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子ども向け鍼灸「小児はり」で子育ての「困った」を解決~後編~発達障がいと小児はり

子ども用の刺さない鍼(はり)で全身を優しくなでたりさすったりして施術する子ども向けの鍼灸(しんきゅう)「小児はり」。今回は前編(リンク)に続き、小児はりで子育ての「困った」を解決する「近藤治療院 鍼灸部」(岡山市北区今)院長のベビー鍼灸師・鳴島友理さんに、あまり知られていないという発達障がい児との関わり方について伺いました。

-発達障がいの子の特徴は。

発達障がいは、生まれつきみられる脳の働き方の違いにより、幼児のうちから行動や情緒面に特徴がある状態です。過敏や鈍麻など体の感覚を処理する能力に支障があったり、気持ちを伝えたり汲み取ったりするのが苦手です。障がいを理解されずに叱られたり注意を受ける経験が多いと、自己肯定感を育むのが難しいなど二次的な問題も出てきます。発達障がいの子は体が緊張していたり、リラックスすることが苦手だったりします。これは自律神経の調節がうまくできないからです。そのため、興奮しやすい・切り替えが難しいといった精神状態、寝付きが悪い・夜何度も起きるといった睡眠状態、食欲がない・ムラがある・好き嫌いが激しいといった食事の状態、便秘やおねしょといった排せつの状態などに影響が出てきます。

-小児はりによる変化や効果は。

小児はりは、大人向けの施術と違って鍼を身体に刺しません。子ども用の専用の金属の道具で、皮膚を優しくなでたりこすったりして刺激します。とても気持ちの良い刺激になるので、施術を受ける子どもは好意的な反応を示すことがほとんどです。時間も5~10分の短時間で済むので、子どもが飽きません。小児はりで最も多くみられるのは、自律神経のバランスが整うことによる変化です。具体的には、「寝付きが良くなる」「ぐっすり眠る」「機嫌が良くなる」など。生活の基本的な部分がやりやすくなると保護者のストレスも減ってきます。

 

また、成長期の皮膚への接触刺激は神経を介して脳へと繋がるので、全身に心地よく触られる経験はその子の発達を促す大事な要素になります。脳神経系は5歳までに80%が育ってしまうともいわれていて、0歳から受けられる小児はりは発達を促す良いツールの一つだと思います。発達障がいのお子さんは感覚過敏のことが多く、触られることが苦手で、心地よく触られる経験ができない子もいます。そういう子にとって、小児はりはリラックスできる貴重な時間になると思います。

-鍼灸師としてどのように関わっていますか。

発達を促すための身体への刺激と、その子の身体の機能がうまく働くよう体調を整える施術を心掛けています。さらに、保護者の方の不安や困り事をしっかり聞くことで寄り添い、子育てのストレスが減らせるような人間関係づくりに努めています。また治療院だけでなく、放課後等デイサービスや保育所などへの出張施術も定期的に行い、施設の子どもたちの療育にも関わらせてもらっています。

-最後に読者へメッセージを。

発達障がいの子のサポートが鍼灸院でも受けられることは本当にまだまだ知られていません。しかし現代は発達障がいの子が多く、悩まれている保護者の方がたくさんいらっしゃいます。私は鍼灸師として、東洋医学の視点から乳幼児の発達や子育てに関わっています。子どもの鍼灸施術後、発達障がいの特徴的な行動が改善したことは普段の臨床でよく経験していますが、そのことはまだあまり知られていません。お子さんの発達に不安がある方、発達障がいでサポートを必要としている方に鍼灸のことを知ってもらい、一人でも多くのお子さんと悩んでいる保護者の方のお手伝いをしていければと考えています。

近藤治療院 鍼灸部

営業時間 平日/9:00~18:00(土曜は12:00まで)

定休日 日曜・祝日

・完全個室

・キッズスペース

・駐車場あり

※建物北側の駐車場9~12番が使用できます。

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