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明日、わが子が「学校へ行かない」と言い始めたら…
母として、子どもの不登校との向き合い方 第五回

岡山県はかつて、不登校児童生徒数の調査において、不登校の出現率が全国ワーストになったことがあります。
現在も小学校児童の不登校出現率は、全国平均を上回っているそうです。
そこで、子どもが「学校に行きたくない」と言い始めたとき、または、身体の不調などで登校できない日が続いたとき、親として何ができるのか、さまざまな立場の方にお話を伺っていきます。

第五回
津山市教育相談センター「鶴山塾」の取り組みについて

今回は、全国的にも類を見ない教育相談施設として知られる、津山市の「鶴山塾」を取材してきました。

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鶴山塾は、津山市生涯学習課の管轄で、学校生活や社会生活に悩みを持つ子どもや保護者の支援を行うために、昭和59年10月25日に鶴山公園の中に開塾されました。かつて旅館だった日本家屋を利用していて、広々した大広間や6つの個室、台所、縁側、卓球部屋があります。春は桜、秋は紅葉に囲まれる自然豊かな安らぎの空間となっています。


二間続きの大広間、縁側でひなたぼっこする子どもも

個室で一人の時間を過ごすこともできます

縁側からはのどかな風景が

現在、通塾生は60人(小学生7人、中学生53人)です。職員は教員免許等を持つ市の職員8人と、非常勤の臨床心理士や大学教授といった専門家で構成されています。
年々、さまざまな理由で学校に行けない子どもたちが増加傾向にあることを背景に、鶴山塾では昨年度より津山市に加え、周辺4町(鏡野町、久米南町、美咲町、勝央町)に対象地域を拡大しました。
鶴山塾の大きな特長としては、通塾生と担当者との二者関係づくり台所があること市民ボランティアとの協働地域の学校との連携の4点が挙げられます。
子どもたちは弁当持参ではなく、毎日、職員と一緒に調理や片付けをし、温かい昼食をともにします。包丁を持ったこともなかった子どもも、大家族のような環境の中で、使い方を見よう見まねで覚えていくそうです。
市民ボランティアは現在56人の登録があり、農作業をはじめ、餅つきやしめ縄作りなど、さまざまな生活体験ができるよう支えています。キャンプやスキー、社会見学等のプログラムも充実しています。


庭先にある大木が通塾生を見守ってくれています

鶴山塾の塾長を7年務められている土居勇人さんに伺いました。

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他の適応指導教室とは違う点について

鶴山塾も、他の適応指導教室も、不登校の子どもを支援するという目的で運営されていますが、内容や規則に関する点で違いがあると考えています。適応指導教室は基本的に、学校復帰も視野に入れた社会的な適応を目指す機関だと思います。鶴山塾では、心のよりどころを大切にし、子どもたちの今ある姿をじっくりとありのままに受け入れることに注力します。子どもたちの「生きる力」を見つけていく過程で、いろいろな価値観を尊重し、子どもたちにとって「心の居場所」となることを目指しています。

また、鶴山塾では地域の学校との連携もしっかり取っていて、津山市の各中学校には鶴山塾担当の教師がおり、定期的に来塾し、生徒とも会い、学校の様子など情報交換をしています。鶴山塾からも毎月一度、通塾状況表を学校へ提出しており、出席扱いとなります。

悩まれている保護者の方に

不登校は誰にでもあり得ることです。保護者の方は自分を責め、大変な思いをされていると思います。でも、ご自分を責める必要はありません。なんとか学校に行かせたいと思われると思いますが、鶴山塾の基本姿勢「治そうとするより、分かろうとせよ」をお伝えしたいです。
お子さまのあるがままの姿を受け入れましょう。大切なことは、原因を探すのではなく、手を差し伸べてあげることです。不登校にはきっと「意味」があると考えます。遠回りのように思うこともあると思います。子どもには、心のブレーキがかかることもあるけれど、必ず自分で切り開いていくようになります。安心できる居場所を見つけ、その子のいいところをしっかりと褒めて、認めあげてほしいと思います。
お一人で悩まないで、気軽にご相談くださいね。


鶴山塾 紹介


津山市教育相談センター 鶴山塾

住所:〒708-0022 津山市山下87
電話:0868-22-2523
HP:http://www3.tvt.ne.jp/~ka93juku/
 
相談は、平日の9時~17時(無料)

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