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予期不安が引き起こす弊害

~予期不安が子どもに与える影響とは~

不安そのものは誰にでもある自然な感情ですが、強くなりすぎると子どもの行動や成長に影響を与えることがあります。

小学生の時期は経験が少なく、物事を客観的に捉える力も発達途中です。そのため、大人から見れば小さな心配でも、本人にとっては大きな不安になることがあります。今回は、予期不安が子どもに与える影響と、保護者ができる関わり方について考えてみましょう。

 

そもそも予期不安とは何か

予期不安とは、「もし失敗したら」「もしうまくいかなかったら」と未来の出来事を先回りして心配することです。

例えば、

  • テストで悪い点を取るかもしれない
  • 発表で間違えるかもしれない
  • 友達と仲良くできないかもしれない

といった感情のことを指します。

本来、不安には危険を避けたり準備を促したりする役割があります。しかし、予期不安が強くなると、実際には起きていない問題に心を奪われてしまいます。

特に真面目で責任感の強い子どもは、「失敗してはいけない」と考えやすく、不安を抱え込みやすい傾向があります。一見しっかりしている子ほど、心の中では大きな不安と戦っていることも少なくありません。

予期不安そのものが悪いわけではありませんが、過度になると行動や気持ちにさまざまな影響が現れます。

 

予期不安が子どもに与える影響

まず見られるのが、挑戦を避けるようになることです。

「失敗したら恥ずかしい」という気持ちから、新しいことに挑戦できなくなります。やればできる可能性があっても、最初から諦めてしまうのです。

また、自己肯定感の低下にもつながります。

予期不安が強い子どもは、自分のできなかった部分ばかりに注目しがちです。テストで高得点を取ってもミスだけを気にしたり、うまくできたことより失敗を覚えていたりします。その結果、「自分はダメだ」と感じやすくなります。

学習面への影響もあります。

勉強は間違えながら成長するものですが、不安が強いと間違えること自体を恐れるようになります。問題に挑戦することを避けたり、テスト前に過度な緊張を感じたりすることがあります。

さらに、不安は身体症状として現れることもあります。

朝になるとお腹が痛くなる、頭痛がする、眠れないなどの症状が見られる場合があります。病院で異常が見つからなくても、不安やストレスが背景にあることがあります。

その結果、人間関係が広がりにくくなり、自信を失う原因になることがあります。

 

保護者ができる関わり方

予期不安をなくそうとするより、不安と上手に付き合う力を育てることが大切です。

まず意識したいのは、子どもの気持ちを受け止めることです。

「大丈夫」「気にしすぎ」と否定するのではなく、「不安なんだね」「心配になるよね」と共感してあげましょう。気持ちを理解してもらえるだけで、子どもの心は落ち着きやすくなります。

次に、結果ではなく過程を認めることも重要です。

テストの点数だけでなく、

  • 最後まで頑張ったこと
  • 勇気を出して発言したこと
  • 苦手なことに挑戦したこと

などを評価しましょう。

子どもは「成功したから認められる」のではなく、「挑戦したことに価値がある」と感じられるようになります。

また、小さな成功体験を積み重ねることも効果的です。

大きな目標ではなく、「自分から挨拶する」「授業で一度発言する」など、達成しやすい目標を設定します。その積み重ねが自信につながります。

さらに、保護者自身が失敗を前向きに捉える姿勢を見せることも大切です。

「失敗したけれど勉強になった」「次はこうしてみよう」と話すことで、失敗は成長の一部であることを子どもは学びます。

大切なのは、不安をなくすことではなく、「不安があっても大丈夫」と感じられる環境をつくることです。

子どもはお母さんという安心できる居場所があるからこそ、一歩踏み出す勇気を持つことができます。保護者の温かな理解と支えが、子どもの心を芯から強くし、不安に負けない力を育てていくのです。

 

山本 真結子
能力開発塾 自学道場 初等部指導部長

2015年から小学1年生~高校3年生までが同じ空間で学ぶ学習塾で、11年間講師として子ども達の成長に携わる。
二児の母(長男:アスペルガー、次男:ADHD)
自身の子育て経験と、塾生たちの成長を見守る中で子どもの成長に大切だと感じたことを1年間通してお伝えしていきます。

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