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新出生前診断 開業医も可 日産婦 指針改定 小児科医との連携条件

/掲載日:2020年06月21日/紙面:山陽新聞朝刊/掲載:1ページ/  

妊婦の血液でダウン症など胎児の染色体異常を調べる「新出生前診断」の実施施設拡大に向け、日本産科婦人科学会(日産婦)は20日、凍結状態になっていた実施指針の一部を改定したと発表した。小児科医との連携を強める内容を盛り込むことで、反対していた日本小児科学会と日本人類遺伝学会の合意を得た。

 実際に運用するかどうかは、厚生労働省の最終判断を待つとしている。厚労省では有識者会議が診断の在り方を議論しており、判断までにしばらく時間がかかりそうだ。指針が認められれば施設要件が緩和され、民間クリニックや開業医などの小規模施設を含め、全国で70カ所ほど認定施設が増える可能性がある。

 改定された指針では、日産婦など4学会が共同で作成した説明書を用いて妊婦へ説明することになる。小規模施設で検査を行う場合は、あらかじめ小児科学会の認定制度で認められた小児科医との連携が必要。妊婦の希望があれば診断前後いずれの段階でも相談できる窓口を小児科学会が用意する。

 新出生前診断は、検査を受けた結果、妊娠中絶につながるケースもあり、命の選別になりかねないとの指摘もある。このため2013年以降、カウンセリング体制などが整った大学病院など大規模な認定施設のみで実施が認められてきた。現在、実施できるのは109施設にとどまる。しかし、ルールを守らずに検査を提供する無認定の民間クリニックが増加。不十分なカウンセリングで妊婦が戸惑う事例が問題化した。

 出産年齢の高齢化などを背景にニーズが拡大する中で、少しでも適切な形で検査を受けてもらおうと日産婦は19年、研修を受けた産婦人科医がいれば小規模な施設でも実施できるようにする新指針を公表した。

 これに対し、小児科学会などは「生まれた子どもへの医療や支援の現状を説明する機会が失われてしまう」と反発していた。

新出生前診断の流れ(表)


ズーム

 新出生前診断 妊娠10週以降の早い時期に妊婦の血液に含まれる胎児のDNAを調べ、ダウン症などの原因となる3種類の染色体異常をみる。陽性判定の確定には羊水検査が必要。日本では2013年、臨床研究として導入され、検査結果を説明するカウンセリングや、専門医による診察ができると認定された医療機関で実施が認められてきた。これまでに7万人以上が検査を受けた。

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