「妊娠したい」「1人目はすぐできたから、2人目もすぐと思っていた」「周囲の期待や何気ない言葉がストレス」「不妊治療も考えているけど、時間やお金、身体のことを考えると悩む」-そんな妊活に悩む女性の声を耳にします。1人目でも2人目でも、気持ちがあるのに授かれないのはとても辛いこと。自分とパートナーの身体や心のこと、どれくらい知ってますか?夫婦関係やストレス、日々の過ごし方など、妊娠にはさまざまな要因が影響すると言われています。正しく知って疑問や不安を解決すれば、安心してよりスムーズに妊活を進められます。妊活の第一歩として、まずは「知ること」から始めてみませんか?
「私たちの身体は食べるものでできている」-。このフレーズを一度は耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか。食べ物は私たちの身体の土台です。そして身体が元気であることが、命の元である卵子や命を育む子宮を健康に保ち、赤ちゃんを授かりやすい身体の環境を作ることにつながっています。今すぐに次の子どもを望んでいないにしても、食生活を見直すことで家族の健康を保ったり、いざ子どもがほしいと思ったときに授かれる身体の環境を整えたりできるようになります。妊活をきっかけに食生活を見直して健やかな毎日を送るとともに、赤ちゃんを授かりやすい生活を目指していきましょう。
食事の話をする前に、妊娠前から知っていてほしいBMI(体格指数)について説明していきます。なぜかというと、BMIは不妊の原因でもある排卵障害と関係していて、高すぎても低すぎても排卵障害のリスクが高まるからです。
規則正しい排卵周期を保つためには、適正体重を保つことが大切です。まずは自分のBMI値を知り、高かったり低かったりする場合には適正値に戻すことから始めましょう。
私たち女性は、命の元である卵子をママのお腹にいるときから持っています。そして、生まれてくるときには約200〜300万個の卵子を持っています。思春期には約20〜30万個に減り、毎月の月経では排卵される卵子1個に対して約1,000個の卵子を消費しています。
卵子は年齢を重ねるたびに減り、老化が進んでいきます。それは変えることのできない事実。私たちにできることはというと、卵子の老化のペースをゆっくりにしたり質を保つことです。
菓子パンやコンビニ弁当、レトルト食品など、ちまたには簡単にお腹を満たすことのできる食事がたくさんあります。そのため、カロリーは足りているかもしくは過剰気味であるのに、必要な栄養素が摂れていない状態であると言われています。これでは身体が元気になる食事ができているとは言えません。
身体全体が元気になる食事をすると、卵巣機能を健康に保つことができるようになります。「これはダメ」「あれはダメ」などと制限を多く作る食生活ではなく、一日一食でも身体が喜ぶ「命ある食事」をすることを心がけ、楽しく食事ができるように進めていきましょう。
日本人が昔から食べてきた、自然の恵みを生かすシンプルな食事を心がけましょう。
□身土不二(しんどふじ)
日本の伝統食の基本の考え。身体と土地は一体であり、その土地でできた旬の食べ物を食べるのが良いということを表しています。私たちが普段使う「地産地消」が似ていますね。野菜や果物の栄養価は、収穫時をピークに時間とともに低下していきます。旬で新鮮な野菜を食べることで効率よく栄養を摂ることができます。住んでいる半径10キロ以内で採れたものがおすすめと言われています。野菜を選ぶときは、旬で産地や生産者が分かるものを選んでみましょう。
□一物全体食
食材丸ごと使用して全部食べましょう、という意味。野菜なら皮や根っこまで料理に生かしてみたり、小魚を丸ごと食べるなど。穀物であれば精白されていないものを選びます。例えば、胚芽小麦やライ麦のパンや玄米、雑穀など。玄米が苦手な方は、3分づき、5分づき、7分づきなど精米時にぬかと胚芽を残した「分づき米」にすると、食べやすくておすすめです。
□5:3:2
女性ホルモンの分泌を促すための食事の仕方。食事のパターンを朝食5割、昼食3割、夕食2割とすることで、内臓への負担を減らして内臓年齢を若く保つことができます。満腹まで食べるより、腹八分や六分にしておきましょう。
□天然塩や自然発酵の調味料
天然塩には、現代人に不足しがちなミネラルがたくさん含まれています。塩を選ぶときは、塩化ナトリウムではなくミネラル成分豊富な「自然海塩」を選ぶようにしましょう。醤油や味噌はすばらしい発酵食品で栄養価が高いです。発酵食品は腸内環境を整え、ホルモンバランスを整えてくれます。遺伝子組み換えでない有機栽培・無農薬の大豆を使い、自然海塩で長期熟成された醤油や味噌を選ぶようにしてみましょう。
卵子は排卵するまで、卵巣の中で90日ほどかけて準備をしています。そして食生活の見直しはすぐに結果が見えてくるものではないため、日々の積み重ねが大切になってきます。あなたの身体をまずは元気に、そして卵巣機能を健康に保ち、赤ちゃんを授かりやすい身体の環境づくりを今日から始めてみましょう。
シャノン 香織
倉敷市真備町生まれ、2児のママ。倉敷市内の総合病院・個人病院に勤務後、2019年に自宅で「産前産後サロン 助産院あいのわ」を開業。妊活中から妊娠・出産・子育ての悩みと向き合っている女性に向けて、マインドケアで自分軸を整え、自分らしい生き方を見つけるまでをサポートしています。
☟過去の記事はこちら☟
・妊活はじめのいっぽ!助産師ママが伝える妊活の基礎知識③/自然に近いかたちでの妊娠を目指す「タイミング法」について知ろう
・妊活はじめのいっぽ!助産師ママが伝える妊活の基礎知識②/「不妊治療」ちゃんと理解されてますか?
☟【育てる】のほかの記事をこちら☟
オトナが見えているようで見えていない!子どもの本当のキモチ/③一枚の絵からこんなことまでわかっちゃう!「おえかき」は心のバロメーター
【でぇれ~体験 ぼっけ~感動】体験の風をおこそう推進事業/イベントカレンダーサイト公開
オトナが見えているようで見えていない!子どもの本当のキモチ/①知らず知らずのうちに子どもたちはこんなに影響を受けている!大人が「当たり前」と感じている日々の生活の影響とは?
ママ楽♪おやこの作り置き/かんたん“時産”ごはんのススメ②お野菜たっぷり♡かんたん五目うま煮
三宅医院