みなさんは赤ちゃんの頃に、ハイハイをしっかりしていたでしょうか?
診療室で「ハイハイをしないまま立ったり歩いたりした」という話をお聞きすることがあります。今回はなぜはいはいが大切なのかお話しします。
赤ちゃんが立って歩くまでには、
首がすわる → 寝返り → ずりばい → 膝つきばい → お座り → 高ばい → つかまり立ち → つたい歩き → 1人で立つ → 歩く
という発達の順番があり、発達の速さには個性があっても、順番を飛び越すことなく一つ一つの発達を丁寧に経験して育つことが大切です。
特に、ずりばい、膝つきばい、高ばいをあわせたハイハイは、重力に対して座ったり立ったりの姿勢を保持する時に無意識に働いている筋肉を育みます。
姿勢を保持する筋力を育てるハイハイの効果をご紹介します。
①生活リズムが育つ
全身運動することで、睡眠をはじめとした生活リズムを整えること
②手先が器用に育つ
安定した姿勢で手指を自由に動かすことで、手先が器用に育つこと
③よく噛み飲み込む力が育つ
顎、首、胸、手指を含めた全身を鍛えよく噛み飲み込む力に繋がること
④よい呼吸が育つ
よい姿勢を保持し、胸の骨格筋を育み、よい呼吸が育つこと
赤ちゃんが、自分の体をしっかり支え、安定して座り、立つための筋力、そして姿勢を維持し、食べたり呼吸したりするための筋力は、その前の発達段階であるはいはいの動きで鍛えられているのです。
だからこそ、発達の順番を飛ばさず一つ一つ学習することが大切です。
このハイハイを赤ちゃんの頃にしっかり経験するための環境づくりとして
①ハイハイをする前に早くから座ったり立ったりする練習をしないこと。
早くから座らせていると、座っているように見えても、重心のバランスをとって転がらないようにしているだけで、骨盤が立つよい姿勢の座り方はできません。
②動きやすい服装で過ごすこと。
厚着したり靴下をいつもはいたりしていると体を支え、首をおこし、足の親指でしっかり蹴ることが難しくなります。
③ハイハイできるような空間を整えること。
つかまり立ちしたり伝い歩きしやすいものをできるだけ片付けて、ハイハイで動きたくなる広めの空間を整えます。
今回は、ハイハイの効果や、ハイハイを楽しむための工夫についてお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか?ハイハイを親子で楽しむヒントになれば嬉しいです。
また、ハイハイを十分しないまま歩くようになり大きくなってしまったお子さんも遊び間の中でハイハイの動きを意識することで健やかな身体を育むことに繋がります。
横道由記子
岡山大学歯学部を卒業後、岡山市内で父親の歯科医院に勤務しながら二児の母親として読者2000人のメルマガ「歯科医師ママのむし歯予防」を6年間発行。
2013年に「お口の健康を通して人の幸せに貢献する」という理念のもと和気歯科医院の二代目院長となる。
2014年より、歯科医院の枠をこえて、人の幸せに貢献したい想いからリス企画ビジョンを立ち上げ、健康教室やイベントを開催している。
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