「出産」という言葉を聞いて、皆さんは何をイメージしますか?
痛い・つらい・不安という声をよく耳にしますが、視点を変えれば、母親の体の中で命を育み、生み出すこと。
「出産」はとても素晴らしいことだと思いませんか!?
出産に向けてベビー用品の準備も必要ですが、それ以上に大切なのが、親になるための心の準備です。
そこで、現役助産師のシャノン香織さんに、“妊娠中からのママの心と身体づくり”の方法やポイントを取材。
今回は、『陣痛』についてお伝えします。
皆さんは「陣痛」にどんなイメージがありますか?
「鼻からスイカ??」「腰をハンマーで強打??」「下痢でおなかがしぶる感じ??」…など、きっといろいろな表現で陣痛のすごさが伝わっていると思います。ママたちが家族や知人に出産を語る時も“感動”より「こんな陣痛だったよ!」と“大変さ”を伝えがちですし、陣痛には「痛」という字が含まれているので、ネガティブなイメージがあるのも当然かもしれませんね。
ところで、子宮は“筋肉”でできていることを知っていますか?
子宮は赤ちゃんを包み込む大きな筋肉の袋のようなもので、赤ちゃんを支えるためにその入り口は硬く閉じています。出産が始まると子宮が収縮し、赤ちゃんを外の世界に押し出そうとします。その力が「陣痛」で、「命を生み出すエネルギー」ともいわれます。
月経の時にもおなかに痛みを感じる人がいるかと思いますが、この月経痛は陣痛と同じホルモンが働いていて、子宮の収縮によって起きているものなんです。
子宮収縮は出産が近くなると、だんだんと回数が増えます。1時間に6回以上や10分ごとの規則的な子宮収縮を「陣痛発来」と呼び、これは出産が始まるサインの1つ。陣痛が始まってから出産に至るまで、初産婦さんは約12時間、経産婦さんは約6時間かかりますが、この間ずっと子宮が収縮しているわけではなく、陣痛の波が押しては引き、押しては引きを繰り返します。
陣痛は「オキシトシン」という幸せホルモンの“応援”を受けて強くなっていきます。そしてもう1つ欠かせないのが、「β-エンドルフィン」。これは脳内麻酔と呼ばれていて鎮痛作用があります。出産直前にウトウトと眠気がやって来るのは、このホルモンの影響なんですよ。これらは産む人自身がホッとして・リラックスして・安心できる環境にあると、より活発に働き、出産をスムーズに導いてくれます。反対に出産への不安や恐怖があって身体がこわばっていたりすると、より痛みを強く感じるようになります。
出産は必ず乗り切れるものです。
できるだけ不安や恐怖を取り除き、心と身体がリラックスしていることがとても大切です。
①陣痛が始まりはもうすぐ赤ちゃんに会えるサイン!心待ちにしてみよう。
「出産が楽しかったよ~」というようなポジティブなイメージを持っている人と話をしてみるのがおすすめです。出産は決して恐ろしいものではなく、心や体を満たしてくれるものであることを理解しましょう。
②陣痛以外のものに意識を向ける。
痛みにフォーカスするのではなく、触れてくれている人の手の温かさを感じたり、赤ちゃんの心音に耳を傾けてみたりしてみるのはどうでしょう。先のことよりも今の感覚に集中してみてください。
③出産の経過をあらかじめ学び、呼吸などの対処法を知っておく。
簡単な流れを知っているだけでも安心!深呼吸は身体をリラックスさせてくれますよ。自分の身体が求めるように動いてみたり、休んだり、心地よいと思う姿勢で過ごしてみましょう。
④助産師や医師など出産のケアをしてくれる人たちと妊娠中からコミュニケーションを取っておく。
ケアをしてくれる方に自分の希望が伝えられると、安心できる環境を自らつくることができます。
100人いれば100通りの出産があります。
1つとして同じものはありませんし、陣痛の感じ方も人それぞれです。
自分がする出産ですから、痛い時は「痛い」と言って良いし、叫びたい時は叫んじゃいましょう。
本能のままに感じ、自分らしく出産することを大切にしてくださいね。
シャノン香織さん
倉敷市真備町生まれ。2児のママ。倉敷市内の総合病院・個人病院に勤務後、2019年に自宅にて「産前産後サロン 助産院あいのわ」を開業。
『ココロオドルほどのしあわせな出産・しあわせな母乳育児をしよう』をコンセプトに、妊娠中からの心づくり&身体づくりで笑顔で産前産後を過ごせるようお手伝いしています。すべてを包み込んでくれる柔らかな笑顔と語り口調に「話すだけで心スッキリ!」「ゆったり安心する」と産前産後のママから大人気の助産師さんです。
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