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ニコニコ女医の、しなやかに生きるessence – 毎日の子育てを豊かに彩るおすすめの一冊 – ⑦ ボクはやっと認知症のことがわかった 自らも認知症になった専門医が、日本人に伝えたい遺言

みなさん、こんにちは!岡山生まれ岡山育ち、3児の母、内科医のたかはしじゅんこです。「女性は自由に、男性は長く楽しく、子どもはのびのびと」がモットー。普段の子育てや生活などに関して医者の目線も交えながら、ママやパパが毎日を楽しむためのオススメ書籍をお届けします!

自己紹介は、初回をご覧くださいませ。

 

5月といえば、男の子のママとしては端午の節句、こどもの日、鯉のぼり。そんな中、先日男児2人のママである友人の投稿をみて驚愕しました。

「恐竜の名前が看板(表示)を見なくてもわかる」
「プリキュア?なにそれ?」

なんせ我が家の長女5歳にプリキュアは欠かせない…。誕生日やクリスマスプレゼントのリクエストで、前とその前のシーズンのプリキュアを制覇。なんなら私も新シーズンのエンディングのダンスをちょっと練習したりしている。

「子どもが男の子か女の子かで、お母さんの人生も変わるんだ!」

というのが私の最近の気づきです。

 

さてみなさま春休み、入園、進級、入学など、お子さんの予定だけでもたくさんの4月を超えて…。お疲れさまです!

 

 

 

 

 

 

 

今月、第7回目に選んだ書籍は…

 

「ボクはやっと認知症のことがわかった 自らも認知症になった専門医が、日本人に伝えたい遺言」長谷川和夫、猪熊律子著(KADOKAWA)

私が19歳の時、認知症やがんを患っていた祖父が亡くなりました。その数年前から祖母も合わせて介護が必要な状態になっており、私の高校3年間は介護に奔走する母と共にありました。

 

そうは言っても私は何を手伝うでもなし。疲れ切った母親を背に過ごす思春期でした。その中で、印象に残っている場面が二つあります。

 

まず一つ目。「なにしょんなら、なにしょんなら!」-着替えの時、不安で声を荒げる祖父。二つ目。台所で椅子に座り、食後の薬を用意された祖父。目の前に座った私を見て、「はじめまして」というような透き通った目をしてにこやかに頭を少し下げる祖父の姿。

 

今もあの子どものような透き通った優しい目が脳裏に焼き付いています。そして私は当時高校生でありながら、介護を手伝ってと言われたことがありませんでした。そのことを今さらになって母に感謝しています。

 

さてこの本の著者は、医者ならだれでも知っていると言っても過言ではない「認知症の診断の物差し」を開発し、診療に尽力した精神科医です。同時に認知症患者でもあり、昨冬に亡くなられています。

 

みなさんは、認知症というとどのようなイメージをお持ちですか?

「親が認知症になったら…」
「実際に今困っている」
「分かっているのに、辛い」

など、色々と不安があるのではないでしょうか?

 

厚生労働省の調査では、認知症の高齢者は2012年段階で65歳以上の約7人に1人でしたが、25年には5人に1人になると推計されています。認知症はとても身近な病気です。

 

で、何が怖いって、認知症になったらその人の頭の中がどうなっているかって分からないじゃないですか。その頭の中をごっそり引き出して、光を照らしてくれたのがこの筆者です。

 

「私は最も私らしい私に戻る旅に出るのだ」

オーストラリアの元政府高官で、四十代半ばでアルツハイマー病と宣告されたクリスティーン・ブライデンさんの言葉が紹介されています。子どもから大人になるにつれて、周りに合わせることに慣れたり、自分を抑える場面も多いですよね。年を取っていくことは怖いけど、「私らしい私」に戻ると思えば気持ちが少し楽になります。

 

「認知症でない人だって間違うよね」

これは著者の言葉。認知症になると急に子ども扱いされ、小さな子どもに言うように叱られがち。認知症でない人だって、日常生活の中で間違ったことや失敗をたくさんするのにねという内容が心に響きました。

 

ついでに言うなら、子どもも間違ったからって、子どもばっかり叱るのもね。親だって間違えるのにねとひるがえって反省しました。

 

私の夢の一つは、祖母が生きている間に「おばあちゃん、だいじょうぶだよ」という絵本を出版すること。認知症を怖がらなくても生きていける世の中になるよう願いを込めて。もとい、「認知症になっても関係なく、おばあちゃんのことが大好きだよ」と伝えたくて。

周りに認知症の方がいたり、またこれからの不安があったり、認知症について知りたい方に特にお勧めの本です。体験談だけでなく、認知症の診断や分類、ケアについても書かれていますよ。

 

あなただけの、大事な人生。

1冊の本から、豊かにしてみませんか?

 

読まれた方がいらっしゃいましたら、ぜひご感想を教えてくださるとうれしいです!

 

それではまた来月!

 

たかはし・じゅんこ(糖尿病専門医) 

小学6年のとき「将来の夢」がテーマの版画で医者を描き、現役で岡山大医学科へ。医療者のサポートの下、「患者が自分で自分を治療する」糖尿病に興味を持ち専攻する。その後3回の産休・育休を取得。育休中、社会の役に立ちたいとブログを開設し、想いを伝えることの重要性を実感。文章担当として現在絵本作りにも奮闘中。理想の社会は「女性は自由に、男性は長く楽しく、子供はのびのびと」。5歳の長女、3歳の長男、0歳次女の母。自由な物書き。

 

Instagramで絵本出版に向けての道のりを投稿しています。いいね・フォローありがたいです!

絵本(Instagram): https://www.instagram.com/junmami_ehon/    

ブログ(note): https://note.com/junko0429/

 

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