国内外で拡大している新型コロナウイルス感染。
学校が臨時休校になり、
大規模イベントが相次いで延期・中止になるなど先行きの見通しが立たず、
特に小さなお子さんを抱えるママや妊娠中の方は不安が募る一方だと思います。
このような状況下で、私たちはどんな予防ができるのでしょうか…。
そこで、LaLa編集部では、ママやプレママの不安や疑問を解消すべく、
今できるウイルス感染対策について、
マスカット薬局 医薬品情報管理部門 部門長 薬剤師・安倉央さんに話を聞きました。
ウイルスには「エンベローブ」と呼ばれる外膜を持つか持たないかで「エンベロープウイルス」と「ノンエンベロープウイルス」に分けられ、例えば、今回の新型コロナウイルスやインフルエンザウイルス、風疹はエンベローブウイルスに、ノロウイルスやアデノウイルス、ロタウイルスはノンエンベロープウイルスに該当します。重要なのは、このウイルスの種類によって有効な消毒方法が違うということ！コロナウイルスのようなエンベロープウイルスはアルコール消毒が有効であり、それゆえに現在あちこちで消毒用エタノールが売り切れになっているわけです。
手に触れる物の消毒にオススメしたいのが、「次亜塩素酸ナトリウム」配合の消毒液です。代表的な商品名はミルトンです。哺乳瓶洗いの「ミルトン」！ママならよく知っている商品ですね。実はこのミルトンに含まれている次亜塩酸ナトリウムは、消毒用アルコールやイソジンなどのポピドンヨードと同じ「中水準消毒液」に分類されます。なので、ミルトンを規定の濃度に薄めて消毒液として代用することができます！
調理器具、トイレのドアノブ、便座、衣類等の消毒には、50倍希釈の0.02％の次亜塩素酸ナトリウムが有効であり、感染の疑いのある嘔吐物やふん便の付着した物の表面の消毒には10倍希釈の０．１％の次亜塩素酸ナトリウムが有効であることが分かっていますが、ただ、気を付けてほしいのは、濃度を濃くすればより効果があるというわけではないということ。濃すぎると材質劣化の原因になり、薄すぎると十分な消毒効果が得られないので、必ずパッケージに書いてある注意事項や希釈方法を守ってご使用ください。
ミルトンは手などの皮膚の消毒を行う場合は適しません。特に傷や手荒れをしている手指には用いないようにしましょう。
今なかなか手に入らなくて困っているものの一つがマスクです。最近は手作りマスクの作り方をネットでもよく目にするようになりましたが、外出を控えているにもかかわらず、わざわざ材料を買いに行くのも一苦労…。そこで、どこのご家庭にも普段からありそうなアイテムを使った作り方をお伝えします。
【用意するもの】
・キッチンペーパー
・輪ゴム
・ホッチキス
【作り方】
あくまで簡易的なものですが、咳エチケットのためにもマスクがない時はぜひ作ってみてください。
せっかくマスクを着けていても正しい使い方をしないと全く意味がありません。倉敷市保健所が公開している不織布マスクの付け方をご覧ください。お子さんの場合、鼻が出でしまっていたり、マスクの表面を触ったりするのをよく見掛けます。外し方にも注意が必要なので、正しい使い方を教えてあげてくださいね。
「消毒液やマスクが買えない！」と不安がることはありません。ご家庭でできる感染予防は他にもたくさんあります！
①大事なのは手洗いうがいです！こまめに手を洗うことで感染率は大幅に低下します。この機会に正しい洗い方を再度確認してみてください。
②定期的に換気をしましょう！
③鼻をかんだティッシュや使用済みマスクは密封して捨てましょう！
④ドアノブなど手で触れる共有部分は消毒しましょう！
妊婦や胎児への影響は？
新型コロナウイルスは妊婦や胎児に影響があるのかどうか不安な方も多いと思います。妊婦の方は今回の件に関わらず、普段から人混みを避けたり、手洗いにも注意はされていると思いますが、トイレの後や食事の前には必ずせっけんで手を洗うようにしましょう。
日本産婦人科感染症学会によると、新型コロナウイルスは妊娠初期・中期に流早産を来す可能性は高くないとしており、催奇形性の報告も現在はないと発表しています。（令和2年2月27日時点）過度な不安からストレスをためないよう、十分な睡眠と栄養を取ってマタニティーライフを送ってくださいね。
■薬剤師・安倉央さん
2児の父。2009年にマスカット薬局に入社後、倉敷店の薬剤師として勤務。
医薬品情報管理部門 部門長
地域の方々の健康に携わり、良き相談役となれるよう日々勉強中。
マスカット薬局
岡山市北区田益1290-1
TEL 086-460-3254
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