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子育てのメモリー 中 お笑いコンビ千鳥 ノブさん両親 父・早川勝治さん(73)母・千代子さん(73)=井原市= 親のかっこ悪い姿見せる

/掲載日:2020年03月20日/紙面:山陽新聞朝刊/掲載:16ページ/

 親がどんなことをしているか、言っているかについて、子どもは気にしていないようでよく見ているなというのを、3人の男の子が成長してから思います。

 うちは共働きで忙しかったから、子どもに対して、特別にこうしろ、ああしろと言ったことありません。

 3人兄弟の末っ子のノブはそんなに勉強ができたわけではないし、スポーツも飛び抜けた才能はありませんでした。長男、次男も同じです。でも3人とも優しい子に育ちました。子どもが大きくなって、ふと「人の悪口を言ってるのを聞いたことがない」と思ったんです。

 振り返って「そういえば、これが理由かな」と感じるのは、私も女房も、子どもの前では絶対に人の悪口を言わなかったことでしょうか。近所の子と比べるようなこともしませんでした。「あの子は勉強がようできるな」「あの子はてにゃわん(手に負えない)のー」のような言葉は息子たちの前で決して言いませんでした。

 これは子どもにそうなってほしいと意識したのではなく、「不満ばっかり言って生きていってもおえんが」と女房と話したんです。

 ノブは普通で、まじめでした。それでも男の子だから小さい頃はいたずらというか、悪さもします。人に迷惑をかけた時は、私と一緒に謝りに行きました。親が「すいません」と頭を下げる姿をノブに見せましたよ。すると帰り道にノブが涙を流して「ごめんなさい」って言うんです。その涙を見て、本当に反省した気持ちが伝わってきました。


▲末っ子のノブさん(手前)ら3人兄弟の幼いころ。大きなけんかはなく、仲が良かったという

 それぞれの家でやり方があるようで、親だけ行って謝る家庭もあるように聞きます。それじゃあ子どもには伝わらないように思います。

 見せたかったわけじゃないですよ。でも親のかっこ悪い姿を見せたのは、結果的に良かったと思います。自分がどれだけ悪いことをしたか気づかせるには、一番効果があったのかなと。子どもが大きくなった今、あらためて思うんです。(談)=聞き手・土井一義

 

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