Home>新聞記事

[ 新聞記事 ]

岡山県小学、中学校長会長 新入生と保護者へアドバイス 生活リズムを整えて 中尾雅文氏(岡山・幡多小校長)/理想像描き有意義に 堀井博司氏(岡山・岡山中央中校長)

/掲載日:2021年03月26日/紙面:山陽新聞朝刊/掲載:17ページ/  


もうすぐ4月、入学シーズンだ。小・中学校の新入生と保護者にとって、新たな学校生活は楽しみな半面、環境になじめるかどうかも心配だ。岡山県の小学校長会、中学校長会の会長に、入学へ向けての準備や心構えを助言してもらった。(赤沢昌典)


生活リズムを整えて 中尾雅文氏(岡山・幡多小校長)

 「新1年生の保護者にいつもお願いするのは、基本的な生活習慣を身に付けさせること。特に朝は1日のリズムの起点となるので大切にしてほしい」

 小学生が健やかに成長するためには1日9~11時間の睡眠が必要とされている。午後9時ごろまでには就寝したいところだが、近年はゲームなどで夜遅くまで起きている子が増えている。一方で、外遊びなどで体を動かす機会は減り、睡眠の質の低下が心配という。

 就寝が遅くなれば起床も遅れる。始業までに体が起ききらず、頭がぼんやりしたまま授業を受けることになる。「多くの調査結果が、規則正しい生活が学力につながると指摘する。決まった時間に食事や家庭学習ができるよう、生活リズムを組み立てて」と話す。そのためにも親子で話し合い、納得できるルールをつくることを勧める。小さな頑張りを認めてあげて褒めることも、良い習慣を定着させる近道という。

 岡山県内は、児童だけで徒歩通学する小学校が多い。「可能なら入学までに平日に親子で通学路を歩き、自動車の通行量や周囲からの死角など、どこにどんな危険があるか確認すると安心できる」

 多くの児童は徐々に新生活に慣れていくが、中にはストレスから一人で登校できなくなる児童もいるという。「家庭でも積極的に学校の様子を聞く時間を設け、気になることがあればすぐ教職員に相談してほしい」と中尾会長。「落ち着いた新生活のスタートには、学校と家庭の連携が不可欠。友達をつくり、遊びや勉強を頑張れるよう、学校も全力でサポートするので、安心してください」


理想像描き有意義に 堀井博司氏(岡山・岡山中央中校長)

 中学生になると先輩後輩といった人間関係が複雑になり、行動範囲も広がる。「人付き合い、学習、部活動の三つに対して、新入生は期待もあるが不安も大きい。『自分はこうなりたい』という中学生像を描いておけば、不安に揺らぐことなく、学校生活を頑張ることができる」と助言する。

 中学生の年代では、特に友人関係は繊細で難しい問題だ。多くの学校は入学直後に自己紹介の場を設ける。堀井会長は、まずは共通の話題がありそうな人と交流を始めることを勧める。
「部活動にはお手本となる先輩がおり、複数の小学校から集まる同級生は価値観や考え方が多彩。3年間で多くの仲間をつくってほしい」

 学習面は小学校より難易度が上がる。授業を大切にすることはもちろん、毎日の家庭学習の習慣化が大切という。「はじめは短くても構わない。1年生での学習姿勢がその後の意欲に大きく関わってくる」と説明する。

 最近の生徒指導では、スマートフォンの適切な利用の推進が大きな課題になっている。「使用の長時間化やアプリ課金のほか、無断撮影した写真をSNSに投稿、いじめにつながる書き込み、出会い系アプリを発端としたトラブル…と問題は山積。学校でも注意喚起をするが、家庭でしっかりとルールづくりに努めてほしい」。思春期で、親にも秘密を持ちたがる年頃になるだけに、管理の徹底を訴える。

 「中学校生活には自分の好きなことに取り組み、特技を伸ばす機会がたくさんある。これからの人生を見据え、3年間を有意義に過ごしてほしい」

>一覧に戻る

LaLa Okayama 会員登録

Access Ranking

Present

プレゼント