長引くコロナ禍の影響もあり、昨年の出生数は84万人と過去最低でした。しかし、その一方で不妊治療をしているカップルは毎年増え、2019年に生まれた赤ちゃんの14人に1人は体外受精で生まれた子という過去最高の増加となりました。
「赤ちゃんがほしいのになかなか妊娠できない」
「不妊治療をしたほうがよいのかな…」
そんな不安や悩みを抱えているカップルは多く、不妊治療や検査を受けたことがある(受けている)カップルは5.5組に1組といわれるほど増えていて、「妊活」という言葉はごく一般的に日常のなかにあふれるほどになりました。
以前は不妊治療をしているとはなかなか言いにくい風潮もありましたが、最近は芸能人や有名人もSNSで「妊活中」であることや、妊活した後に赤ちゃんを授かったという報告を載せていることも多く、不妊治療もオープンで身近なものになったと感じます。
でも、実際には妊活するまでにはいくつものハードルがあります
例えば、
〇ご夫婦間での話し合いによる心理的なハードル
・夫は「まだそこまでしなくても…」と言って協力してくれない
・産後、タイミングがとれていない
〇育児(仕事)の負担という物理的・時間的ハードル
・妊活したくても育児(仕事)が大変…
・通院する時間がない
〇金銭的経済的ハードル
・お金がかかるのか心配
・高額な治療はできない(したくない)・・・
そこで政府の少子化対策として、今年4月から待ちに待った不妊治療の保険適応が開始となります。
不妊治療には大きく分けて3つのステップがあります。
① 排卵に合わせてタイミングをとるタイミング法
② 排卵日に精子を子宮に注入する人工授精
③ ARTとよばれる高度生殖補助医療(体外受精、顕微授精、融解胚移植)
これまで保険がきくのはタイミング治療のみで、それでも妊娠できない場合に人工授精や体外受精(顕微授精)といったステップアップをしていくと不妊治療は自費診療となり全額自己負担となるため、経済的問題が大きくなっていました。
特にARTには数十万円の費用が必要となるため、地方自治体などからART治療費補助としての助成金制度もありました。しかし以前は所得制限などにより助成金を受けることができない人もおり、不妊治療の保険適応拡大を求める声は患者や医療者などから10年以上も前から広まっていました。
人工授精はそこまでの高額ではありませんが、薬や注射代も自費となるので、回数を重ねるとその費用負担も無視できなくなり、そのことは不妊治療と続ける心理的な負担にも繋がるため、そこで治療を断念する方や妊活をあきらめるご夫婦もいました。
2022年4月からはこれらの人工授精や体外受精など自費診療の範囲だった治療にも保険が適応となり、経済的に治療しやすい環境となることが期待されています。もちろん2人目や3人目の希望の方も保険診療の対象となります。「1人目ができたのだから、2人目も妊娠して当然」と思われがちですが、近年2人目不妊も増えており、第2子で初めて不妊治療をする方も多くいらしゃいます。
「妊活」とは妊娠について考える活動のこと。まだ2人目のことや治療について話し合いや準備ができていないご夫婦も、このニュースをきっかけにご家族の将来のことを考える機会をもっていただきたいものです。
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