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妊活はじめのいっぽ!助産師ママが伝える妊活の基礎知識③/自然に近いかたちでの妊娠を目指す「タイミング法」について知ろう

「妊娠したい」「1人目はすぐできたから、2人目もすぐと思っていた」「周囲の期待や何気ない言葉がストレス」「不妊治療も考えているけど、時間やお金、身体のことを考えると悩む」-そんな妊活に悩む女性の声を耳にします。1人目でも2人目でも、気持ちがあるのに授かれないのはとても辛いこと。自分とパートナーの身体や心のこと、どれくらい知ってますか?夫婦関係やストレス、日々の過ごし方など、妊娠にはさまざまな要因が影響すると言われています。正しく知って疑問や不安を解決すれば、安心してよりスムーズに妊活を進められます。妊活の第一歩として、まずは「知ること」から始めてみませんか?

「できるだけ自然に妊娠したい」と思ったときにできる妊活のひとつとして「タイミング法」があります。タイミング法は自己流でもできますが、「この方法であってるのかな?」と手探り状態になったり、思うようにいかず不安になったり悩むこともあるでしょう。赤ちゃんを授かるまでの期間が少しでも短くなるように、タイミング法の正しい知識と方法を知ってみましょう。

 

タイミング法とは?

タイミング法とは「妊娠しやすい時期に合わせて性交渉を行うこと」です。自分たちで妊娠しやすい時期を予測してタイミングを合わせる方法と、病院にかかって検査や指導を受けながら試す方法とがあります。

まず、タイミング法を試すにはいくつかの条件があります。

女性側として
①卵管が通過していること
②排卵があること

男性側として
③精子に問題がないこと

これらは目に見えるものではなく、病院に受診して不妊検査をしてみないと分からないものばかりです。自己流により妊娠までの道のりが遠回りとならないためにも、タイミング法を試みる前には不妊検査を受け、夫婦ともに問題がないことを確認しておくことが大切になります。

 

妊娠しやすい時期を知る

タイミング法における性交渉の時期は、排卵の1〜2日前が最も妊娠率が高いことがわかっています(排卵日6日以前と排卵翌日以降では妊娠率は0となっています)。そのため、排卵日を正しく予測することが大切です。

排卵の時期を知るための方法として、以下のものがあります。

①月経周期
排卵日は次回の月経開始予定日から数えて14日±2日。排卵日の基準とするのは「前回の月経」ではなく「次回の月経」です。月経周期が一定であれば、次回の月経開始予定日から逆算して知ることができます。

②基礎体温
婦人体温計(小数点以下2桁まで測れます)を使用して、朝目覚めて起き上がる前に舌下で体温を測定します。測った体温は基礎体温表に記録してグラフをつけます。アプリなどを使うと便利ですね。

記録を続けていると、グラフが低温相と高温相の2相性になるのが分かります。低温相から高温相に変わるときに体温が下がるときがあり、ここから高温相にかけての2〜3日で排卵が起きます。

アプリで管理していると排卵日がピンポイントで出るものもありますが、その前後2日は排卵日である可能性もあります。

③排卵日予測検査薬
排卵日予測検査薬は薬局などで購入可能。排卵に関係している黄体形成ホルモン、これが大量分泌されることによって排卵が引き起こされます。このホルモンの値を検出して排卵日を予測する検査薬が排卵日予測検査薬です。通常、排卵の1日前から陽性になるので、陽性になった日が排卵日の前日、次の日が排卵日ということになります。

④おりもの(子宮頸管粘液)
おりものは通常サラッとしています。排卵日が近づくと、生卵の白身のような粘り気のある性状に変化します。これによって精子がスムーズに子宮内に進入できる助けとなっています。

⑤超音波検査で診察
これは、排卵前に大きくなる卵子の入っている袋(卵胞)の大きさを測り、排卵日予測をしていく方法です。診察を受け医師の指導のもとに行うタイミング法なので、一般不妊治療となります。

 

タイミングを合わせる方法

妊娠が成立するまでの流れとして

①卵巣から卵子が排卵
②卵子と精子が卵管で出会い受精
③卵管で細胞分裂を繰り返しながら受精卵が子宮に移動
③子宮内に到達した受精卵が子宮内膜に着床

排卵された卵子の寿命は24時間、精子の寿命は72時間、この寿命の期間に卵子と精子が出会うことが必要になります。

精子の寿命は3日あるので、排卵日をピンポイントで狙うよりも排卵日の2日前からタイミングをとり、排卵して卵管にいる卵子のもとへ精子を送り込むようにする方が妊娠率が高くなります。

また、男性の禁欲期間が長いと精子の質が低下することが分かっているので、タイミングをとる前までの期間にも事前の性交渉があることが望ましいと言われています。

コンディションによっては、タイミングを合わせたいときに性交渉出来ないこともあるかと思います。排卵日4日前から排卵日前日までの時期に1〜2日おきの性交渉が妊娠しやすいとのデータもあるので、臨機応変にタイミングを合わせることができたら良いですね。

 

 

赤ちゃんを授かるためには、適切なタイミングでの性交渉が必要となります。タイミングを合わせることばかりに集中してしまうと、それがお互いにプレッシャーとなり、夫婦関係がぎくしゃくすることがあるかもしれません。

 

育児や仕事をしながらタイミングを合わせることは大変なこともあるかもしれませんが、夫婦でコミュニケーションをとりながら進めていけるようにしましょう。

 

シャノン 香織

倉敷市真備町生まれ、2児のママ。倉敷市内の総合病院・個人病院に勤務後、2019年に自宅で「産前産後サロン 助産院あいのわ」を開業。妊活中から妊娠・出産・子育ての悩みと向き合っている女性に向けて、マインドケアで自分軸を整え、自分らしい生き方を見つけるまでをサポート。

 

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・妊活はじめのいっぽ!助産師ママが伝える妊活の基礎知識②/「不妊治療」ちゃんと理解されてますか?
・妊活はじめのいっぽ!助産師ママが伝える妊活の基礎知識①/2人目不妊で悩むあなたに、今知っておきたい知識

 

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