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【LaLa編集部インタビュー】「ミュージカル落語」でいじめ撲滅に取り組む異色の落語家・三遊亭究斗(さんゆうてい・きゅうと)さん

こんにちは!LaLa編集部のヘイワース幸子です!

皆さんは「ミュージカル落語」って聞いたことがありますか??

その名の通り「ミュージカル」と「落語」を合わせた新感覚エンターテイメント。

考案されたのは、劇団四季からの転身というこれまた異色の経歴を持つ落語家・三遊亭究斗さん。

落語家として活躍される一方、子どもたちをいじめから守る活動にも注力されています。

今回は、2月8日にイオンモール岡山(岡山市北区下石井)のおかやま未来ホールで開かれる「ミュージカル落語×ソング&ダンス」(RSK山陽放送主催)PRで来岡された究斗さんに、ご自身の教育活動やミュージカル落語の見どころについてお伺いしました!

 

-なぜ劇団から落語家に?

劇団でのキャリアが10年経った34歳のとき、「もっと他の可能性があるのではないか?」と思い心機一転。

おしゃべりで周りの方を楽しませていた経験もあったので、落語家の門を叩きました。

「人生は一度きり!やらなきゃ損じゃん!」という気持ちでしたね。

落語の世界は縦社会で年齢は無関係ですので、先輩は年下ばかりでした(笑)。

 

-ミュージカル落語を考案された経緯は?

きっかけは、退団後に参加した劇団のオーディション。

当時すでに落語家として活動していましたが、お芝居は好きで続けていました。

前座のオーディションで合格し、悪党の役をやることに。

劇団四季では、台本に書かれていない役の生い立ちや行動理由を役者が自由に想像して役作りしていく「ゼロ幕」という手法があります。

ある日、カフェでゼロ幕に耽っていたとき、偶然隣の方の「彼はやりとげたのよ」「ひとくちべんとう」という言葉にピンときまして。

その言葉に着想して一番最初の作品「一口弁当」を書き上げました。

ミュージカル落語では、必ず「笑い」を取り入れています。

笑いは心を開く。

物事には陰と陽があり、いじめは陰。

それを陽に変えていくのが笑いだと信じ、創作活動を続けています。

 

-「教育」をテーマに活動されています。

私自身、小学校時代に珍しい名字という理由からいじめられた経験があります。

その経験から、当初より作品には「いじめ撲滅」の内容を組み込んで創作しました。

そのうち公演を見た関係者からお声をいただき、教育関係の催事で披露したところ大受け。

活動のフィールドが教育現場や教育関係者向けの公演にシフトしていきました。

しかし順調かと思ったところ、コロナ禍で活動がストップ。

でも運の良いことに以前からいただいていた本のお話をいただき、2020年にプレジデント社から「いじめられてしんどい君へ」を出版。

私自身のいじめ経験やそれを元に作った創作落語を通して、悩んでいる子へ伝えたい「いじめをチャンスに変える考え方」について言及しています。

「誰でもいいので言葉に出すことで絶対誰か助けてくれる人が現れるよ」と伝えることで、少しでも自分を変えるきっかけにしてほしいですね。

 

-いじめ撲滅を啓発するNPOを設立されました

自分の年齢を考えたとき、段々と「残りの人生どこに主を置いて活動していくのか」を考え出すようになりました。

公演を続ける内、終了後に感想文をいただくことが増えてきまして、読んでいると「活動を通して自分の思いが届いている子がいる」「だから続けなきゃいけない」と感じ、「子どもたちに笑いで勇気を届けたい」という気持ちを強くしていきました。

コロナでなくなっていた公演活動ですが、5類移行後も以前のように依頼が戻ってきませんでした。

気持ちはあるのに届けることができない。

その状況の中、少しでも多くの人や学校へ自分の思いを届けるため、依頼を待つのではなく活動としてこちらから発信していくべくNPO設立を決意。

当初は2月以降の設立予定でしたが、賛同いただける方も多く1月の岡山での講演会に間に合わせることができました。

 

-「ミュージカル落語×ソング&ダンス」ではどんな演目を?

「美女と野獣」をアレンジした喜劇で、横柄でわがままなイケメン王子が花嫁探しをする物語。

見どころはずばり「ミュージカルと落語を一緒に楽しめるところ」ですね。

言うなれば“いちご大福”みたいなもの。

いちご大福って、あの組み合わせは食べてみないとわからないですよね。

ベースは美女と野獣ですが、冒頭からシンデレラが登場したりします。

物語がどう展開していくのかも楽しんでいただきたいポイントです。

ウケる場所もたくさん作っているので、小さい子から大人まで楽しめる自信作。

エンターテイメントの要素が全て詰まっている作品です。

さらに第二部では劇団四季「ソング&ダンス」振り付け演出をされていた加藤敬二さんが登壇。

「クレイジー・フォー・ユー」「キャッツ」といった四季の超有名作の名曲・名シーンが登場するステージは必見です!!

 

-先んじて岡山市で教育講演会が開かれます。

NPO設立後、最初の講演になります。

披露するのは、自分の経験を元に最初に作った演目「一口弁当」。

貧しくイジメられてる主人公の中学生がある老人に助けられ、笑いを取り入れたポジティブ・シンキングを受け成長していく姿を綴ったお話です。

一緒に講演する岡さんは、都立高校の教師を経てNHK高校講座講師も務められています。

岡さんのお話は生き物を通じて楽しく人権や「生きる」ことについて学べるので、お子さんも共感しやすいですよ。

 

-子どものいじめに不安を抱える保護者へメッセージを。

「乳児はしっかり肌を離すな」
「幼児は肌を離せ手を離すな」
「少年は手を離せ目を離すな」
「青年は目を離せ心を離すな」

という言葉があります。

人間関係で不安を抱えている子への接し方として、気にしてあげているのが子どもたちに伝わればよいと思います。

子どもは親を見ていますし、親同士が話していることもちゃんと聞いています。

「あなたのことを気にしているよ」「愛しているよ」が伝われば、不安を抱えている子にとってきっと心強い後ろ盾になってあげられますよ。

三遊亭究斗(さんゆうてい・きゅうと)

1988年劇団四季入団。俳優や幹部候補生として約10年間活躍した後、97年に新しい可能性を求めて「落語家」へ転身。師匠は三遊亭円丈。2004年に「ミュージカル」と「落語」を合わせた「ミュージカル落語」を創造し人気を博し、10年「教育が一番」を掲げ教育講演活動を開始。コロナ禍の2020年まで約400回、全国の小中高等学校や教育関係、自治体、企業などで講演。同年に初著書「いじめられてしんどい君へ」をプレジデント社から出版。

 

↓「ミュージカル落語×ソング&ダンス」詳細はこちらをチェック↓

「ミュージカル落語×ソング&ダンス」

↓1月の講演会詳細はこちらをチェック↓

【教育講演&ミュージカル落語】人権ってなあに?生きるってなあに?

 

編集後記

私自身、子どもがいじめを受けた経験があり、今回の取材が楽しみでした。

息子が小学校5年のとき、友だちから仲間外れに。

知ったときは心が押しつぶされそうで、何をしてあげられるかわからないまま「辛いなら休ませる」「気持ちを聞く」「否定しない」など、とにかく寄り添うことしかできませんでした。

その後、原因となった子とは学校が離れいじめはなくなりましたが、息子はその話になるといまだに「あのときはありがとう」と言ってきます。

究斗さんの言葉からは、いじめられる子どもへの思いがとても強く伝わってきました。

あのときの息子と私の苦しみを理解してくれた気がして、伺っていてとても救われる気持ちになりました。

私事で涙が出ることもありましたが、取材中は所々で笑いを挟んでくれ、始終とても楽しい時間となりました♪

うちの子の学校へもぜひ来てほしい。。。

幸いPTAにも入っているため、折を見て打診してみようと思います!

「ミュージカル落語×ソング&ダンス」は絶賛チケット発売中。

究斗さんのミュージカル落語が聞ける貴重な機会ですので、是非行かれてみてくださいね!(LaLa編集部・ヘイワース幸子)

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