入学や進級、新しい環境での毎日。
朝はバタバタと準備に追われ、「早くして!」とつい声を荒げてしまう日もありますよね。
やっと送り出したと思ったら、帰ってきた子どもはなんだか不機嫌。
「行きたくない」
「できない」
「もうやだ」
些細なことで泣いたり、怒ったり。
今までできていたことが、なぜかうまくいかない。
「新しい環境で疲れているのかな?」
「それとも、ただ甘えているだけ?」
そんな風に感じて、どう接すればいいか、戸惑っていませんか

前回のブログでもお伝えしたように、
実はこの時期の子どもたちは、
「できていない」のではなく、「もう頑張りきっている」
そんな状態にあることが、とても多いんです。
人間は、大人も子どもも「変化」に弱い生き物です。
それは人間の長い歴史の中で、「孤独」になること、「新しい環境」は
命の危険に直結してきたからです。
本能的に、仲間外れにならないように
・失敗しないようにしよう
・みんなと同じようにしないと
・目立たないように我慢しよう
と、結構頭を使っているんですよね。
脳はかなりエネルギーを使う臓器なので、
勉強したり、登下校したりするエネルギーだけではなく、
“仲間外れにならないため”の思考にエネルギーを
かなり使っています。
•ぐずぐずしたり
•怒りっぽくなったり
•何をするにもやる気が出なかったり
そんな形で、疲れが表面に出てきてしまうんですよね。

ここで一番大切なのは、
家でも「もっと頑張りなさい」と追い詰めるのではなく、
「安心して回復できる場所」を作ってあげること。
その中でも、特に大きな役割を担ってくれるのが、「食事の時間」です。
ごはんは “安心”を届ける時間。
食事となると、成長期のお子さんには、
「何をどれだけ食べさせるか」「栄養バランスはどうか」と、
つい栄養面に目が行きがちですよね。
でも、この時期にまず一番大切にしてほしいのは、
「安心して、ゆっくり食べられること」
なんです。
どんなに栄養満点のごはんでも、
•「早く食べなさい」と急かされたり
•「こぼさないで」と注意されたり
•緊張した空気の中で食べたり
そんな状態では、体も心も、なかなか回復できません。
逆に、
•「大丈夫だよ」と安心できる空気
•「ゆっくりでいいよ」と落ち着ける時間
•「そうだったんだね」と受け止めてもらえる会話
これがあるだけで、子どもたちは少しずつ落ち着きを取り戻していきます。
「今日どうだった?」と聞いても、「普通」としか返ってこないことも、よくありますよね。でも、それで大丈夫。
無理に聞き出そうとしなくてもいいんです。
•ママが今日あったことを話してみる
•ちょっとしたことで一緒に笑い合う
そんな時間の中で、
子どもは少しずつ、安心して自分の感情を言葉にして話せるようになります。
大切なのは、
「解決してあげること」よりも、まずは受け止めてあげること。
「そうだったんだね」
「それは嫌だったね」
たったそれだけの言葉で、子どもの心はぐっと軽くなるものです。
疲れているときほど、人は“安心できる味”を求めます。
子どもも同じです。
この時期は、
•子どもが好きな味付け
•食べ慣れた、いつものごはん
•食べるとホッとするような温かいメニュー
を意識してあげてください。
栄養バランスももちろん大切ですが、まずは
「美味しく食べられて、ホッとできること」
これが、心と体の回復に繋がります。
食事中の雰囲気は、本当に大切です。
•「早く食べなさい」
•「ちゃんと座って」
•「それも食べなさい」
こんな風に言われると、体はギュッと緊張してしまいます。
すると、消化も吸収も、うまくいかなくなってしまうんです。
逆に、
•「ゆっくりでいいよ」
•「一緒に食べようね」
•「今日も一日、よく頑張ったね」
そんな優しい声かけがあると、
副交感神経の働きが優位になり、
体も心も緩んでいきます。

もちろん、栄養も大切な体の土台です。
ただし、不安定な時期の優先順位は、
安心 →美味しい→ 栄養
この順番を意識してみてください。
栄養面で意識するのは、シンプルで大丈夫です!
•朝は、少しでも何か口にする
•たんぱく質を意識して取り入れる(卵、納豆、お魚など)
•お味噌汁やごはんなど、ホッと落ち着く和食を取り入れる
完璧を目指さなくて大丈夫です。
「ちゃんと」よりも「続けられる」こと。
これが、一番大切です。
「できるようにする」は、そのあとでいい。
4月は、「早く新しい環境に慣れてほしい」「色々なことができるようになってほしい」と、親としては焦ってしまいますよね。
でも、子どもが元気になる順番は、
安心する → 回復する → 活動的になる
心が安心できて、エネルギーが回復できた子は、
自然と前向きな気持ちになれるものです。
「行きたくない」
「できない」
そんな言葉の裏には、
「疲れたよ」「もう頑張れない」「安心したい」
という、子どもの素直な気持ちが隠れています。
だからこそ今は、
•食事の時間を、もっとゆったりと
•会話の中で、子どもの気持ちをそっと受け止める
•「大丈夫だよ」と安心できる空気を作る
ここを大切にしてあげてください。
それが、これからの子どもの成長の、何よりもしっかりとした土台になります。
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森田早紀(もりた・さき、管理栄養士)
岡山市出身。大阪で対プロ野球選手やスポーツチーム、調剤薬局、歯科医院などでの栄養指導経験を経て妊娠、出産。
長男の10カ月にも及ぶ夜泣きから「分子整合栄養医学」と出合い、子どもはもちろん自身や家族の不調を改善。
“ママと子どものかかりつけ管理栄養士”として講座や個別セッションを実施。
次の世代に残したい食文化や食習慣を、管理栄養士ならではの視点で伝えている。
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