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【岡山・こども哲学】 生き生きと自信を持って人生を歩めるように! 対話力と思考力を育む「こども哲学」

みなさんは「哲学」と聞いてどんなイメージを持ちますか?
「よく分からない難しいことを考えるもの」と思っている方も多いのではないでしょうか。
「子ども」と「哲学」という、一見縁遠そうな2つのキーワード。
岡山市北区にあるスタジオスクラムでは、これらを融合させた『こども哲学』をテーマにした講座が定期的に開かれています。
そこで、LaLa編集部が講座を取材。
対話力と思考力を育む『こども哲学』の魅力に迫ります。

 

*講座レポート

講座開始前

取材に訪れた、この日の参加者は年長から小学2年生までの計6名。子どもたちは鉄棒をしたり、鬼ごっこをしたり、跳び箱をしたりととっても自由に過ごしていました。

 

講座スタート

①アイスブレイク

子どもたちは直前まで体を思いきり動かしていたのでスッキリしたのか、気持ちを切り替えて着席します。4月開講の第6回目となる講座ですが、新しい受講生もいるため、まずは自己紹介から。この日の発言内容は「名前・自分の好きな動物・なぜ好きなのか」の3点で、発言する時はカラフルなボールを持ちます。

②おはなしのルールを確認する

1)自分の意見を言う

2)話している人の話を聞く

3)考えている時は待つ

4)人が嫌がることを言わない

5)何も言わなくていい

順番に対話のルールを確認しました。

プリントを配布し、目標を設定する

1)話している人の話を聞く。

2)テーマや問いについて考える。

3)考えたことを自分で話す。

この3点から自分の目標を1つ決め、○をつけました。

絵本を読み、テーマを理解し、対話する

何気ない不思議や疑問をテーマにしており、今回は「心ってどこにあるの」。まずは先生がテーマに沿って子どもたち一人一人に優しく意見を求めます。否定は一切なく、それぞれの意見をしっかりと聞いてくれるので、子どもたちも「ここは自分の意見を真剣に聞いてもらえる安全な場所なんだ」と徐々に心を開いていきます。「お腹にある。嫌なことがあればお腹が痛くなる」「胸にある。ハートは心臓の形みたいだから」「悲しいと泣けるけど、涙の中に心はないと思う」「うれしいと自然と笑顔になるから、ほっぺにもあるかも」などと挙手をして意見を言う子どももおり、とても活発な発言が見受けられました。

 

⑤休憩

⑥フィードバック

まずは前半で出てきた意見を先生が付箋にまとめてくれており、みんなで確認すると同時に、発言者へ付箋を配布。もらった付箋はそれぞれのプリントの「自分で思ったこと、話したこと」欄に貼ります。
また、他の子たちの教えも、一人一人の紙に先生がまとめてくれています。

⑦カードに沿って対話する

子どもたちに自由に対話してもらう中で、次に先生の出すカードに沿って「誰にでも、何にでも、どんな時にも心はあるのか」について思考を深めていきます。例えば、魚のカードでは「タコには骨があり、生きているから心がある」といった対話が行われ、他のカードでも、パソコンには「生きていないから心はない」「ロボットと同じで生きていないから心はない」、ライオンには「生きているから心はある」、ぬいぐるみには「心はない。生きていないから」「心はあるかも。だって、かわいいし自分で動きそうだし、ある気がする」、寝ている人には「心はある。夢をみた時に楽しかったとか怖かったとかどちらの気持ちも思うから」などと、時には見学中のお母さんにサポートしてもらいながら対話。子どもたちはみんなたくさん意見を言いたそうで、先生が「今度は○○ちゃんの話を聞いてみよう」「次は○○ちゃんね」と促す場面が何度もあり、大盛り上がりでした。

⑧フィードバック

事前に立てた目標を達成できたかどうか、振り返りの時間を設けられます。たくさんの付箋を見て、ほかの人の考えや自分だけの考えもあることを再確認。一人一人が違う考えだったけれどどれもいい気づきだったことや、お互いの話をしっかり聞き合えたことを喜び合って終わりました。

⑨終わりの挨拶


*受講者コメント

「みんなで話したり、聞いたりして楽しかった。自分より小さい子も勇気を出して話していたから、私も勇気を出せた。もっといろいろ話したかった。また行きたい」

 

 

☆★☆主宰者の音楽講師・今田八重さん(43歳)に聞きました☆★☆

―「こども哲学」の講座を始めたきっかけを教えてください。

大勢の前で自分の気持ちを話すのが苦手な小学生の娘。自分で考え、自信を持って答えを言うことが難しそうだと気になり、理由を聞くと、「間違った発言をしてしまうことや、何か言われるのが不安」とのこと。以前、中学校教諭をしていた時も、与えられたことをこなせる子は多いが、自らすすんで考えて動くことや、自分がどうしたいかを自分なりに考えられる子が少ないように感じていました。これらは急に身につけられるものではありません。小さい時から対話し、答えのないことも、自分なりに考えて答えを見つけたり、他人との違いも受け止めながら、自分の考えを大切にする習慣が重要で、その必要性を感じ、また、その思いとスクラムさんの要望が重なり講座を始めることになりました。

 

―期待できる受講効果とは?

子どもたちは友達の話を聞いたり、自分の言葉で自由に語ったりする中でお互いの話にじっくり耳を傾ける習慣が身につき、正解も間違いもない、自分なりの考えを受け止めてもらえる喜びを知ります。自分の思いを大切にしながら他者への理解を深め、そして、自らよりよい未来を切り開くための対話力と思考力を育むことができます。子どもの自由な思いを丸ごと受け止めることで、子どもたちが自信を持っていく過程を感じていただけると思います。

 

―お母さんたちへのメッセージをお願いします。

人生は、誰かの正解や成功者の道筋通りに生きれば幸せになれるわけではないし、誰かの感じた正解が自分の正解ではないことも多いと思っています。自分なりに考え、自分の意志で選び、失敗しながらも自分の人生を歩んでいくことが一人一人の幸せにつながっています。みんなで対話する中で人との違いを前向きに聞き合いながら、自分の答えを表現し、いろいろな思いを受け止め合う経験を「こども哲学」で積み重ねていきましょう。

 

■講座「対話力と思考力を育む こども哲学」

住所/岡山市北区大元上町7-20(スタジオスクラムにて)

体験予約/090-5260-4101

対象/年中~小3クラス

開催日時/第2・第4木曜17:00~17:50

レッスン内容の確認・問い合わせ/LINE:@rfl9546b(やえ先生のほっこり)

 

 

【編集後記】

取材を終え、まず感じたことは、自分は2歳の娘の人格を尊重できているかなということでした。つい自分の価値観で押さえつけてしまっている気がするけれど、2歳といえども子どもは子ども。自分とはまた違う人格で別の考えを持っている。公の場で迷惑にならないようにと、はしゃぐ子どもを少しでも早く静かにさせようと大声で叱りつけるだけで、果たして子どもの意見や要求にまで耳を傾けられているかなと、ハッとしてしまいました。このままいくと価値観で押さえつけてしまって、自分の意見を持てず、自分に自信も持てなくなってしまうのでは…。今回の取材で、子どもってこんなにも深く考えているのかと気づかされたと同時に、子どもの意見を尊重し、自己肯定感を育ませ、自分で考える習慣をつけさせることが大切だと実感。まずは子どもの意見への共感や対話から始めようと思います。スタジオスクラムさんでは体験レッスンに先行予約2名まで1000円で参加できます。気になった方はぜひ問い合わせてみてください。(LaLa編集部・O)

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