わからないことだらけの初めての子育て。パパ・ママも自ら考えて子育てしていく中で、子どもたちも自分で考えて成長していける-。そんな環境づくりができたら嬉しいですよね。連載コラム「自学道のすすめ」では、自分で考えて行動する「自学力」の大切さを伝える自学道Labo代表の安永吉光さんに、自ら学ぶ力の育て方ついてシリーズでお伝えいただきます。
皆さんこんにちは、自学道Laboの安永です。前回は「未就学のお子さんの育ち」に関してお話させていただきました。今回は「小学校低学年の特徴と鍛えたい3つの力」についてお話します。
小学校低学年の特徴としては、まだまだ落ち着きがなく計画性はないこと。そして反省はあまりしません。一方で、けんかしたりお母さんに怒られたりしても、あまり引きずったり恨んだりしないということも特徴として挙げられます。
そんな低学年で意識しておきたいのは、「自信を育てること」「ガマンを覚えること」の二つです。この二つを育てるときに気を付けたいのは「結果で褒めない」ということです。結果で褒められることに慣れている子は、褒められたいがためにすぐ答えを求めたり、ズルしてでも正解を出そうとしたりするようになります。結果的に我慢もできなくなる傾向にあります。一度こうなってしまうと、取り返すのはとても難しくなります。
そこで「結果を出すために頑張ったこと」に焦点を置いて褒めてあげるようにしてください。例えば「言われなくても自分から宿題を始めた」「難しい問題で間違えていても自力で答えを出した」「逆上がりの練習を長い時間頑張った」など、「昨日の自分よりできるようになったこと」を目いっぱい褒めてあげてください。学校に上がるとクラスの中でもできる子とできない子の差がついつい目立つようになってきます。しかし、その多くは時間が経てば誰でもできるようになることでもあります。
自分が人よりできることがあるのも当たり前なら、人よりできないことがあるのも当たり前。「比べるのは昨日の自分」という基準をもって、褒めポイントをたくさん作ってあげましょう。
では、低学年で鍛えたい力についてお話していきましょう。
まず、低学年のうちに鍛えたい力の一つは、前回にもお伝えした「聴く力」です。子どもたちは小学校に上がると、幼稚園・保育園のとき以上に授業内外で先生の指示を聞く場面が増えてきます。学校の成績はテストの点数だけでなく先生の心象も影響しますので、先生の指示をしっかり聞いていくことはとても大切なことです。
また「聴く力」は前回でもお話したように、読解力や表現力、コミュニケーション能力など学力そのものに直結する力です。いろんな言葉をたくさん聞くことで、語彙力も鍛えられます。ぜひ意識的に付けていきたい力ですね。
続いて鍛えておきたい力は「遊ぶ力」です。「え?遊ぶのに力がいるの?」と思われる方もいるでしょうが、低学年のうちは学校での学びや体育だけではなく、友人と遊ぶこと、また一人で遊ぶこともとても大切なプロセス。これは特に高学年以降の伸びしろに大きな影響を与えます。最近の子育てではついスマホやタブレットなどに頼ってしまうこともありますが、低学年のうちはまだまだアナログの遊びも大切。外遊びが好きかどうかについては個性がありますが、外に限らずおうちの中でも、子どもはさまざまな遊びを通して自分にとって貴重な経験を増やしていくことができます。お友だちと遊んだり家族で遊んだりと、しっかりと「遊ぶ」時間も作るようにしてあげてください。
そしてさらに身に付けておきたいのは「イメージする力」です。
小学校に上がると宿題の中に「計算カード」が入ってくる学校が多いと思います。計算カードはメーカーにより体裁はさまざまですが、式だけが書いてあるタイプの場合、例えば「2+3」の式が何を意味しているのかイメージをもたないまま答えを覚えてしまうケースも多く見られます。最終的に計算が早く正確にできることが必要なのでカードをやる意味はあるのですが、同時に「2+3」がどんな場面を指しているかフォローせずにいると、3~4年になって抽象度の高い算数の文章題が出てきたとき「数字だけでなんとか答えを出そうとする子」になってしまうことがあります。特に算数や国語の文章題では、書かれていることがどんなことを表しているか「イメージする力」を養うことがとても大切です。
この力を鍛えるためには、「文章を聞き取って絵にする」といった練習が効果的です。また美術館や博物館、科学センターなどにいろんなものを見に行くことも非常にお勧めできます。
私が経営している能力開発塾・自学道場では、絵を描きながら解く「最強の文章題ドリル」という教材も販売しています。ぜひご参考になさってください。
(教材販売サイト:https://fukumaru-market.stores.jp/)
小学校低学年のうちに最も育てたいのは、冒頭にもお話した通り、「自信を育てること」「ガマンを覚えること」の二つです。
「自分が他人よりできることがあるのは当たり前」「他人が自分よりできることがあるのも当たり前」ということが分かっている子どもは、他人に自慢したり他人を攻撃したりすることはなくなります。本物の「自信」とは他人と比べることなんかではなく、自分の能力を自分で信じられること。その自信を育てるには、お母さん、お父さんから認められることは必須です。しっかり褒めて伸ばしていきましょう。
やすなが・よしみつ(自学道Labo代表、”成長し続ける親と子の場”自学道場塾長)
塾講師歴20年で延べ1800人以上の生徒を指導し、「自分から学ぶ子」の育て方についてセミナーや教育講演などを開催。プライベートでは一児のパパでもあり、岡山のパパ、ママ、子どもたちからは、親と子どもの間の中立な立場の存在として、相手に寄り添ったアドバイスと穏やかな人柄が支持されています。
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