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ニコニコ女医の、しなやかに生きるessence – 毎日の子育てを豊かに彩るおすすめの一冊 – ③ ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

みなさん、明けましておめでとうございます!岡山生まれ岡山育ち、3児の母、内科医のたかはしじゅんこです。「女性は自由に、男性は長く楽しく、子どもはのびのびと」がモットー。普段の子育てや生活などに関して医者の目線も交えながら、ママやパパが毎日を楽しむためのオススメ書籍をお届けします!自己紹介は初回をご覧くださいませ。

 

さて、1月になりましたね!1月と言うと糖尿病専門医としては、美味しいものを食べることが多い年末年始を越えて体重などが少し増える時期…。はい、私も人のことは言えませんのでみなさんと一緒に取り組みたいです。

 

 

そして、1月と言えば年始の抱負や目標。叶うかどうかは置いておいて、何かが始まるワクワク感が大好きです。そんな記念すべき年明けの今月、第3回目に選んだ書籍は…

 

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」ブレイディみかこ著(新潮文庫刊)

 

 

みなさんは、人との違いが気になったり、子どものことが気になったり、窮屈に感じたりすることはありませんか?「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」は、すべての親たちにオススメの本です。ノンフィクション作家で日本人の著者(これがロックな女性で…!)、アイルランド人の配偶者、中学生になった息子の3人家族が、イギリスで生活する中で起こったことを描いてます。息子とのやり取りが中心で、人種、文化、収入、考え方、日本との違いなどがトピック。社会的なことも勉強できたりするのに、まったく堅苦しくはなくてオススメ。

 

この本の良いところは大きく分けて2つあって、1つ目はとにかく、登場人物たちの人種、文化、収入、考え方から何から何まで他者との違いのオンパレード!日本で暮らしていると、周りの人と話していて些細な違いがものすごく気になったりしませんか?少し違うだけでも、集団の中ではすごく目立ったり、人に合わせてしまい窮屈に感じたり。それが、著者の息子の周りの世界では、他者との違いの大渋滞が起こっているのです。

 

今までずっと日本に住んできた私は、人と違うことは少し恥ずかしいという感覚を、なんとなく持ってきました。なんなら、「みんなと同じが良い」とまで思っていたこともあります。大人になってから違うことは面白いとも思えてきましたが、その一方で私たちは良い意味でも悪い意味でも「みんなと同じが良い」という土台がどこかに残っているように思います。そう、今でも人と違う意見を言うとき、怖いと思うこともある。でも著者らの世界では、「違うこと」は当たり前で、その中で分かり合っていくこともあるし、そうでないこともある。そんな世界に身を委ねながら、自分の中で理解して、生きていく。そんな思春期の息子の成長が、めちゃくちゃ頼もしいのです。

 

さらにこの作品の良いところ2つ目は、親としての著者自身と息子との対話が素晴らしいこと。「私はこんな風に子どもたちと対話できているかな?」「世の中への理解を深めているかな?」と、私も自分の子育てや考えを振り返りました。日々生きている中で、周りに合わせてしまったり、話を流してしまったり、人生でやり過ごしてしまうことってみなさんはありませんか?そうやって日々を重ねていく中で、本当の自分の意見が隠れてしまったり、自分でもどこに行ったのか分からなくなってしまったり…。この本を読んで、自分で考えること、対話することを振り返るきっかけになればと思います。みなさんのおうちでは、どうですか?

 

まぁまだうちの子どもたちは5、3、0歳なので、思春期の著者の息子と会話の内容は相当違いますが…。それでも子どもが何か話したとき、抑え付けたような言い方や、自分の価値観を押し付けるような言い方をしてしまい、反省することも多々。もっと著者のようにちゃんと対話しながら子育てしようと改めて思いました。著者たちの世界と比べると、私はまだまだ小さな世界に子どもたちを囲ってしまっていたのかもなぁ…、なんて。あぁ、同じことを求めるばかりじゃなくもっと違いを認めて、広い世界に自分たちを置きたいな。

 

読まれた方いらっしゃいましたら、ぜひご感想を教えてくださるとうれしいです!

 

あなただけの、大事な人生。

1冊の本から、豊かにしてみませんか?

 

(おまけ)

我が家、実は長女が産まれる前後で、夫と相談して家訓を決めたのです (もう5年前か…) 。その家訓とは、「お互いを尊重し、のびのびと」。あ、これまさにこの本から私が読み取ったメッセージでもあるかも、とコラムを書きながら今感じています。みなさんのおうちでは、家訓や子育てのルールはありますか?

 

それではまた来月!

 

 

たかはし・じゅんこ(糖尿病専門医) 

小学6年のとき「将来の夢」がテーマの版画で医者を描き、現役で岡山大医学科へ。医療者のサポートのもと「患者が自分で自分を治療する」糖尿病に興味を持ち専攻する。その後3回の産休・育休を取得。育休中に、社会の役に立ちたいとブログを開設し、想いを伝えることの重要性を実感。苦しい思いを抱えた妊娠・出産を振り返り、復帰後の2019年に仲間作りや後輩のため「女医のライフスタイル研究室」という無料のオンラインサロンを友人と開設。Story担当として、現在絵本作りにも奮闘中!理想の社会は「女性は自由に、男性は長く楽しく、子供はのびのびと」。5歳の長女、3歳の長男、0歳次女の母。

 

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・直接のご質問には答えられませんが、内容によってはコラム等で紹介しご回答できるかもしれません。

 

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