/掲載日:2020年03月08日/紙面:山陽新聞朝刊/掲載:25ページ/
新型コロナウイルスの感染を防ぐために、県内でも多くの学校が臨時休校になり、授業がなくなりました。私の息子も家で勉強することになりましたが、教科書でまだ習っていない箇所があるようです。それはどうなるのでしょうか。
<岡山市北区、女性(48)>
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休校初日の2日、知人の紹介で岡山市立芳泉小6年南部颯汰君(12)を自宅に訪ねると、休校前に学校で配られた復習用のプリントをしていた。通常、3月は教科書の内容をほぼ終え、まとめ学習が中心というが、国語の教科書で、文章を読んで要約するという学習が授業で行われていないという。
母親の里美さん(42)は「学校で習う機会があるのか、家で勉強するしかないのか分からない」と困惑気味に話す。
小中学校で必要な授業時間は、学校教育法施行規則と学習指導要領で「標準授業時数」として定められている。小学校は学年によって850~995時間、中学校は各学年とも1015時間となっている。
臨時休校で授業時数が不足するのはほぼ間違いないが、文部科学省は「施行規則違反にはならない」と説明。各学年の修了や卒業認定も平素の成績を評価するなどして弾力的に対処するよう求めており、進級や進学自体に支障はなさそうだ。
ただ、本来受けるはずだった授業はどうするのか。岡山市教委指導課で聞くと、「家庭学習で補ってもらうとともに、新年度に学校で補充的な授業をすることも考えられる」という。
文科省教育課程課によると、臨時休校などで受けられなかった授業の扱いは学習指導要領にも定められていない。今回はいわば想定外の出来事で、同省は2月28日に出した対応策のQ&Aで、新年度に必要に応じて補充の授業を行うことを例示している。
ただ、教科書のどの箇所を習っていないかは学校により異なる。岡山市教委指導課は「児童生徒にどれだけ学び残しがあり、家庭学習でどこまで補えるか把握する必要がある」と説明。その上で補充の授業を別途設けるか、通常の授業に盛り込むか、個別指導するか―などの対応を各学校が検討するという。
小学校を卒業してしまう6年生の場合は、2月末時点で残っている学習内容などを小学校が進学先の中学校に伝え、対応を考えてもらうことになる。
経験のない事態に、どの学校も手探りで進めるしかないようだ。
(平田桂三)
臨時休校でがらんとした教室。児童生徒の学び残しをどうするか課題だ=岡山市立岡山中央小
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