絵本作家・長田真作さんの、“新作”「ぬりえ・クエストvol.1&vol.2」の刊行を記念したイベント、「ヒミツのぬりえ工作☆工場+ヒミツのぬりえおしゃべり」が、8月、紀伊國屋書店クレド岡山店とエブリイOkanaka津高(いずれも岡山市)で開かれました。
長田さんが工場長を務め、俳優の満島真之介さんが助っ人職人、高陵社書店代表取締役・高田信夫さんがオーナーという、豪華なキャストが勢ぞろい。
どんな“ヒミツ”の体験ができたのか、その様子をレポートします。
+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-+:-+:-+:-+:-+
会場には、長田さんの絵本の中からセレクトされた塗り絵や大きな紙、段ボールが大きなブルーシートの上に置かれたブースと、段ボールではなく、色画用紙が大きなテーブルの上に置かれたブースがありました。制作に関して、ルールはいっさいありません。参加した子どもたちは感じるままに行動。
大きな紙に長田さんと一緒に絵を描き、それを塗っていく子どももいれば、1人で黙々と塗り絵に没頭する子どももいます。自分の想像したものを段ボールで制作するために、どのようにしたらよいかを頭の中で考えている子どもや、気の向くままに段ボールを組み合わせていく子どもの姿も…。この空間には、心地よい「自由」と穏やかな「尊重」が広がっているように感じました。
個々に自由に作業し、しばらく経つと、「『ヒミツのトビラ』を作ろう!」と長田さん。長田さんの新作絵本からインスピレーションを受けた子どもたちはテーマを導き出し、「ヒミツのトビラ」という目的に向かってまっしぐらです。
次々に浮かんでくるアイデアを目を輝かせながら長田さんたち“工場スタッフ”に伝え、工場スタッフたちもそのアイデアを「いいねえ!」「それ、ここにしよう!」などと1つ1つ丁寧に組み上げ、カタチに。どんどんトビラができていきました。
そんな中、コツコツと大きな紙に絵を描き続ける子もいます。気がつくと、その子と長田さんのコラボ作品が壁に登場。会場には子どもたちが描いたたくさんの絵も飾られました。
工場スタッフたちは大人です。私が知る多くの場合、「大人が子どもに教える」という暗黙のルール的なものが存在しているように感じますが、ここでは違います。大人も夢中で、子どもたちから「これが届かないから、こうしてほしい!」などと要望が出ると手を貸し、「これはどうしたらいいかな?」の問いかけには真剣にそれぞれの感覚で向き合うなど、いわゆる『子どもと一緒の目線』よりも深く、子どもたちを「個」として成立させ、人間として当たり前のように接する感覚がありました。
来岡された長田さんのインタビューはこちら
【絵本作家・長田真作さんの独特な世界観を ママ目線で紐解く】