私たち親は、我が子が学校など社会の中で、
「うちの子はコミュニケーションが苦手だから‥」
「お友だちとうまくやっていけるか‥」
「仲間外れにされていないか」
と心配するものです。
これは親心といえるでしょう。
子どもが他者を信頼し、自分との間に適切な境界線を持って関わることができるように育つ-。
これはやはり家族関係(特に親子関係)の中で形成されるものあるであると考えます。

家族だからといって、当たり前に信頼関係があるわけではありません。
子どもが大人を信頼できるかどうか-それは周りの大人との関係性から育まれるのです。
例えば家庭の中で、
だったり…。
あるいは、親が自分の理想や期待を子どもにかけ過ぎて、「あなたのためを思って」「良かれと思って」と過干渉にコントロールしてしまっていたり。
家族の繋がりが乏しく個人主義のようなケースもよくあります。
また一緒に住んでいるにも関わらず、
どちらの場合も、子どもは家族に対して信頼を感じることが難しくなってしまいます。

そもそも赤ちゃんは未熟な状態で生まれ、世話をしてもらわないと生きていくことができない存在です。
これは「親に命を預けている」と言っても過言ではなく、だからこそ生きる環境を確保するため泣いて訴え親を求めるのです。
そして赤ちゃんは絶対的に親のことを愛しているので、物理的な面だけでなく精神的にも親に依存しています。
「親に抱きしめられる安心感や肌の温もりを感じたい」
「自分の存在そのものを認めてほしい」
そう本能的に親を求めているからこそ、大人が頭で理解している以上に、子どもは親の価値観を軸にし、育った家庭環境の影響を受けてしまうのです。
それはある意味、生きていくため身に付けていく「防衛的な価値観」ともいえます。

私は上の子どもたち(現在高3、中3)が幼いころ、「あなたのためを思って」「良かれと思って」と子どもたちのために努力してきたつもりでした。
しかし振り返ると、それは「ちゃんとしていない母親と思われたくない」という私自身の不安な気持ちやエゴからであり、当時「子どもが何を感じていたのか?」ということに全く聞く耳を持っていなかったと思います。
「〜しなければならない」という理想を押し付け、「子ども」ではなく「私」が困らないよう/不安になりたくない思いから「叱りつける」という関わりになり、ことごとく子どもからの信頼を裏切ってきたように感じます。
子どもたちからすればお母さんは、
私のことを信頼できないどころか恐怖を覚えていたことでしょう。
このような環境では、子どもは怒られないよう「私の正解を探す」ようになり、家庭の中が波風立たないよう「良い子」で適応するしかありません。
そしてこの環境が“人間関係のフォーマット”として刷り込まれるので、社会に出てからも、
「空気を乱さないよう言いたいことを言わないようにする」
「非難を過剰に恐れる」
「評価を気にしすぎる」
「『ここにいていい』という安心感を得られない」
「自分は何をやってもダメだ」
という価値観が基準となってしまいます。
要するに家庭の中で、
このベースがなければ、他者との円滑な人間関係も難しくなってしまうのです。

普段の関わりももちろん大切ですが、
これらは子どもとの信頼関係を深めるチャンスと考えます。
(「問題」という表現はあまり好きではありませんが、分かりやすさを重視し書きました)
たとえば入学や受験、卒業、引っ越し、新学期など、大きい環境の変化というのは子どもの気持ちが大きく揺れるときです。
また非行や不登校などの「行動」も、子どもの気持ちの揺れから表れるもの。
これらは多くの大人が経験してきたことなので、「皆が当たり前に通る道」と考えがちです。
しかし子どもからしてみれば生まれて初めてのことばかり。
どんなに外向的で強い子どもだとしても、戸惑い、慣れるまでに時間がかかったり、少なからず不安な気持ちになります。
気持ちが不安定になっているとき、子どもは年齢に関係なく親に「分かってほしい」「受け入れてほしい」「認めてほしい」-そう感じています。
だからこそ、気持ちが大きく揺れ動いているときこそ、「ピンチはチャンス」という言葉があるように、子どもの不安をまるごと抱きしめ親の愛情を伝えることができる大きなチャンスなんです。
これは今まで気持ちがすれ違ってきた親子にとっても、関係を修復する/心の繋がりを取り戻せる大切なチャンス。
環境の変化で大きい反抗があったり落ち込んでいる様子があるなら、それを「問題」と捉えるのではなく、ぜひ子どもの心に寄り添える「チャンス」と捉えてみてください。

大きくなってくると、幼児のような素直さもなく口も立つので、親も余計に感情的になるかもしれません。
ちょっと話しかけても、何も返事をしてくれないかもしれないし、反抗的な言葉が返ってくるかもしれない。
自分勝手でわがままばかり言ってきて、許せない気持ちにもなるでしょう。
どれだけ子どもの気持ちに寄り添おうとしても、どうすればよいのか分からないことも多いと思います。
そういった場合、「自分は子どもと同じ年齢の頃、どう感じていたかな?」と、親の視点ではなく、当時を振り返り子どもの頃の感覚を思い出してみてください。
など色々な気持ちを思い出すかもしれません。
大人の頭では「大したことない」と思っていた出来事-でも子どもの頃を思い出すと、思っていた以上に辛いと感じることもあったと思います。
そこに気付くと、子どもへの言葉や態度が自然と変わってきます。

子どもは、親が自分の感じている不安やプレッシャーに気付き、否定せず話を聞いてくれることで寄り添ってもらえた感覚を得ます。
「辛いときは辛いと言っていいんだ」
「親は味方でいてくれる」
と学び、
「私は大切にされる存在」
「私は愛されている」
という絶対的な安心感が育まれて自分の存在価値を肯定できます。
気持ちが大きく揺れ動いているときこそ、子どもの行動を否定したりジャッジしたりせず、ただ存在そのものを認めてあげることがとても大切。
親としての役割は、よい学校に入れることや子どもの能力を高めることではありません。
ましてや親の理想通り生きてほしいと願うものでも、本当はありません。
親にできることは、ただ目の前の子どもを愛すること。
「なにがあっても大丈夫!」
「あなたはひとりじゃない!」
そう子どもの心に安心感を育ててあげることです。
子どもが不安やプレッシャーを一人で抱えなければならないと、不安に押しつぶされそうになり、乗り越えられない大きい壁として捉えてしまいます。
しかし親(家族)に「不安なんだ」と気持ちを吐き出せ、「そうか不安なんだね」「大丈夫よ」「一人じゃないからね」と寄り添ってもらえたなら-。
子どもは親との繋がりに深い安心感を感じることができるので、プレッシャーを跳ね除け自分の力で不安を前へ進んでいくエネルギーに変えていくことができます。
これは揺るぎない心の根っこである【自己肯定感】で、【他者信頼感】とも言えるでしょう。

「子どもは自然と育つ」と言われますが、勝手に育つわけではありません。
見守られる日々の積み重ねで親との関係を構築していき、それが他者とのコミュニケーションへ繋がっていきます。
落ち込んでいるなら、話を聞いてあげて。
もし何も言ってこないなら、ただそばにいてあげて、あなたの温もりを伝えてあげてください。
そして子どもの好きなご飯を用意してあげてください。
家庭の中に子どもがほっとできる時間や場所がありますか??
子どものことを心配し過ぎるより、もしかすると家族の絆を見つめることの方が本当は大切なのかもしれません。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
あなたの心が楽に、「自分らしく」いられますように。
子どもさんがありのままの笑顔で輝けるように。
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平野桂子(ひらの・けいこ)
岡山市在住。3人(高3、中3、小1)の子どもを育てるママ。自身の子育てと介護職に20年間従事した経験から親子関係の大切さに気づく。子育てに悩んだ経験から、同じように子育てで悩むお母さんの力になるべく、現在は心理セラピストとして子育て相談やインナーチャイルド療法、前世療法などに取り組み、より良い親子関係のためのコミュニケーション講座を開催している。2024年春、子どもさんとお母さんの心が楽に、ありのままの笑顔でいられる場所『みんなの家』をオープン。親子で自然と触れ合う参加型の活動を行っている。
心理セラピスト(子育てでの気付きやヒントなど書いています)
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