Home>育てる

[ 育てる ]

[歯科医師ママの健康教室 ]熱中症予防対策の落とし穴に注意して | ママに伝えたいスポーツドリンクと経口補水液の違い

 

夏になると学校やスポーツクラブの先生からの指導でスポーツドリンクを日常的に飲むお子さんが増えています。

 

熱中症予防や熱中症対策に良いとされるスポーツドリンクですが、思わぬ落とし穴に注意してほしいと思います。

スポーツドリンクは、運動による発汗などによって体から失われた水分やミネラル分を補給することを 目的とした飲料です。

手軽で飲みやすい半面、問題もあります。ほとんどのスポーツドリンクには砂糖や甘味料が多量に使われていて、その量はジュースや炭酸飲料と変わりません。中には500mlのペットボトル1本に20~30グラムの砂糖が含まれているものもあるといわれます。

水の代わりにスポーツドリンクを日常的に飲むことは、むし歯や「ペットボトル症候群」という急性の糖尿病になる危険があることも知ってほしいと思います。

また、意外と知られていないことですが、スポーツドリンクの水分吸収率は決して高くないと言われていますので、こちらも注意が必要です。

一方、食塩とブドウ糖を混合して水に溶かしたものが経口補水液で、スポーツドリンクよりも糖分が少なく塩分を多く含みます。暑い日に大量の汗をかき脱水症状となった場合は、経口補水液の補給が必要です。脱水症状は水分と塩分からなる体液が不足した状態なので、改善には水分吸収速度が速く、塩分を多く含んだ経口補水液が有効なのです。

普段の生活では、多くの場合、こまめに水やお茶を飲むことで熱中症を予防できます。ただ、炎天下でのスポーツや屋外労働などで大量の汗をかいたときには、水分に加えて塩分を補給する必要があります。

オススメはペットボトル1本の水かお茶と一緒に梅干しを1粒食べること。梅干しには塩分やミネラルのほかクエン酸も含まれていて、疲労回復にも効果があります。スポーツドリンクを飲む場合は、その量と回数に気を付けましょう。スポーツドリンクは経口補水液と違って甘みが強く、塩分は少なく美味しく飲める清涼飲料水です。むし歯だけでなく血糖値の乱高下や食生活の乱れなどのデメリットもあります。

スポーツドリンクの飲みすぎでむし歯になる方が増えており、診療室でも頻繁に正しい対策についてお話ししています。ママの正しい知識でお子さんの健康を守ってあげてください。

 

[正しい熱中症予防対策]

 

普段の生活や軽い運動では水か麦茶

 

脱水が心配な時にはペットボトル1本のお水かお茶に梅干し1粒

 

脱水症状が疑われる時には経口補水液

 ※経口補水液は予防的に飲むと塩分過剰のリスクがあるので必要なときだけ利用します。

 

和気歯科・小児歯科 院長
横道 由記子
岡山大学歯学部を卒業後、岡山市内で父親の歯科医院に勤務しながら二児の母親として読者2,000人のメルマガ「歯科医師ママのむし歯予防」を6年間発行。
平成25年に「お口の健康を通して人の幸せに貢献する」という理念のもと和気歯科医院の二代目院長となる。平成26年より、歯科医院の枠をこえて人の幸せに貢献したい想いからリス企画ビジョンを立ち上げ、健康教室やイベントを開催している。

>一覧に戻る

ログインして「コメントを書く」

Access Ranking

Present

プレゼント