/掲載日:2021年04月09日/紙面:山陽新聞朝刊/掲載:15ページ/
地図の確認はアウトドアの基本です。ただ災害の被害を予測したハザードマップの見方が難しいとよく聞きます。マップを基に、子どもと歩くと案外楽しく学べます。
国土交通省が運営する「重ねるハザードマップ」のサイトは、住所を入力すると水害、土砂災害などのリスク情報を同時に表示してくれます。水害の場合、まず書かれている雨量などが想定最大規模かを確認してください。これは、千年に一度起こる雨を想定しています。気になるのは、浸水の深さを示す色です。3メートル以上だと2階の床上まで浸水する可能性があります。でも想定を超えることもあり、白色でも安全を意味しません。
雨量を具体的にイメージすることが大事です。自治体のハザードマップには、ある一定期間に降った雨量を示す積算雨量や1時間の降水量などが書かれていることがあります。でも1時間に100ミリの雨をイメージできますか? 単位がミリなので過小評価しがちですが、1平方メートルに1時間に1回100キロの力士が空から落ちてくるのと同じ重さと言われます。かなり怖いですよね。
前提情報がわかると、天気予報の数字の意味を読み解けます。「今、何ミリって言ったかな?」「この雨がうちの地域に降るとどうなる?」と親子で会話できますよ。
国土地理院のホームページにある「自然災害伝承碑」では、災害を伝える石碑などが写真入りで記載されています。洪水から人々を守った栗の木跡の碑もあり、過去から未来へのメッセージも込められているので、各地で探してほしいです。
マップを基に散歩をすると、気付きがあります。河原に周囲より大きな岩があれば、過去の災害が関係しているかもしれません。あらゆる場所が学びの場に変わります。
(あんどうりす・アウトドア防災ガイド)
=次回は23日掲載予定