授乳は赤ちゃんの栄養補給や母子のスキンシップであるとともに、お口の機能や顎の発達、歯並びにも関係するとても重要な動作です。赤ちゃんは舌と上顎でママのおっぱいをしごいてお乳を飲みます。母乳を飲む際にしっかりと口周りの筋肉を使うことで噛むための筋肉が発達し、同時に、口が完全にふさがるので自然と鼻呼吸が身に付くのです。
授乳の時期に口周りの筋肉をしっかりと鍛えることが、将来の綺麗な歯並びに繋がる大切なポイントです。正しい咀嚼や歯並びのためのトレーニングは授乳期から始まっているのです。
効果的にお口を育てたいママさん。「舌やお口の周りの筋肉を鍛える授乳の方法」を知っていますか?
【まあるく抱っこ】
授乳の時は赤ちゃんの首ではなく後頭部を支えて、首が反らないように背中がまあるくなるように抱っこします。
授乳の姿勢が悪いと理想的な鼻呼吸ができなくなったり間違った嚥下方法が定着したりすることがあります。その結果、あごの発育が不十分で歯と歯の隙間が狭くなると、永久歯が生える場所が少なくなってしまい、歯並びが悪くなってしまいます。
【おっぱいを深くほおばる】
乳輪(色の濃い部分)が隠れるくらい大きく深くほおばります。
乳首を大きく含むと舌や口が大きく動き、舌が正しい位置に収まり噛む力が育ちます。
乳首のくわえさせ方が浅いと赤ちゃんが母乳をうまく飲むことができず、ママの乳首の痛みを引き起こす可能性もあります。
【舌と上顎で乳首をしごいて母乳を吸います】
乳首の根元から舌を上顎に押し付けてしごくように吸います。
上顎の緑の部分と舌で乳首をしごきます。
【お口の周りの筋肉を鍛えて健やかに】
正しく母乳を飲むことで、舌やお口の周りの筋肉が鍛えられます。
筋肉がバランスよく発達することで、綺麗な歯並びや正しい鼻呼吸を促し、健やかな成長に繋がります。少しの工夫や知識で、お子様の将来の成長や発育に良い影響を与えることができるのです。
和気歯科・小児歯科 院長
横道 由記子
岡山大学歯学部を卒業後、岡山市内で父親の歯科医院に勤務しながら二児の母親として読者2,000人のメルマガ「歯科医師ママのむし歯予防」を6年間発行。
平成25年に「お口の健康を通して人の幸せに貢献する」という理念のもと和気歯科医院の二代目院長となる。平成26年より、歯科医院の枠をこえて人の幸せに貢献したい想いからリス企画ビジョンを立ち上げ、健康教室やイベントを開催している。
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