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心と繋がるセラピー~お母さんの心が楽になるお話⑫夫婦関係は子どものコミュニケーションの教科書

子どもが社会に出たとき、人間関係やコミュニケーションに抵抗や苦手意識をなるべく持たず、人と心地良い関係性を築いてほしい-。

そのためには、私たち大人が子どもにどう関わっているかを振り返ることがとても大切です。

前回は『子どもとの信頼関係をちゃんと築けていますか?』というテーマをお伝えしました。

ぜひ読んでみてください。

今回は『夫婦関係は子どものコミュニケーションの教科書』というテーマでお話ししたいと思います。

 

夫婦関係は、子どものコミュニケーションの『教科書』

子どもは、自分自身の生まれ持った性格や資質なども含め、複合的な要素で自己を確立していきます。

家庭の雰囲気や親からの扱われ方で「セルフイメージ」を形成し、両親のやり取りを見て「コミュニケーションの基礎」を身に付けていきます。

 

両親のけんかが日常的で殺伐とした家庭環境では、家の中で落ち着けず自分の居場所がない居心地の悪さを感じてしまいます。

 

直接的な言い合いなどがなくても同様です。

両親が言いたいことを言わず互いに不機嫌でピリピリした嫌な空気が醸し出されていたとしても、家庭の中で気を許すことができず自分の居場所を見出すことが困難となります。

 

居心地が悪い/自分の居場所がないと、自分の存在を認めてもらうため親の顔色を伺うことが基本となっていきます。

人との付き合い方のベースには、子どものころの家庭環境が強く影響します。

特に両親の「夫婦関係」は、子どもが学び身に付けていく身近なコミュニケーションの『教科書』だと言えます。

 

家庭環境に適応するため、さまざまな価値観を身に付けるように

「家庭環境に適応」とは、親に怒られないための防衛的行動あったり、存在を認めてもらいたい承認欲求からの行動であったりします。

 

例えば、父親が母親に対して攻撃的な場面を見て育つと、子どもは緊張の中で「母親を助けなければならない」という価値観を潜在意識に刷り込みます。

すると社会に出たときの人との関係において、男子の場合は母親を投影して「助けを必要とする女性」に引かれるかもしれません。

女子の場合、母親を攻撃する父親を嫌うがあまり「弱々しい男性」に魅力を感じるかもしれません。

 

これらは一例に過ぎませんが、このように子ども自身のパートナー選びにも両親の関係性(力関係を含む)が強く影響します。

 

他にも、親が子どもに対して「ちゃんとしなさい!」と言い続けていると、

「ありのままの自分では足りない」
「失敗することは許されない」
「私には力がない」
「私は無力だ」

などという思い込みやセルフイメージを作り上げ、その思い込みやセルフイメージをフィルターとして社会での人間関係に投影していきます。

すると、自分の意思での選択に自信が持てなかったり、失敗を極度に怖れたり、何かに挑戦する前から諦めてしまったり、そもそも自分の意思ややりたい事もわからくなり存在価値さえ見失ってしまいかねません。

 

大切なのは『夫婦間のコミュニケーション』

子育ての方針や価値観が父母間で食い違っていると、子どもはどちらの意見を聞けばよいのかわからなくなってしまいます。

父親を立てれば、母親の意見を無視することになる。

逆に母親の言うことを聞けば、父親を無視することになる。

 

子どもはお父さんのこともお母さんのことも大好きなので、なんとか食い違った意見の中で折り合いをもとうします。

しかしそうすることによって、今度は子ども自身が「自分は本当はどうしたいのか」という思いが全くわからなくなってしまいます。

ですから、できるだけ父親と母親の考えを合わせておく必要があります。

 

「心を開いてちゃんと話し合おうという姿勢」と「素直な感情を言葉にして相手に伝えようという態度」

子どもに夫婦げんかを見せてはいけないと言われますが、そんなことは不可能に近いと思います。

夫婦げんかを見せてはいけないと思い込んでいると、直接的なけんかは避けるものの、言いたいことを我慢したピリピリした空気を出してしまいます。

すると子どもには言い合いのけんかと同様、居心地の悪さを与えてしまいます。

 

夫婦げんかしてはいけないのではなく、素直な感情表現ができ、お互い正直に向き合おうとする夫婦の姿勢があることが一番大切なのです。

それこそが「心の通い合ったコミュニケーション」であるということ。

心の通ったコミュニケーションというのは、子どもにも大人にも心の繋がりと安心感を与えます。

 

親であってもけんかしてもいいんです。

でも大切なのは、

  • 最初から「相手が悪い!」と決め付けない
  • 自分が被害者意識になっていないか振り返る
  • 悪かったと思えば素直に謝る
  • 自分が放つ言葉に怒りのエネルギーが乗っていないか考える
  • 相手をイライラした気持ちのはけ口にしていないか振り返る
  • 「本当はどんな関係性を築いていきたいのか」を夫婦で話し合う

これらのポイントを振り返ることです。

 

ネガティブな感情は「大切にされていない」と感じているから

夫婦げんかでネガティブな感情が溢れるのは、「大切にされていない」と感じているからです。

人は「大切にされていない」と感じると、怒りのエネルギーを相手にぶつけます。

すると相手もまた同様に攻撃されたと感じ、ネガティブな感情を抱きます。

けんかの始まりは些細などうでもいいことだったとしても、これらの繰り返しでヒートアップしていくのです。

 

要するに、

「自分は大切にされていない」
「相手から非難攻撃されている」

そう感じているからです。

 

どんなに相手が悪いと感じていたとしても、根底にあるのはこれらの思いです。

コミュニケーションというのは、ネガティブな感情のはけ口にしたり、優越感のために相手を非難したりするためのツールではありません。

自分の気持ちをちゃんと理解して相手に何を求めているのかを明確にし、それらを思いやりをもった言葉で伝える努力をすること。

それが大人のコミュニケーションだと思います。

 

家庭は子どもにとって『心の安全基地』

心の居場所というのは、「ありのままの私でいられる」という『心の安全基地』とも言い換えられます。

これは子どもにとってだけでなく、大人である親にとっても同様。

『家庭』そのものが心の安全基地だと感じられていたら、

「社会の中で、他人の評価を過剰に求めて自分の居場所にしがみつかなくても、自分にはちゃんと帰る場所がある」

-そう感じられるので、人との間に適度な距離感を保つことができ、自分を犠牲にし過ぎることがありません。

社会での多少のトラブルはそんなに気にならないことでしょう。

 

✓ホッとリラックスできる
✓本音が言える
✓辛いときに助けてもらえる
✓一人じゃないと感じられる
✓家族といると安心する
✓自分の一番の理解者は家族だと思える

このように『家庭』がリラックスできる場所で、家族との心の繋がりを感じられること。

その環境を担っているのが親である「夫婦の関係」だと言えます。

家庭の中で両親の関係性から、

「心を開いてちゃんと話し合おうという姿勢」
「素直な感情を言葉にして相手に伝える態度」

を肌感覚で学ぶことかできると、子どもの中で

「人間関係は対等であって心の繋がりを感じられるもの」
「自分の気持ちは大切にしてもらえる」

という捉え方が育ちます。

 

それは自己肯定感と言われる感覚でもありますが、同時に『他者への信頼感』も育まれていくのです。

 

幼少期の家庭環境というのは、大人になって理解している以上にその人を形作っているものです。

子どもにとって両親の「夫婦関係」が身近なコミュニケーションの『教科書』となっていくことをどこか頭の片隅に置いていただけると幸いです。

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

みなさまの心が穏やかに過ごされますように‥。

 

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平野桂子(ひらの・けいこ)

岡山市在住。3人(高3、中3、小1)の子どもを育てるママ。自身の子育てと介護職に20年間従事した経験から親子関係の大切さに気づく。子育てに悩んだ経験から、同じように子育てで悩むお母さんの力になるべく、現在は心理セラピストとして子育て相談やインナーチャイルド療法、前世療法などに取り組み、より良い親子関係のためのコミュニケーション講座を開催している。2024年春、子どもさんとお母さんの心が楽に、ありのままの笑顔でいられる場所『みんなの家』をオープン。親子で自然と触れ合う参加型の活動を行っている。

【Instagram】心と繋がるセラピー

 

心理セラピスト(子育てでの気付きやヒントなど書いています)

 

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