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【お役立ち健康コラム②】今日から始められる!『ママと子どものスキンケア』

子どもはもちろん、ママもパパも家族みんな毎日元気に過ごしたいですよね。そのためにはちょっとした生活習慣の見直しや改善が必要になることも。そこで、フリーランス看護師の若林紗也子さんに、すぐに役立つ健康情報を取材。シリーズでお伝えします♪

 

今回のテーマは、『ママと子どものスキンケア』。空気が乾燥する冬場は肌トラブルが増える季節。「肌の表面が白く粉がふいたようになった」「マスクで口周りが赤くなってしまって」「カサカサなところに保湿剤を塗ると余計にかぶれた」 といった肌トラブルを防ぐためには、大人も子どもも“毎日のスキンケア”がとても大切です。予防的スキンケアのポイントについて聞きました。

*いつ始める?子どものスキンケア

始める時期は、今日からです!今からなんです!

いわゆる赤ちゃん肌はスベスベ・モチモチなイメージがあり、大人の化粧品パッケージにも「めざせ 赤ちゃん肌」などと記載されていますが、実は赤ちゃんの肌はとってもデリケートなんです。

“スキンケア”とは、皮膚の清潔と保湿を目的とした『肌のお手入れ』のこと。スキンケアを行うことで皮膚の機能を正常に働かせることができ、体温調整や免疫機能の正常化、感染リスクの軽減につながると言われています。

 

 

*ママと子どもの肌の違い

スキンケアを難しくとらえてしまい、どう取り入れていこうか迷っているママもいるかもしれません。“子どものスキンケア”を始める前に、ママと子どもの肌の違いについて、赤ちゃんの肌を例に3つのポイントを説明します。

 

赤ちゃんの皮膚大人の半分

赤ちゃんは皮膚の厚さが大人の約1/2で、肌のバリアー機能が不完全です。そのため刺激を受けやすくなっています。

 

②ママ2~3倍も汗っかき

実は赤ちゃんの体にある汗腺の数は大人の数と一緒。同じ面積なのに大人の6~7倍も汗腺があり、だから汗っかきなんですね。汗は肌トラブルの原因の一つ。肌を清潔にすることがトラブルを防ぐことにつながります。

 

皮脂の分泌量が少ない

赤ちゃんは3カ月を過ぎると皮脂の分泌が減って乾燥肌に。3カ月まではママの黄体ホルモンの働きで多く分泌されていた皮脂量も、4カ月を過ぎると急に少なくなり、ママの約1/3に。皮脂が少ないと肌のバリアー機能も十分に働かないので、外から刺激などを受けやすい状態になります。実は子どもは、赤ちゃんの時期を越えても思春期頃まで乾燥が続くので、保湿ケアの継続が必要となります。

 

また、肌が乾燥して肌荒れを起こしていると肌のバリアー機能が十分に働きません。ダニやほこりなどのアレルギー物質が体内に入りやすい状態に。湿疹などがあり、アレルギー物質が皮膚のバリアーを通過して、それまでアレルギー反応を示さなかったものに対しても反応し、アレルギー症状を引き起こしてしまうのです。

生まれてすぐからの保湿ケアはアトピー性皮膚炎の予防にもなると言われており、生まれた直後からのスキンケアが肌トラブルの予防につながりやすくなります。

 

 

*これで解決!スキンケアに関する疑問

スキンケア講師をしている際によく聞かれる質問&答えを紹介します。

 

―子ども用スキンケアは何を使えば良いの?

子どもの保湿剤を選ぶポイントは使いやすさも大切ですが、添加物に気を付けること!

一般に赤ちゃんのために作られた製品は安全性が高いものが多いのですが、保存料や防腐剤には気を付けてください。製品が腐らないように配合されているものの、「アルコール」「BG」「エタノール」などは赤ちゃんには刺激となる成分です。

また、石油から合成された化学成分である「合成界面活性剤」は水と油を混ぜ合わせるもので、一般に洗浄料やベビークリームなどに配合されています。界面活性剤には植物系のものもあります。

私のオススメは、まずはママが使ってみて、使い心地を試してみること。大人の方でも「使ってみると肌に合わなかった」という声を耳にすることがあります。ママ自身が使ってみて、使い心地や使いやすさを実感してみてください。

 

―オーガニックコスメは安全ですか?

「うちはオーガニックのものを使っていて」と聞くことがあります。オーガニックコスメと聞くと安全性が高く感じます。ただ、日本ではオーガニック製品に関する規制が緩いので、自然界にある原料を一滴使用し、製品のほとんどの成分が化学成分でも「オーガニック製品」に。言葉に惑わされず、成分表示を確認し、刺激がないか確認していただきたいと思います。

 

―どのタイミングでいつまで保湿ケアを行うの?

保湿ケアは1日何度行っても大丈夫です。頬や口周り、おしりは1日に何度も拭きますよね。もともと潤い成分が少ない赤ちゃんは、ますます潤いが少なくなるので乾燥を強めます。入浴後はもちろん、拭いた後、おむつ交換の度に加えて乾燥が気になるタイミングで保湿ケアを行いましょう。保湿ケアは、乾燥が続く思春期時期まで続けるのが良いと思います。

 

―ワセリンはたくさん塗っても大丈夫?

ワセリンは保湿ではなく、皮膚保護が目的。肌に潤いを与えるのではなく、肌にある水分を守るのです。塗った後いつまでもベトベトしますよね。それは皮膚になじまず、肌の上にのっかっているからです。

もともと赤ちゃんは水分量が少ないのでワセリンのみで保湿は行えません。「子どもが塗る時に嫌がる」といった声を聞きますが、大人でもベタベタのクリームを塗ると心地よくないですよね。その時にはワセリンではなく、乳液などローションを選択して保湿しましょう。ワセリンは安価で手を出しやすい製品ですが、石油から得られる鉱物油を精製したものです。安全性は保障されていますが、たくさん塗ると皮膚呼吸できず、肌トラブルの原因にもなりますので適量を使用しましょう。

 

―肌トラブルになった際、病院に行くタイミングが分かりません。

ママが赤ちゃんの肌に触れて「いつもと違う」と感じたタイミングでの受診をおすすめします。傷があるところにいつもの保湿ケアを続けると、改善することももちろんありますが、逆に成分がトラブルの悪化を招くこともあります。早い段階で受診できれば、処方の薬も軽く済むことがあります。一人で抱え込まず、ぜひご相談してくださいね。

 

―マスクの肌荒れに何かできることはありますか?

荒れた肌を刺激しないように清潔と保湿のケアを続けること、合ったマスクを選択することです。口元や頬の乾燥によりニキビができたり、皮膚が硬くなったりしますよね。マスクによるムレや汚れを気にして肌を強くこすったり、刺激の強いスキンケア用品の使用は控えましょう。マスクは人それぞれ肌に合う、合わないが大きいと思います。マスクの内側にガーゼを挟むことも一つ有効と思います。マスク着用前に保湿剤をたっぷり使用し、マスクを着ける時と外す時のメリハリができると良いですよね。

 

このように、子どもとママの肌の違いを理解すると、スキンケアは大切と感じますよね。でも、「お手入れをし忘れた!」と神経質にならず、スキンケアは、“肌と肌の触れ合いを大切にする時間”と思ってケアしていただきたいと思います。

また、肌は目に見える部分なので、「私のケアがいけないのかな?」と思い、子どもの肌トラブルを自分の悩みのように抱えるママもいらっしゃいます。ママ一人で抱え込まず、医療機関や相談しやすい人に相談してみてくださいね。

無理なく今日から始められるスキンケアで、ママと子どもたちの安心につながるスキンシップにもなると幸せです。


若林紗也子さん

1991年岡山生まれ。看護師として急性期病棟、小児科を経てフリーランス看護師に転身。現在は病院、訪問看護、保育園などで勤務。小児科勤務時代に子育てに不安や孤独を感じるママが多いことに気付き、子ども、ママも含めた家族支援の必要性を感じ胎内記憶教育や子育て数秘を学び、ママや家族のカウンセリングも実施。また、‟そよ風のように そっと包み込む 優しさを”をモットーにSNSなどで思いを発信しています。

ブログ:https://ameblo.jp/mah358alo/

Instagram:https://www.instagram.com/say385ako/

 

【参考文献・サイト】

・大塚製薬ホームページ・ビーンスターク「赤ちゃんの肌のおはなし」

https://www.otsuka.co.jp/bst/column/03/

・ひよこクラブ2019年6月号別冊付録「赤ちゃんのスキンケアと肌トラブルのすべて」

・友利新著「子どもの肌の一生を決める 0歳からのスキンケア(イースト・プレス 2017)

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