～食堂レポ～

岡山市北区辰巳にある株式会社ミナモト建築工房。
社屋内には地域住民らが気軽に集え、憩える交流の場があります。
それが「くらしのたね」。
暮らしに生かせる遊びや学びなどを取り入れた催し物をはじめ、今年5月からは食堂もスタート。
地域と人をつなぐ架け橋にもなっています。
そこで、LaLa編集部は「くらしのたね」を取材。
お茶の間にいるかのような居心地のよさが魅力的な食堂について、料理人の時宗正幸さんと“相棒”の市來裕子さんに話をうかがいました。

市來裕子さん　時宗正幸さん

旬野菜を感じる「くつろぎランチ」

ここでは、岡山県や近県の自然の恵みをふんだんに使った丼メニューを考案し、提供。なので、時には県内産のジビエ（狩猟肉）も登場します。丼にのった食材を見るだけで季節の旬野菜が分かり、「岡山県は食材の宝庫なんだ」と改めて気づかされます。

ランチは、3種類の丼メニューに汁椀つき(税別 850円〜)。テイクアウト可能/汁椀なし（税別850円～）。「キッズ丼盛り」（150円引き）に変更もできます。また、お弁当（税抜550円）もあります。

おばあちゃん・おじいちゃん世代から生後1カ月の赤ちゃんまでもが集うランチタイム。みなさんのくつろいだ笑顔と「おいしかった」という声が、作り手のモチベーションアップにつながっているそうです。

特徴①：酵素玄米が食べられる!!!

酵素玄米

この食堂の大きな特徴は、酵素玄米が食べられること。酵素玄米とは、玄米と小豆を一緒に炊き上げ、1日1回天地返しを繰り返しながら3日間ほど保温熟成させたご飯のことです。ボソボソになりがちな玄米が手間暇かけるからこそ柔らかく、モチモチで食べやすいスーパー玄米に大変身!!!便秘の解消、デトックス、アンチエイジングなどを多くの方が体感されているようです。ただし、即効性を期待するのではなく、酵素玄米を食べるチャンスをつくり、細く長く食べ続けていきたいものですね。

特徴②：オーガニック＆フェアトレードのコーヒースタンドがある!!!

コーヒースタンド

食堂の一角には、フェアトレードに取り組んでいる「Slow Coffee」のコーヒースタンドを用意。フェアトレードとは途上国で生産された農産物などを適正価格で買い取る仕組みのことで、公正貿易を通じてコーヒー生産者たちが暮らす村の自然環境への配慮、生産者たちのよりよい労働条件の確保とその向上を約束しています。生産地の背景が分かり、生産者と私たち飲む側とが持続可能な幸せな関係を築けるなんて素敵なことですよね。

暑い日はまろやかな「水出しアイスコーヒー」税込 450円「デカフェラテ（カフェイン96％カット）」が大人気でリピーターが多く、「オリジナル梅スカッシュ」税込 400円「ジンジャーエール」も好評。「暑い日でもホット派!!!」という方に支持されているコーヒーのラインナップの数々も試す価値大です。ランチを注文するとすべてのドリンクが100円引きになりますよ。

お茶の間で育む「くらしのたね風」食文化

食堂のコンセプトは、あえて「カフェ」でなく、誰もが簡単にイメージがわく「お茶の間」。都市部では核家族化が進み、昔ながらのお茶の間コミュニケーションが稀少になってきていますが、多世代の家族の団らんがあり、当たり前の日常的なドラマが繰り広げられるお茶の間は、私たちの暮らしそのものといえます。

時宗さんと市來さんの今後の大きな目標の1つは、食の垣根を崩していくこと。「アレルギーのお子さんもここでの食卓に参加できるようにこれから勉強を重ね、食についての世界をもっと広げていきたい」とおっしゃっていました。この食堂で食べたものに興味を持ち、みんなで食の文化を育てていく―。そんな食堂が身近にあることは、とても素晴らしいことですよね。

■くらしのたね

住所：岡山市北区辰巳14-101

TEL：086-246-4488

営業：催し物は10:00～15:00、食堂は11:00～14:00 (ラストオーダー）

定休日：催し物は祝日、食堂は金・土曜

≪HP≫

【編集後記】

食堂は誰かの手が必ずあるような安心できる空間になっており、ほかのお客さんやスタッフと交流する小さなお子さんの笑顔、それを優しい表情で見守りながらゆっくりと座って食事を楽しむことができるお母さんたちの姿がとても印象的でした。おいしいコーヒーを飲みながら、陽だまりのような温かな雰囲気の時宗さんと市來さんと過ごした時間は、取材というよりもリラックスタイム?!のよう。角がなく、人を柔らかく受け入れる姿勢は料理にも反映されています。家庭ではバランスのよい食事づくりが難しいこともあるけれど、バランスチャージできる食堂を知っているとなんだか心強いな♪

（LaLa編集部・T）