みなさんは、最近家族で防災について話したことがありますか?
7月28日、熊本県で大きな地震が発生しました。
報道を見ながら、
「もし子どもが学校にいる時だったら?」
「仕事中だったら迎えに行けるだろうか」
と、自分たちの暮らしに置き換えて考えた方もいるのではないでしょうか。
はじめまして。
岡山で防災講師として活動している東山幸史です。
岡山市消防局で15年間勤務し、2016年の熊本地震では緊急消防援助隊として被災地でも活動しました。現在は、子どもたちや保護者、地域のみなさんと防災について考える活動をしています。
岡山では「災害が少ない地域」というイメージを持つ方も多いと思います。
ただ、その安心感から、防災について話したり、備えを確認したりする機会が少ないと、岡山で防災を伝えながら感じています。
「災害が少ない」と「災害が起きない」は同じではありません。
熊本で大きな地震が発生したことを受けて、何も起きていない時に家族や地域で話しておくことの大切さを、改めて伝えていきたいと感じています。
災害について真剣に学ぶことは大切です。
ただ、子どもたちに伝えたいのは、災害の怖さだけではありません。
クイズや防災迷路、体験を通して、「こんな時、自分ならどうする?」と一緒に考えます。
「学校から帰る途中だったら?」
「お父さんやお母さんが近くにいなかったら?」
「いつもの道が通れなかったら?」
子どもたちから、大人が考えていなかった答えが返ってくることもあります。その答えが、大人の気づきにもなります。
正しい知識に加えて、「自分ならどうする?」と考え、誰かと話しておくことも、自分の身を守る力につながります。
家庭でも「もし今、大きな地震がきたら、どうする?」と話してみる。
それだけでも気づけることがたくさんあります。
普段の生活の中で、防災について話す機会は、それほど多くないと思います。
でも、地域の講座で「もし、この時間に大きな地震が起きたら?」と問いかけると、
「共働きだから、子どもの迎えはどうしよう」
「高齢の親が一人暮らしをしている」
「子どもが一人で留守番する時間がある」など、いろいろな話が出てきます。
同じ地域でも暮らし方は違います。
誰かの話を聞くことで、「それはうちも考えておこう」「そんな困りごともあるんだ」
と、自分だけでは気づかなかったことが見えてきます。
私が講座で大切だと感じるのは、知識を持ち帰ってもらうことだけではありません。
防災について一緒に考える時間そのものが、家族や地域のことを話す時間になる。
そこに、防災ならではの良さがあります。
地域とのつながりには、子育てについて話せたり、子どもを見守る人が増えたりと、いろいろな良さがあります。
そして、そのつながりは、もしもの時にも力になります。
「顔を知っている」
「声をかけられる」
「一緒に考えたことがある」
そんな関係があることも、一つの備えだと思っています。
防災を入り口に、普段は聞くことのない家庭の事情や地域の課題が見え、そこから会話が生まれることもあります。
家族で考えること。
子どもの話を聞くこと。
園や学校を知ること。
地域の人と話すこと。
そうしたつながりが、もしもの時に子どもたちや地域を支える力にもなると考えています。
何も起きていない普段のうちに、家族や地域で話しておくこと。それが、いちばん確かな備えになります。
防災を入り口に、家族や地域で少し話してみる。そこから生まれるつながりも、暮らしの中の大切な備えの一つだと思います。
【この記事を書いた人】元消防士・防災講師 東山 幸史
岡山市消防局に15年間勤務し、火災・救助活動のほか、緊急消防援助隊として2016年の熊本地震や西日本豪雨などの災害現場を経験。現在はファーストレスキュー株式会社代表取締役として、保育園・学校・地域などで、子どもから大人まで「自分ならどうする?」を一緒に考える実践的な防災活動を行っている。
=執筆チーム「TUMUGU.岡山」って?=
地域での活動や、子育て・教育・防災など、地域を元気にしたい・暮らしを豊かにしたいと考えている私たちが、子育て世代のみなさまにむけた「地域とつながる、子育てと暮らしのヒント」を毎月のコラムとして発信していきます。
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