今回は前回の続きとして「大人は子どものミニチュアではない」の後編をお話しさせていただきます。
前回、大人と子どもでは骨の数や質が違うというお話をさせていただきました。
ここで質問です!
大人になるにつれ、どのようにして骨の数が減っていくのでしょうか?
答えは「成長するに従い骨同士がくっついて減っていく」です。
例えば、骨盤部で言えば真ん中にある逆三角形の形をした「仙骨」と呼ばれる骨。
これらは子どものとき独立しているのですが、大人になるにつれ一つに繋がっていきます。
股関節では、先端(骨頭・こっとう)とそれを受けるくぼみ(寛骨臼・かんこつきゅう)も成長に伴い形成されていく部分。
まれに寛骨臼のくぼみが浅く股関節が収まりきっていない「臼蓋(寛骨臼)形成不全」という病気になってしまうことがあります。
そのまま放置すると中高年になって「変形股関節症」などになることもあり、気をつけていただきたい病気です。
この病気の一要因として、早い時期のつかまり立ちや歩行開始が挙げられます。
最近は見かけなくなりましたが、自立歩行器も一因になっていると言えます。
寛骨臼を形成するためには、ずり這いやハイハイをしっかりすることで形成を促してあげることが重要です。
首の骨で言えば、大人はまっすぐではなくお椀のように左右の角が上に出ていますが、子どもはまっすぐなんです。
骨がたくさんあるということは、骨による動きの制限がなく動かせる範囲が広いという長所もありますが、裏を返せば身体が安定していないということでもあります。
突然ですが10年前、マッサージの最中に赤ちゃんが低酸素症で亡くなる事件があったのを知っていますか?
その先生は医学的な知識や資格はなく、独自に編み出したマッサージで首を90度以上に捻ったり揺さぶったりする施術をされていました。
大人の首の骨はお椀のようになっているため90度以上回らないようになっていますが、赤ちゃんの首は90度以上回ります。
医学的知識のある人からすれば、首を90度以上回したら脳への血流が止まって低酸素症になってもおかしくはないと思います。
しかし赤ちゃんの場合は「乳児突然死症候群」などによる原因不明の死亡例もあり、この件ではマッサージとの因果関係が証明できずに不起訴、つまり何の処分も受けませんでした。
ちなみに亡くなった赤ちゃんは2人。施術中に救急搬送された赤ちゃんは複数いたそうです。
有名な先生だったので安心して任せていたようですが、もしご両親に少しでも知識があれば、途中で「危ないのでは?」と思い止めることができ、赤ちゃんは亡くならなかったのかもしれない-そう思うと残念でなりません。
赤ちゃんマッサージが悪いわけではありません。
ちゃんと勉強されている先生もおられるのも事実です。
ただその先生を選ぶ“目”を養っていただけたらと思います。
知識を付けたいと思ってもどうすれば良いのか分からないという方は、お気軽にご相談ください。
今回のまとめです。
・成長とともに骨はくっついていく
・股関節の成長には腹ばい、ハイハイが重要
・お子さんの安全な成長には、ご両親が知識を身に付けることが大切
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
また次回も読んでいただけると嬉しいです。
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藤田央子(ふじた・ひさこ、KCSセンター岡山/倉敷店所属、姿勢調整師)
岡山県倉敷市出身。過去たびたびの交通事故で満身創痍の状態となり、医師からは「痛みと上手に付き合って」と言われ一度は諦めの心境に。痛みを和らげるためさまざまな療法を受ける中、姿勢療法に出合い生活が一変する。自身の経験から、姿勢で生活が変わることを一人でも多くの人に体験してもらいたいと活動中。大阪観光大姿勢科学ディプロマコース修了、米国ウエスタンステート大IDPコース修了、米国UCLA解剖実習修了、厚生大臣認可JFCP技術審査会臨床安全優秀賞受賞。
10/30〜11/1(水~金)「アリオdeマルシェ」@アリオ倉敷センターコート横イベントスペース
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11/20(水)青空マルシェ@姿勢専科KCSセンター岡山/倉敷店(倉敷市吉岡)
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