〜子どものコミュニケーション能力を高める〜他者に対する【信頼感】と【安心感】を育むための親の気づきをお伝えしています。
私は、子どものコミュニケーション能力の基礎は親子のコミュニケーションで培われると考えています。
社会に出たとき、なるべく人間関係やコミュニケーションに抵抗や苦手意識を持たず、人と心地良い関係性を築いてほしい-。
そのために、親子の関係性を見つめ、私たち親が子どもにどう関わっているかを振り返ることはとても大切なことです。
前回のテーマは、『親の期待や理想を子どもへ押し付けてはいませんか??』でした。
今回は『子どもに必要な甘えについて』というテーマで書いていきます。

子どもにとても厳しい世の中。
本来の未熟な「子ども」としていることよりも、
「小学生になったら、ここまでできなければならない」
「みんなと同じようにできなければならない」
というように、まるで早く大人になるよう求められているようにしか思えません。
それが日本の社会の風潮となっているから、親は我が子がその水準に合わせられないと不安にもなります。
そして子どもに対して、
「ちゃんとできるようにできる」
「みんなと同じようにできる」
を正解に感じてしまうのは自然なことです。

子どもにとって必要なもの-それは、
では全くありません。
それは、「自分の感情を否定せず受け止めてもらえ、しっかり子どもとして『甘えさせてもらえる』」こと。
「甘え」というのは、「愛されたい」「甘えたい」「存在を認めてほしい」という生存本能的な承認欲求。
不安なとき、誰かにそばにいてほしい/甘えたい-そう人の温かさや優しさを感じたくなるものです。
「甘え」は、親や家族を中心とした人との繋がりを感じられる精神安定剤のような役割をしています。
「甘え」が満たされると、心が温かくなり、深い「安心感」を覚えます。
そして、このような人との繋がりを感じられる『一体感』や『安心感』があれば、人は辛い経験などの傷付きから自分を守り乗り越えていく力へと変えていくことができるのです。

人間が生きていく上で衣食住と同じくらい大切な「甘え」。
現代の社会では、それを「未熟なもの」「自分勝手なもの」と捉えてしまっていることが大きな誤解なのです。
子どものころの「甘えたかった」「愛されたかった」という未完了の感情。
それは、大人になってからも心の中に残り続けます。
どこにいても誰といても疎外感を感じてしまったり、自分のことを「ダメなヤツだ」と否定してしまったりします。
そして、それらの鬱屈した感情が対人関係のトラブルの元となったり、心の中に虚無感や空虚感、孤独感を抱えて生きていくことになってしまいます。

世間一般的論として、「甘え」と「甘やかし」の解釈が混同してしまっていることにも大きな誤解があります。
「甘やかし」というのは、『過保護』や『過干渉』を指します。
これらは親の不安感を投影し、子どもに対して「見守る」ということができず手出し口出しし過ぎてしまうことを指します。
子どもがしてほしいことではなく、親がしてあげたいこと(親が不安だから/見てられないから)。
過剰に「母親の役割に依存」していたら、それは「子どもへの執着」ともなってしまいます。
「良かれと思って」
「あなたのためを思って」
とてもきれいな言葉にも聞こえますが、これらのセリフには「子どもを従わせたい」という思いが潜んでいます。
そのため、子どもからすれば、指示されコントロールされているように感じてしまい、
「そんなこと頼んでねーし」
「何も分かってねーくせに」
という親への反抗になってしまいます。

『親発信の不安』-これが過保護、過干渉です。
「甘え」というのは必ず『子ども発信』でなければなりません。
子どもが「必要としていること/求めてくること」でないといけないのです。
たとえ年齢的に「このくらいできて当然のこと/みんな一人でやってること」であったとしても、「親の価値観でジャッジせず、ただその甘えたい欲求を受け止めてあげたらよい」-私はそう考えています。
「愛されたい」「甘えたい」「存在を認めてほしい」-そんな子どもの『承認欲求』を全面に受け止めたからといって、わがままな自己中な人間になってしまうことは決してありません。
むしろそれらを受け止めてもらうことで、「親はちゃんと私の味方でいてくれている」というメッセージとして伝わるのです。
これは子どもの「他者に対する信頼感」を育て、「自分は大切にされる価値のある存在だ」と『自己肯定感』を高めることに繋がります。

具体的に「甘え」とは、
というように年齢によって変化していきます。
そんなお子さんの相手をするのはとてもしんどいことです。
子どもに対して感情的になり、怒鳴ったり手を上げてしまったり、どうして良いのか分からず思い悩み、子どもさんに手を焼いている親御さんも多くいらっしゃることでしょう。
しかしこれらの行動は、ワガママや親を困らせようとしていたり、ダメ人間への第一歩などではありません。
学校という社会にその子なりに合わせて我慢している分、家で必要な「甘え」を表現しているのです。
家が子どもさんにとって『安心できる心の安全基地』の役割をちゃんと果たしているということです。

そもそも家で「ちゃんとしなさい」と言われ過ぎるのは、「甘えるな!」「頑張りなさい!」と言われ続けていることと同じ意味に受け取れます。
これは私たち大人であっても苦しいことだと思います。
私たち大人だって「家だからダラダラしたいし、カッコつけなくて素直な気持ちを言いたい」-そう感じませんか?

それは「〜しなければならない」という価値観や信念に支配され、「甘えたい欲求」をあなた自身が抑圧して生きてきたのかもしれません。
「しっかりしなければならない」
「最後までやり遂げなければならない」
「弱音を吐いてはいけない」
「ちゃんとした人と思われたい」
などの価値観を軸に、今まで頑張り続けてきたのかもしれません。
そして、もしあなたが我が子の「甘え」を拒絶したくなるなら‥。
きっとご自身が子どものころ、素直に甘えさせてもらえる環境ではなかったのかもしれません。
もしそんな環境で育ったなら、必要な「甘え」に対して、
「甘ったれるな!」
「恥ずかしい」
「いけないこと」
「みっともない」
というような感覚を持つのはとても自然なことです。

どんなに「甘え」という言葉にネガティブな感情や感覚を抱いたとしても、「愛されたい」「甘えたい」「存在を認めてほしい」という『承認欲求』は本能的なものです。
決して恥ずかしいことでもダメな人間のすることでも、ワガママな行いでもないということ。
今まで心の中に潜めてきた「甘えたい」気持ちの存在を、まず自分自身で受け入れることが大切です。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
あなたの心が穏やかに過ごされますように‥。
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平野桂子(ひらの・けいこ)
岡山市在住。3人(高3、中3、小1)の子どもを育てるママ。自身の子育てと介護職に20年間従事した経験から親子関係の大切さに気づく。子育てに悩んだ経験から、同じように子育てで悩むお母さんの力になるべく、現在は心理セラピストとして子育て相談やインナーチャイルド療法、前世療法などに取り組み、より良い親子関係のためのコミュニケーション講座を開催している。2024年春、子どもさんとお母さんの心が楽に、ありのままの笑顔でいられる場所『みんなの家』をオープン。親子で自然と触れ合う参加型の活動を行っている。
心理セラピスト(子育てでの気付きやヒントなど書いています)
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