/掲載日:2021年02月26日/紙面:山陽新聞朝刊/掲載:21ページ/
突然ですが、お子さまの通学かばんは軽いですか? ぜひ、重さを量ってみてください。教科書をたくさん入れると何キロですか?
では、ここで問題です。リュックサックを背負う、頭に乗せる、手で持つ、どれも重さは同じでしょうか? 実は持ち方を変えると、重さの感じ方は違ってくるのです。
まず肩ひもをゆるめてリュックを揺らしながら走ってみましょう。体に密着させて背負うより重たいことを体感できます。リュックが体から離れ、それぞれの重心の距離が離れると重く感じます。
次に、頭の上にリュックを乗せてみてください。手でぶら下げて持つのと、どちらが重いですか? 子どもを肩車した場合とだっこをした場合を比べても体感できます。
アウトドアではリュックの下に軽いもの、上に重いものを入れます。その方が軽く感じるからです。子どものランドセルなどで、空箱で上げ底した上に教科書を置き、実験してみてください。
災害時は、通学かばんを持ったまま素早く動く必要があるかもしれません。小さい頃から重さの感じ方の違いを体験しておくと、いざという時に役に立つだけでなく、日常生活も楽になります。また、防災リュックに入れられる重さの目安は女性で10キロと言われることがありますが、持ち方で感じ方は異なるのです。
リュックは「体に密着させ、揺らさない」「重たいものは上に入れる」。今日からできる防災技です。最近、面白いことを発見しました。
人気漫画「鬼滅の刃」の主人公の炭治郎くんも、体に箱を密着させて背負っています。学校でよく見掛ける二宮金次郎像も、背負っている薪の上部の本数が下部より多い像があります。昔の人は、工夫する力があったのですね!
(あんどうりす・アウトドア防災ガイド)
=次回は3月12日掲載予定
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