など、とにかく空いた時間に勉強をしています。ただ、無理しすぎると体調を崩しかねないので、そことのバランスも大変ですが、好きなことなので乗り切ります!
かなえさん:スケジュールを調整するのが一番大変です。友達と遊ぶ時間はほとんどなく、遊びたいなと思う時もあるけれど、「遊べない」と割り切って毎日を過ごしているからそんなにつらくないかも。稽古で会える友達もいるので寂しくないですよ。
未藍さん:稽古です。演技など直されるところが多いので、「自分は本当に向いているのかな」と悩む時があります。でも、向いている自分になりたいから一生懸命頑張っています。

◆稽古を始める前と今とを比べて、自分がどのように変わったと思いますか?
雅希さん:積極的になりました。人前でしゃべることが苦手だったのですが、それが平気になって、学校行事などでもどんどん人前に出ることができるようになりました。あと、明るくなったと思います。
かなえさん:自分1人で歌ったり、台詞を言ったりする“ソロ”のところだけでなく、みんなで歌ったりするところもたくさん表現ができるようになったと思います。いろいろな方向から物事が見られるようになりました。
未藍さん:他の習い事もあり、友達と遊ぶ時間が減って最初は嫌だったけれど、目的のために優先順位を決めて行動することを覚えました。

◆将来は何になりたいですか?
雅希さん:
公務員など安定した職業に就きたいです。
かなえさん:看護師か歌手です。患者さんやお客さんに心が温かくなるような歌を歌いたいから。そのきっかけをくれたのは、今年4月に亡くなったおばあちゃんです。おばあちゃんは嵐が大好きで、嵐の歌を歌ったらいつも元気になっていました。
未藍さん:誰かの大切な人の命を救いたいから、医者になりたいです。

◆今、何かにチャレンジしようか迷っている人に伝えたいことは?
雅希さん:みんなもいろいろなことにチャレンジしてほしいです。今まで見てきた世界が明るく変わります。
かなえさん:自分がやりたいことだったらどんなことでもチャレンジした方がいい!チャレンジしなかったら、オーディションに合格することもないと思います。
未藍さん:私自身オーディションで不合格になったこともありますが、失敗が成功につながることもあると思うので、ぜひTryしてほしいです。きっと、いい経験ができると思います。

■■■ミュージカル「幸福の王子」について■■

「おかやま国際音楽祭エンターテイメントチャレンジプラス」のグランプリに輝いたユニット『翼』の、
清水ゆきさん(ミュージカル女優)が脚本、
石橋元嗣さん(作曲家、アカペラシンガー)が音楽を手掛けています。
現代を生きる私たちが忘れがちな、希望、祈り、慈悲の心を描いた無償の愛の物語です。
翼のお2人にもミュージカルに寄せる思いなどをうかがいました。

◆活動を通して伝えたいことは?
「愛と平和」が私たちのテーマ。芸術を通してこのテーマを多くの方々へ伝えたいと思い、歌っています。

◆ミュージカルはどんな存在ですか?
広い範囲で「共感」できるもの。だからこそ、この「共感」がいつかどこかで「愛と平和」につながっていくのではないかと考えています。


◆出演する子どもたちの成長を感じるところは?
初めは『物怖じ』している感が否めなかった3人ですが、その3人の中で調和が生まれ、世代を越えた他のキャストさんとも連携が図れていく過程を見て、成長しているな…と感じます。

◆子どもたちに伝えたいことは?
自分の人生の師匠ともいえる方に言われた、「結果はおまけでしかないんです。いつでも過程が一番大事」というメッセージですね。舞台は徳を積み、積んだ分を本番で使い切って、また次の本番へ積む仕事だと聞いたことがあります。稽古場での自分自身との対話、周りの方々との対話、協力を通して人としても大きく成長していってくれればいいなと思っています。

■ミュージカル「幸福の王子」&クリスマスコンサート
日時:12月2日(土)17:30~21:00
場所:西川アイプラザ5階ホール(岡山市北区幸町)
料金:大人2000円、小中高生 1000円 ※全席自由


☆編集後記☆
なかなかしっかりしていた子役たち。同じ質問でもそれぞれとらえ方が違い、「人がこう言ったから…」という意識の返答がなかったのが印象的でした。人前で表現することを通じ、気づかぬうちに人として成長しているのだなと実感。また、翼のお2人の「愛と平和」に対する考え方もすばらしく、言葉よりも“感じること”で広がっていくものを大切にされていました。このミュージカルのように、夢を持った子どもたちにチャンスや何かに気づくきっかけを用意することで、それが未来で「愛と平和」の和音になっていくんですね。(I)
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