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首都圏、関西圏出向く受験生へ 公共交通ラッシュ避けて コロナ対策助言 依田健志・川崎医科大講師 食事はホテルで弁当を

/掲載日:2021年01月29日/紙面:山陽新聞朝刊/掲載:15ページ/  


 大学入学共通テストの第1日程が終了。2月に入ると私立大の一般入試が本格化し、同25日には国公立大2次試験の前期日程が始まる。受験生にとっては正念場だが、受験のためにやむを得ず、新型コロナウイルス特措法に基づく緊急事態宣言発令下の首都圏や関西圏へ出向くケースも少なくないだろう。滞在時、感染リスクを下げるにはどうすればよいのか。公衆衛生学が専門の川崎医科大・依田健志講師の助言を紹介する。(角南邦彦)

「現地でも感染防止の基本を徹底すれば、必要以上に不安がらなくていい」と話す依田さん

 

 「手洗い、マスク着用、“3密”を避けるなど、これまでの感染防止対策を徹底すれば、必要以上に心配しなくていい」。依田さんはそう話した上で、大都市ならではの注意点をいくつか挙げた。

 まずは移動。新幹線や航空機は、空調設備で換気が徹底されているので、基本的には安全という。問題は、在来線や地下鉄、バスなど現地での公共交通機関の利用。試験会場近くに宿泊し、歩いて行ければ問題ないが、近くのホテルの数は限られる。次善の策のタクシー利用は、渋滞などで時間が読みにくいリスクがある。

大都市圏で受験する際の主な注意点(表)


 公共交通利用のポイントとして、依田さんはラッシュの回避と消毒の徹底を挙げる。「早めの出発で混雑する時間を避け、手すりやつり革に触ったら、携帯用アルコールで消毒する。手で顔を触ったり目をこすったりしない。こういったことに気をつければ、リスクは軽減できる」。会場に着いたら、手を洗うことも忘れずに。

 滞在中の食事をどうするかも課題だ。「できれば飲食店での食事を避けて、弁当やテークアウト料理をホテルの自室で食べるのがいい」と依田さん。どうしても外食する場合は、混んでいる店は避け、個室が利用できる施設を使うようにしたい。「受験なので、まさかそんな人はいないとは思いますが、くれぐれも夜の繁華街を歩いたりはしないように」

 ホームページなどで確認すると、試験当日は、各大学とも席の間隔を空けたり椅子や机を消毒したりと、十分に感染防止対策を講じている。依田さんは「気をつけなければならないのは、むしろ寒さ対策」と指摘する。「換気で外気が入ると室温が下がるし、上げようと暖房を強くして、逆に暑くなる可能性もある。脱ぎ着で調整しやすい服装が無難」と助言する。

 最後に、志望大学の受験に向けてせっかく準備していても、試験日間近で感染が判明したり濃厚接触者になったりしたら、別日程の追試験になるなど、予定変更を余儀なくされ、負担は大きい。「家族も会食を控えるなど、みんなで感染予防の基本を見直して乗り切ってほしい」

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