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家庭と世界を繋ぐ~ママの視点でSDGs・story2〜

「家庭と世界を繋ぐママの視点でSDGs」第2回目は、「生ごみ」のお話。
家のどこよりも、キッチンに立つ時間が長い!というママも多いですよね。
ママの手料理が、家族の元気を支える一方で、料理のたびに出てくる生ごみ。
「この生ごみ減らせないかな?」と考えたことはありませんか?
もし、キッチンの生ごみの量を減らすことができたら、家庭ごみの全体量も減るかもしれませんよ。
そこで、岡山市が取り組む「桃太郎のまち岡山コンポスト(ダンボールコンポスト)」について、環境局(環境部 環境事業課 資源循環推進室)を取材。生ごみが、ただのごみではなく、’堆肥のもと’として資源と家計サポートに一役買う優れモノとしてチェンジするヒントをご紹介。そして、ダンボールコンポストを実践しているママの声もお伝えします♪

⭐︎私たちがつくり出す家庭ごみ

岡山市の令和2年度の調査によると、家庭系可燃ごみに占める生ごみの割合は36.6%。
その内訳は、①食べられる部分(手付かず、食べ残し) 17% ②食べられない部分(調理くず、魚の骨等)17.2% ③食品以外 2.4%

数値化すると、生ごみの割合が高いことに驚かされます。残ってしまった料理によっては、翌日に味に変化を加えて違う料理に変身させてしまえば、一品を作る時間も短縮。利用頻度の少ないドレッシングのような物はシンプルに手作りにして、子ども達に味つけ係を担ってもらうのもよいかもしれませんよ♪ また冷凍できる食材は、使う日を待たずに必要に応じて冷凍室へ。
「予定変更が続いて、結局食材を使いきれず腐らせてしまった。」という後悔も回避したいところです。
他に日々の家庭ごみといえば、食品トレイやペットボトルなど。これらはリサイクルできるので、きれいに洗い回収箱へ。「洗う」ということが、まだまだ定着していないようです。

例えば、回収されたペットボトルは繊維として再生され、岡山市役所の職員さんが着用するユニフォームに生まれ変わっています。世界に目を向ければ、米国大手アウトドア・ブランドがリサイクル繊維を活用することで、フリース生産に変革を起こしています。私たちのリサイクルというアクションの先に、企業や行政からのリアクションが見られるのは、とても嬉しいことですよね。
そして、最近よく目にする電子タバコやモバイルバッテリー。これらの製品は、リチウムイオン電池が使われているそうです。小型家電として適切な方法でごみ出しをしないために、ごみ処理施設の機械で押しつぶされ、ショート・発火する事例も増えているのだとか。使用されている部品によっては、リサイクルも可能なので、注意して分別してみてくださいね。うっかり忘れてしまったり、分別がよくわからなかったりするという方には、「岡山市ごみ分別アプリ」(建部地区除く)という便利なアプリがありますよ。ごみの出し方、持ち込み施設などが検索できる上に、ごみカレンダーという機能が、前日にごみ出しのお知らせ通知を出してくれるそうです。

 

環境事業課 近藤康弘さん

リサイクル繊維のユニフォーム着用

 

⭐︎生ごみが価値ある資源へ

私たちの家庭から発生する「生ごみ」は手軽に資源化することができます。
岡山市では平成28年度より、「桃太郎のまち岡山コンポスト」と命名された組み立て式ダンボールとコンポストの素をセットにしたコンポストキットを市内の「タイム(ホームセンター)」で無料配布。年間2000個用意されるこのキットは、リピーターを含め、多くの市民の方に愛用されているそうです。285mm x 320mmサイズなので、集合住宅でも気軽にトライできそうですね。ハンドブックに添って生ごみを40日間投入し、その後の1ヶ月間の熟成期間が終了すれば完成。家庭菜園用に消費することもできますし、完成したコンポストは同じく「タイム」で、 “ 500円分のタイムお買い物割引券 “ と交換もできます。今までは捨てていた生ごみを約2ヶ月かけてリサイクル資源に再生させ、それが花や野菜の栽培に活用できたり、手元にはお買い物券が残ったりするなんて清々しい資源の循環♪

このコンポストでわからないことは、気軽に担当課に質問してみてくださいね。

   

組み立て式ダンボール(箱とふた)   ダンボールを組み立て、コンポストの基を入れる       
コンポストの基・ハンドブック

岡山県内産のコンポストの基

⭐︎新習慣ダンボールコンポスト

岡山市内在住の在日台湾人の杜 宣慧 (とう せんけい)さんは、2年程前に東京から岡山に移住。東京の教育IT企業に在籍していますが、岡山を拠点に東京やウズベキスタンなどの海外数カ国の国々の人たちとオンラインで仕事をする傍ら、幼い頃から暮らしの一部になっている薬膳についての講座を開いているそうです。宣慧さんは、3.11東日本大震災を機に、「食」について深く考えるようになり、移住後、「畑や家庭菜園にトライしてみたい!」と土作りについてリサーチしていたところ、岡山市がダンボールコンポストを無料配布する取り組みを知り、迷いなく’初めてのコンポスト’ にチャレンジ。
置く場所を考えた末、「直ぐに野菜クズが捨てられるように!」と、ダンボールの下にスノコを敷くというひと工夫を加えキッチンに設置。1番最初のコンポストは、虫がわいてしまったのだとか。夏の暑い時期に、期間の 40日を過ぎてごみを入れ続けてしまったことや、大きな花を細かくせずそのまま投入してしまったことが原因。その時は発生したハエに困り、コンポストを黒い袋に入れて、室外の熱で退治したそうです。この失敗を糧に、その後は順調に、4歳の娘さんと野菜くずをチョキチョキ切り、楽しみながらコンポスト習慣が定着。小さなお子さんもリサイクルに参加できるなんて素敵ですね。
ダンボールと基材は、1回につき1個の持ち帰り。但し、40日間の投入後に必要な熟成期間中には新しいコンポストがもらえるそうです。宣慧さんは、そのシステムを上手に利用しています。
1つ目のコンポスト提出の際に10枚入りのごみ袋を購入。このごみ袋を使いきる頃が、2つ目の熟成中のコンポストの提出の目安。タイムでのお買い物とコンポストの提出のサイクルができたことで、家庭内で使う備品の買い足しを忘れることもなくなったそうです。宣慧さんの家庭では、コンポストを始めてからライフスタイルそのものに対しての意識にも変化があり、気がつけば家庭ごみ全体の量も減り、ごみ袋は「中」から「小」へとサイズチェンジ!!次は、野菜ごみからできたコンポストを利用して娘さんとベランダで野菜を育てる予定だそうです。家庭での新しい取り組みは、子どもと共に環境に配慮する循環をつくりだしました。子どもにとっても、生きた学習になり、素晴らしいチャレンジですよね。

                  

                   左:コンポストの基の熟成期間 右:投入期間中

⭐︎ママはみんな革命家

「家庭規模で、解決できる問題や環境に負荷をかけないで暮らす方法は、まだまだ山ほどあるはず。物質的豊かさやステータス、便利さや安さに翻弄されるのではなく、暮らしをシンプルにしていくと工夫がうまれ、その工夫を楽しむことが、持続可能な未来をつくる上で大切なこと。」という気づきを得た宣慧さん。ママ1人の意識の変化では何も変わらないと思われがちですが、家庭での積み重ねこそが、社会的なビッグインパクトを生み出していく源です。ママの意識の変化は、社会を変える革命の始まり〜♪
自然に恵まれた岡山では、大都会にはない美しい山・川・海・空が、私たちの暮らしを支えてくれています。その「恵みと豊かさ」の恩恵に感謝し、ごみを減らし、ごみをリサイクルして活用する。そんな環境に配慮した恩返しの循環をつくっていけたら、この先どんな未来が待っているのか楽しみですね。

最後に、宣慧さんからコンポスト未体験のママ達へメッセージ。
「岡山市のコンポストは無料で、気軽に始められます。失敗してもめげずに、再トライしてみてくださいね。お買い物割引券に換えられるのも良いですよね。このコンポストに集約された「時間・消費・再生」は、地球の循環を家庭バージョンで再現している感覚で面白い。その感覚を子どもと楽しむことも、継続できる大きなポイントの1つです。コンポストを入り口に、新しい視野や視点、興味の範囲が広がってきたら、それは、ママ自身の成長という大きなギフトにもなります。ママにとって大切なのは、自分や家族の心身の健康と健全な生活環境、そして子ども達の未来への投資。コンポストという投資のリターンは、自然と共存して生きる力と尊い心、安心な地球環境というお金で買えない「豊かさ」です。

 

(編集後記)
暑い昨年の夏、堆肥作りをしたいと思いつき、岡山市のダンボールコンポストにトライしてみました。生ごみが減り、家庭ごみの量が減っていく様子は、まさに快感!!『これが堆肥のもとになるんだ!!』と喜びすぎて、ごみを入れすぎてしまったせいで、ハエが発生してしまいました。基材についてくるハンドブックに沿って取り組めば成功するそうです。私も再トライしてみますので、このタイミングで一緒にレッツ トライ!成功するまで楽しんでやってみましょう♪(LaLa編集部・T)

 

■岡山市 環境局 環境部 環境事業課 資源循環推進室
岡山市北区大供一丁目2番3号
Tel : 086-803-1321 Fax : 086-803-1876
URL : 桃太郎のまち岡山コンポストについて

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