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待機児童3年連続減 県内8市町村403人(4月1日現在) 保育士不足で解消困難

/掲載日:2020年07月24日/紙面:山陽新聞朝刊/掲載:20ページ/

 県は、認可保育施設に希望しても入れない待機児童について県内の状況(4月1日現在)をまとめた。児童数の多い岡山、倉敷が受け入れ枠を拡大し、県全体で前年同期比177人減の403人と3年連続で減少となったものの、保育士不足などから待機児童の解消はなお困難な状況だ。(秋山昌三)

 待機児童を抱えるのは8市町村。最多は岡山市の259人で、前年同期比で94人減少した。次ぐ倉敷市は45人減の98人。両市で全体の9割近くを占めた。

 県によると、岡山市は、認定こども園や私立保育所計5カ所の整備などで、認可施設の定員を656人分拡充。倉敷市は私立保育所3園の設置などで110人分の枠を広げた。しかし、岡山市は保育士不足、倉敷市は希望地区の偏りなどで、ともに目標としていた2019年度末の待機児童ゼロを達成できなかった。

 このほか、早島町は7人増の13人、勝央町は3人増の4人。玉野市、里庄町、新庄村は前年ゼロだったが、1~8人発生した。備前市は28人減ながらも18人。19年10月からの幼児教育・保育無償化により希望者が増えたことも影響したとみられる。

 待機児童には含まれないが、特定の保育所を希望して入園できなかった子どもは1352人(前年同期比116人増)いた。内訳は、岡山市593人▽倉敷市543人▽総社市101人▽津山市37人▽瀬戸内市18人―など。

 県はまた、県内の認可保育所と認定こども園の公私立計457施設で、定員に対する入所者の「充足率」も集計した。全体は94・4%で、待機児童を抱える岡山、倉敷、備前市、勝央町、新庄村は、定員まで受け入れられる環境が整えば待機児童はさらに減少する。

 岡山市などで受け入れができない主要因は保育士不足とみられ、県は今秋、県庁5階の「県保育士・保育所支援センター」に、求職と求人を自動的にマッチングするシステムを導入するなどし、潜在保育士の掘り起こしに努める。

 県子ども未来課は「減少傾向とはいえ、400人余りの待機児童が発生している。市町村と連携し、課題解決に取り組みたい」としている。


ズーム

 待機児童 親が働いているといった条件を満たしながらも、定員超過などで認可保育所や認定こども園に入れない子どもを指す。保護者が休職中の場合も含めるよう2015年度に定義変更したことから急増した。国全体では19年4月1日現在、1万6772人。政府は20年度末までに32万人分の受け皿を整備し、待機児童を解消する目標を設けている。

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