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【プレママのための幸せな出産&育児のススメ②】 「『つわり』のメカニズムと乗り切り方」

「出産」という言葉を聞いて、皆さんは何をイメージしますか?

痛い・つらい・不安という声をよく耳にしますが、
視点を変えれば、母親の体の中で命を育み、生み出すこと。

「出産」はとても素晴らしいことだと思いませんか!?

出産に向けてベビー用品の準備も必要ですが、
それ以上に大切なのが、親になるための心の準備です。

そこで、現役助産師のシャノン香織さんに、
“妊娠中からのママの心と身体づくり”の方法やポイントを取材。

今回は、妊婦さんの半数以上が経験し悩まされる
『つわり』のメカニズムと乗り切り方についてお伝えします。

*『つわり』とは?

原因はまだはっきり解明されていませんが、妊娠初期に起こるホルモンの大きな変化によって生じるといわれます。

主な症状としては、胸のむかつき・吐き気・嘔吐(おうと)・食欲不振・食べ物の好みの変化が挙げられ、他にも、唾液が増える・眠気や頭痛・身体のだるさ・イライラ・感情的になりやすいといった症状がある人も。一般的には妊娠5~6週頃から始まるとされ、そのピークは妊娠8~10週頃、胎盤が完成する妊娠16週頃には症状が自然と軽くなってきます。

ただ、症状の有無や程度には個人差が大きく、人によってはその時期が短かったり長引くこともあります。

 

つわりが起きる妊娠初期、実は赤ちゃんの進化がスゴイ時期なんです!

 

妊娠5週頃:赤ちゃんの形はまだ見えませんが、心臓となる部分がドクドク動いています。この時期は妊娠に気付き、初めて受診される頃。エコーでおなかの赤ちゃんを確認した時は、まだ実感はなくとも嬉しくてニヤニヤしたりすることもあるでしょう。

 

妊娠8週頃:赤ちゃんの形になってきて、エコー上で動いているのを確認できます。

 

妊娠12週頃:赤ちゃんは人間らしい姿になり、胎動は感じないのに子宮の中で手足を動かしたりしています。

 

生命の起源は約35億年前といわれていますが、その歴史を物語るように、子宮の中で受精卵がすさまじい速さでヒトへと変化しているんです。もうこれは『奇跡』的な出来事で、それが自分の身体で起きていると思うと何とも言えない感情になりますね。「子宮は宇宙だ!」という人もいるくらいです。

つわりは、赤ちゃんがおなかにいることによって起きる身体の変化。それだけ赤ちゃんが大きな変化を遂げているのだから、もうこれは受け入れるしかない!!!そんなふうにも思えたりしませんか?

 

また、妊娠中は感覚がどんどん研ぎ澄まされていくので、さまざまなことに敏感になりがち。それが食事や生活を見直すきっかけになったり、自分の心の変化に気付いたり。つわりは自分を見つめるチャンスでもあるんですよ。

 

*つわりの時期の乗り切り方

症状がひどいと心の余裕もなくなるかもしれません。そんなプレママのために、つわりの時期の乗り切り方をお伝えします。

 

①食べられるものを食べたい時に!

つわりの時期は「食べられるものを食べたい時に」が基本です。この時期の食事が赤ちゃんの成長に影響することはありません。「バランス良く食べなければ」と思わず、自分が食べたいもの・食べられるものを取りましょう。

 

②空腹になる時間を減らす

空腹が吐き気につながる場合は、気軽に食べられるものを手元に置いておいたり、1度の食事量を減らして食事回数を増やすなど、空腹になる時間を減らす工夫をしてみるのもいいですね。

 

③においを避ける

食べ物のにおいや香水・タバコの煙が吐き気の引き金になることもあるので、そういったものを避けるようにもしてみましょう。

 

④外気に触れてリラックス

少し体調が良いと感じる時には、外の空気に触れるために散歩をしてみましょう。できるだけ頭で考えず、頭の中を空っぽにしてボーッとしてみたり、五感を使い身体を緩めてリラックスして歩いてみると、意外と気分がスッキリするものです。

 

⑤空気の入れ換え・瞑想(めいそう)

外出する気力もないという場合には、部屋の空気を入れ換え、マインドフルネス瞑想などしてみてはいかがでしょうか?

 

働くプレママが多い現代、体調がすぐれないのを我慢しながら過ごしている方もいるのではないでしょうか?つわりはストレスによって症状がより重くなることもあります。できれば会社に自分の体調を伝えて仕事内容を調整し、休憩時間をこまめに取ったり、休んだりできるといいですね。

 

「母性健康管理指導事項連絡カード(母権連絡カード)」を知っていますか?

これは働くプレママを守るために医師が発行するもので、カードには時差出勤や休憩時間の増加など配慮の必要性を記載しています。身体の不調を感じる際にかかりつけ医に相談して発行してもらうこともできます。母子健康手帳にも記載があるので参考にしてみてくださいね。

 

おうちでも自分がしんどい時は「自分が頑張らなくては!」ではなく、家族に協力してもらうチャンスでもあります。家の人にできることをお願いして、身体を休めましょう。嘔吐がひどく、水分も取れないほど症状がひどい場合にはかかりつけ医に相談されると良いでしょう。

 

 

*家族の方へ

プレママは赤ちゃんがおなかの中に来てくれて嬉しい気持ちがある反面、つわりの症状で身体や気持ちが思うようにならず、戸惑いを感じていることもあります。つらそうにしている時はそっと休ませてあげたり、家事や上の子のお世話などできることをしてあげてくださいね。

 

 

つわりには必ず終わりが来ます。つわりが終わる頃にはおなかが少しふっくらして、妊婦さんらしさが出てくることでしょう。それまでは無理をせず、工夫しながらこの時期を乗り切ってみてくださいね。

 

産前産後サロン 助産院あいのわ 助産師

シャノン香織さん

倉敷市真備町生まれ。2児のママ。倉敷市内の総合病院・個人病院に勤務後、2019年に自宅にて「産前産後サロン 助産院あいのわ」を開業。

 

『ココロオドルほどのしあわせな出産・しあわせな母乳育児をしよう』をコンセプトに、妊娠中からの心づくり&身体づくりで笑顔で産前産後を過ごせるようお手伝いしています。すべてを包み込んでくれる柔らかな笑顔と語り口調に「話すだけで心スッキリ!」「ゆったり安心する」と産前産後のママから大人気の助産師さんです。

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