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【イベントレポート】LaLaアートツアーin林原美術館 開館60周年記念展「みんなで選ぶ、林原美術館名品総選挙」

 

こんにちは!LaLa編集部の松田です。

10月12日、恒例のLaLaアートツアーin林原美術館の取材に行ってきました。

今年の舞台は、12月15日まで開催中の開館60周年記念展「みんなで選ぶ、林原美術館名品総選挙」。

当日の様子をレポートしていきます!

10時過ぎの受け付け開始に合わせ、参加者の方々が続々とご来場されます。

ご家族や兄弟での参加が多く、「大人気だなぁ」と感じました。

例年は夏休み平日でしたが、今回は土曜開催とあってパパさんの姿も。

そんな大人気イベントの取材は嬉しい反面やや緊張(^-^;

受付で専用の用紙をもらいロビーへ移動したら、担当学芸員の槌田さんから鑑賞時のお約束です。

「大きな声を出さない」「走らない」「食べたり飲んだりしない」

最後は「楽しく鑑賞して帰宅してください」で締めくくられました。

美術館の開館60周年を記念して、一般や学芸員さんらの人気投票による作品が並ぶ今回の展覧会。

「普段見られない作品もあります」

どんな作品があるのだろうととても楽しみになりながら展示室へ向かいます。

皆さん準備が整ったらさぁ出発!

前半に槌田さんの解説を聞きながらざっと展示室を見て回り、後半の自由観覧でそれぞれのお気に入りの作品を見つけます。

まず目に入ってきたのは「刀」。

古くは侍が持ち、今は刀鍛冶の方が観賞用に作られているとのこと。

鑑賞ポイントは「キラキラ光っている所」。

刀を作るのに重要な「玉鋼(たまはがね)」の説明に、お子さんから「知ってる!」と言う声が。

私も大人気アニメで聞いたことがあります。

好きなアニメなんかで見ていると、難しい言葉もスッと頭に入ってより興味を引きますよね。

ちなみに「相槌(あいづち)」という言葉は、刀を作るときの様子が由来だそう。

熱いうちに槌で相互に打つことにちなんでいると教えてくださいました。

またほかにも短刀や刀を装飾する拵(こしらえ)・鞘なども。

拵は持ち主の趣味で作られるものも多いそうですよ。

続いて何やらものすごく精密な細工のお皿が見えてきました。

廃刀令で刀が作れなくなった時代、お皿や壺などへ転職する方が増えたようです。

製作に少なくとも半年くらいはかかると聞いてびっくり!

確かに菊の模様や止まっている昆虫がとても細かくリアルで、人の手によるのが信じられないほどでした。

次はどれも迫力があった屏風絵。最初に見たのは江戸時代の世界地図。

約300年前の物で、漢字がたくさん書かれていました。

漢字といえば中国。この作品も中国から入ってきたものだと教えてもらいました。

んー、よく見ると現在知られている地図とは違うような。

気になる方はぜひ美術館で確認してみてください!

ほかに源氏物語を題材としたものや、京都の町の様子を精密に描いた人気の「洛中洛外図屏風」も。

林原美術館では、ロビーに高精細デジタル画像が見られるタブレットが設置してあります。

あまりに細かく肉眼で捉えきれない描写もそちらで拡大・確認できて便利ですね。

 

次に江戸時代の嫁入り道具を紹介してくださいました。

嫁入りのために作る道具は何と100個くらいだそう。

ボタンの花や獅子の姿が表され、どれもとても華やかです。

その横には嫁入りのときに持っていく人気の「合貝」もありました。

使われているのはハマグリ。

ハマグリの貝殻は対になるものしか合わないので、仲良し夫婦の象徴とされています。

トランプの神経衰弱のように貝の表の模様を合わせて楽しむもので、展示品は約700枚あるそう。

続いては能面。女性の面である小面(こおもて)、人によって見え方が違うそうです。

また昔の女性が結婚時に塗っていた「お歯黒」の豆知識も。

えづいてしまうほど酸っぱいそうで、近年の研究で虫歯予防の効果もあったといわれているそうです。

お次は甲冑。今回の展示は周年記念だけあり本当にバラエティ豊かです!

魚の鱗を皮で表現しているそうで、確かにそんな感じがしますよね。

近くには全国的にも有名な能衣裳や昔の中国の大きな壺もありました。

「さるかに合戦」の様子が立体的に表されていた壺。

当時、盛り上がった立体的な細工は技術的に難しかったそうです。

終盤は日本画の掛け軸の展示。

菱川師宣葛飾北斎は学生時代に習ったなぁと思いながら聞いていました。

葛飾北斎の巌頭鵜図は、鵜の羽に迫力がありますね。

学生時代に覚えて知っていることが復習できて嬉しかったです。

一通り解説していただいた後は、それぞれお気に入りの作品を探します。

皆さんもう一度最初から見て回ったり、気になった作品の前に戻りながら、受付でもらった用紙に自分のお気に入りを記入。

親子でいっぱい話をされながら、子どもたちは選んだ理由や感想を真剣に書き込んでいましたよ。

時間になったら再度集合し、3人のお子さんがお気に入りを発表。

刀や葛飾北斎の絵が気に入ったとのことでした。

 

最後に、槌田さんのイチオシ作品を教えてもらいました。

製作にとても根気と緻密さ、時間を要する作品で、学芸員さん3人+館長さんが選んだとのこと。

気になる方はぜひ開催中の企画展を訪ねてください!

 

大人気のアートツアーは、11月23日に第2回目が予定されています。

11月4日までこちらから追加募集中ですので、ご興味がおありの方はぜひご応募ください!

 

【編集後記】

子どもたちに地元の美術品に触れてもらおうと、例年夏休み期間に実施していたアートツアー。

開館60周年記念展に合わせ秋開催となった今回。普段見られない作品も展示されていたとあってすごく楽しめました。

後半の自由観覧では、どの子も真剣な眼差しで作品を見つめ、一生懸命用紙に書き込んでいました。

また親子の触れ合いや会話のきっかけにもなり、しみじみ「とてもよい機会だなぁ」と感じました。

槌田さんの解説は、聞き入りすぎて時々取材を忘れそうになるほど(汗)

個人的に学生時代学んだことも多く、当時難しかったことも大人になると楽しく思えたと同時に、「あのときもっとしっかり勉強しておけば」と後悔も(笑)

今後も開催されるならぜひ参加したいと思います。(LaLa編集部・松田)

 

参加者のみなさまから嬉しい声が・・・

・こう言う機会がないと学芸員さんの解説を聞きながら展示をみることがないので楽しく過ごせた。横に書いてある解説ではわからないこともあるので良かったです。

親子で秋の芸術を体感でき、とても良い経験になりました。

・子どもたちはそれぞれ地図の屏風(元々地図を見るのが好きで不思議そうに見ていました)、花と虫の金属皿(お皿の下まで本物の植物みたいにできてると言っていました)が一番印象に残ったようです。
私は刀の刀身の美しさもですが鞘の装飾が綺麗だと思いました。

 

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