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生活の中に防災意識を 子連れ世帯の対策 ボウズさん(岡山)に聞く 親子で避難確認、グッズ作り

/掲載日:2021年01月08日/紙面:山陽新聞朝刊/掲載:15ページ/    


 災害が少ないとされてきた岡山県で近年、豪雨や台風などの自然災害による被害が相次いでいる。今後30年間で70%の発生確率という南海トラフ地震にも警戒が必要だ。小さな子どもがいる家庭は、災害にどう備えればよいのか。2児を育てる防災士のボウズ満恵さん(46)=岡山市南区大福=に助言をもらった。15日から防災とボランティア週間。(赤沢昌典)

子ども向けの防災グッズを説明するボウズ満恵さん


 「これまでは100年に一度といわれたような災害が、最近は毎年のように各地で発生している。もう、生活の中に防災意識を溶け込ませる必要がある」とボウズさん。大事なこととしてまず挙げるのは、ハザードマップを見ること。住んでいる地域で想定される災害と避難経路の確認は、基本中の基本だ。

 その上で、紙製スリッパや皿といった避難生活に役立つ用品を親子で作るなど、普段の遊びの中にちょっとした防災要素を取り入れると、子どもも自然に防災を考えるようになるという。

 では、実際に大規模災害が起きた時にはどうすればいいのか。県内の公立小中学校は、それぞれ危機管理マニュアルを策定し、それを基に下校や待機を判断する。学校から迎えに来るよう連絡があればすぐに行くのが望ましい。でも、仕事などで難しい場合も想定し、親戚や保護者同士で協力できるよう話し合っておくことも大切だ。

 休日や夜間など親子が一緒にいる場合は、落ち着いて情報収集しながら避難すべきかどうか考えればいい。ただ、子連れ避難は大人だけの場合の2倍ほど時間がかかるので、迅速な判断が必要になる。今は新型コロナウイルスへの感染リスクもあるので、安全だと思えば自宅待機や車中避難も選択肢になる。

 一番避けたいのは、親子が離れ離れで連絡も取れないこと。「捜し回っているうちに、二次災害に巻き込まれては元も子もない」とボウズさん。日ごろから、何かあれば一人でもすぐ避難所に向かうよう、徹底しておく必要がある。

 避難生活はストレスが多い。子どもが騒いで迷惑がられ、避難所を出て行かざるをえないようなケースもある。子ども用の持ち出し袋に菓子やジュース、普段遊ぶゲーム、絵本などを入れておくと心を落ち着かせるのに役立つ。

子どもがいる家庭の防災ポイント(表)


 阪神大震災では、住民同士の助け合いで救われた命が多かった。最近では、地域行事を利用して防災に念を押すという意味の「防念会」という言葉もある。地域の催しに家族で積極的に参加しておけば、顔見知りが増えて「共助」につながる。ボウズさんは「交通安全を話し合うように、防災も日ごろから家族みんなで話題にし、考えるようにしてほしい。それが何よりの備えになる」と訴える。

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