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政府マスク福祉施設へ 企業、自治体回収広がる (新型コロナ)

/掲載日:2020年06月19日/紙面:山陽新聞朝刊/掲載:27ページ/  

新型コロナウイルス感染拡大防止のため政府が全世帯に配布した布マスクを集め、福祉施設などに寄贈する取り組みが、県内の企業や団体、自治体に広がっている。市販の使い捨ての品薄状態が改善されつつあることもあって、各組織には次々と政府のマスクが寄せられている。(福本尚純)

 布マスク(横13・5センチ、縦9・5センチ)は市販の使い捨てより小ぶりで、大人が着用するには小さいとの意見が多い。加えて、不良品が見つかったことなどから岡山県を含む全国で「おおむね配布を完了」(厚生労働省)したのが今月15日となり、SNS(会員制交流サイト)などには「今さらもらっても…」という声も目立つ。

 そのサイズから、子ども用として県内の児童養護施設に贈ろうと、政府が配布を始めた直後の4月中旬から取り組む「トータルデザインセンター」(岡山市北区奥田本町)には、これまでに約1万5千枚が県内外から寄せられた。当初の3週間では約300枚だったが、配布が進むにつれて寄せられる枚数が大幅に増え、贈り先を東京、神奈川、大阪、兵庫、福岡などの施設にも急きょ広げた。


政府配布の布マスクを集めるトータルデザインセンターの上村社長(右)ら=岡山市北区奥田本町

 「まさかこんなに反響があるとは」と上村祐貴社長(39)。受け付けは今月末まで続ける予定で、「しっかり有効活用させていただく」とする。

 移住者支援を行う「くらしのたね」(同市北区辰巳)とひとり親家庭を支援する「ハレハハ」(同市南区大福)は足並みをそろえ、コロナ禍で困っている親子らを応援するとして5月下旬から実施。利用者らから計約210枚を受け取ったといい、今後も当面の間、回収を続けることにしている。


回収箱を設置している「くらしのたね」=岡山市北区辰巳

 行政では真庭市や勝央町が、市販のマスクを含めて回収を手掛ける。同市には計約400枚、同町には計約130枚が寄せられており、それぞれ学校園、福祉施設に配る予定。「当面受け付け、不要な人から必要とする人へと届けたい」(両市町)。

 政府マスクの回収はほかにも、一部の学校や公民館、社会福祉協議会、パン店、バーといったさまざまな組織や店舗が行っている。いずれも未開封・未使用のものが対象。

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