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【プレママのための幸せな出産&育児のススメ③】「知っていますか?『マタニティブルーズ』『産後うつ』~産後の心の変化とケアについて」

「知っていますか?『マタニティブルーズ』『産後うつ』~産後の心の変化とケアについて」

「出産」という言葉を聞いて、皆さんは何をイメージしますか?

痛い・つらい・不安という声をよく耳にしますが、

視点を変えれば、母親の体の中で命を育み、生み出すこと。

「出産」はとても素晴らしいことだと思いませんか!?

出産に向けてベビー用品の準備も必要ですが、

それ以上に大切なのが、親になるための心の準備です。

そこで、現役助産師のシャノン香織さんに、“妊娠中からのママの心と身体づくり”の方法やポイントを取材。

今回は、『マタニティブルーズ』『産後うつ』など、

産後の心の変化やSOSのタイミング、ケアについてお伝えします。

 

*『マタニティブルーズ』や『産後うつ』とは?

出産を乗り越え、待ちに待っていたわが子に会えたのに、悲しい気持ちになったり、自分の感情の変化に戸惑ってしまったり…。このような産後に起こり得る心の変化には、『マタニティブルーズ』や『産後うつ』の2種類があります。

 

【マタニティブルーズ(またはマタニティブルー)】

症状・要因:訳もなく涙もろくなったり、イライラしたり、落ち込んだりするなど気持ちの揺らぎがあります。中には眠れなくなったり、食欲や集中力がなくなったり、育児への不安が募ったりするなどさまざまな症状が現れます。

産後の急激なホルモンバランスの変化が大きく影響しており、産後の疲労や睡眠不足、思い通りに行かない育児、母となる責任感などのストレスが要因となることもあります。

 

発症時期:産後3~10日で発症し、2週間程度で自然と症状が落ち着いてきます。産後女性の30~50%が経験するといわれています。

 

【産後うつ】

症状・要因:マタニティブルーズの症状や気分の落ち込みが強い状態が2週間以上続くものです。マタニティブルーズとは違い、日常の生活への興味や喜びがなくなってしまい、「赤ちゃんをかわいいと思えない」「母親失格」といったような思いを抱える人もいます。

産後うつは必ずしもこれといった原因があるわけではありません。うつ病の既往があったり、妊娠中のうつ症状や不安、家族のサポート不足、妊娠出産に対する葛藤などや育児への不安も要因として考えられ、栄養面では、鉄分とタンパク質不足が影響しているとされています。

 

発症時期:産後1カ月以内に発症しやすく、マタニティブルーズの5%が産後うつに移行するといわれています。産後女性の10~15%前後にうつ病が見られています。

 

産後は分娩時の出血や授乳によって貧血になりやすい傾向にあります。妊娠中から貧血を防ぐことができるように、鉄分やタンパク質の含まれた食品を取るようにしましょう。鉄分はビタミンCと一緒に摂取すると吸収が良くなるので、ビタミンCを含む果物などをデザートに食べると良いですね。

 

産後うつは誰にでも起こり得る身近なものです。症状が長引いたり重くなる場合は治療が必要なので、まずはかかりつけ医に相談するようにしましょう。妊産婦死亡の原因で最も多いのが自殺であり、最近は母親のうつ病が父親のうつ病にも関連があるといわれています。不調を感じたら早めに対応してください。

 

 

*産後の心の変化を乗り切るコツ

①SNSから距離を置こう

分からないことや不安なことがあると、インターネットでいろいろな情報を収集しがちですが、SNSでキラキラしているママたちを見ていると、何だか自分だけが髪の毛を振り回して育児をしていて、世間から置いてけぼりになったような気持ちになるかもしれません。見ていて気分が落ち込んでしまうようなものはできるだけ見ないようにしてみましょう。

 

②小さなことでも自分を褒めよう

子育ては何人育てても戸惑いや不安があるものです。できないことに目が向きがちですが、日々お母さんとしてできるようになっていることもたくさんあります。自分に1つ1つマルを付けながら毎日を過ごしてみましょうね。赤ちゃんが生まれた日がお母さん0日目、少しずつお母さんになっていきましょう!!!

 

③完璧でなくていい

肩の力を抜いてください。洗い物が残っていたっていい、ちょっとくらい掃除ができていなくっても大丈夫!疲れたら休んでいい、息抜きに出掛けたっていい、手抜き料理だっていい!とにかく一人で頑張らないこと。子育ては大変だからこそ周りの人の手を借りながらすればいいんです。「完全母乳」という言葉もありますが、これは完璧という意味ではありません。少しでも母乳を与えていれば、それは立派な母乳育児です。

 

④話を聴いてもらおう

自分の気持ちをため込まず、家族や友人など信頼できる人に話を聴いてもらいましょう。気持ちを吐き出すだけでも心がずいぶん楽になるもの。「気持ちを察してほしい」よりも、自分の気持ちや自分がしてほしいことなどを伝えてみてください。家族が「本当は手伝いたいのに何をして良いのか分からない」と思っていることもあります。そんな気持ちのすれ違いを防ぐためにも話をすることは大切です。

 

 

*ご家族の方へ

産後の身体は「交通事故に遭ったようなもの」といわれたりもしますが、それだけ出産で受けているダメージは大きいということです。特に外出できない産後1カ月は心も引きこもりがちになります。子育てを「手伝う」ではなく、積極的に参加しましょう。そしてとにかく話を聴いてあげてください。

マタニティブルーズ時期を過ぎても気分の落ち込みが続いたり、症状が重くなる場合、本人は気付いていなかったり言いづらいこともあるので、様子を見ながらも受診を上手にサポートしてもらえたらと思います。

 

*産後に得られる支援

産後の支援としては、産後ショートステイ(宿泊型)、産後デイケア(日帰り型)、産後訪問ケア、産後ドゥーラ産褥ヘルパー、ベビーシッター、ファミリーサポート、宅配弁当、家事代行、料理代行などがあります。インターネットで『産後ケア』『お住まいの市区町村』で検索すると各自治体のサポート内容を知ることができます。

 

■岡山県内のファミリー・サポート・センター

https://www.pref.okayama.jp/page/553244.html

 

 

産前産後サロン 助産院あいのわ 助産師

シャノン香織さん

倉敷市真備町生まれ。2児のママ。倉敷市内の総合病院・個人病院に勤務後、2019年に自宅にて「産前産後サロン 助産院あいのわ」を開業。

 

『ココロオドルほどのしあわせな出産・しあわせな母乳育児をしよう』をコンセプトに、妊娠中からの心づくり&身体づくりで笑顔で産前産後を過ごせるようお手伝いしています。すべてを包み込んでくれる柔らかな笑顔と語り口調に「話すだけで心スッキリ!」「ゆったり安心する」と産前産後のママから大人気の助産師さんです。

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