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妊活はじめのいっぽ!助産師ママが伝える妊活の基礎知識⑥/妊活中の悩みや不安、ストレスと上手く付き合っていこう

「妊娠したい」

「1人目はすぐできたから、2人目もすぐと思っていた」

「周囲の期待や何気ない言葉がストレス」

「不妊治療も考えているけど、時間やお金、身体のことを考えると悩む」

そんな妊活に悩む女性の声を耳にします。1人目でも2人目でも、気持ちがあるのに授かれないのはとても辛いこと。自分とパートナーの身体や心のこと、どれくらい知ってますか?助産師ママが、よりスムーズな妊活のため、妊娠や妊活の基礎知識をお伝えする本連載。最終回の今回は「妊活とストレスの関係」について。妊活の第一歩として、まずは「知ること」から始めてみませんか?

 

妊活中の悩みや不安、ストレスと上手く付き合っていこう

 

妊活に励むカップルは、基礎体温を測って性交のタイミングを図ったり、生活習慣を見直したり、積極的に不妊治療に通っていたりなど、内容に違いはあれど、皆んな赤ちゃんを授かるため毎日頑張っておられるます。

妊活をしていると、「悲しい」「悔しい」「不安」「焦り」などさまざまな感情に揺さぶられることが多くあります。ある調査では、妊活中の女性の87.3%がストレスを感じているという結果もあり、ほとんどの女性がストレスと向き合いながら妊活をしていることがわかります。

ストレスが妊活に与える影響もあるので、ストレスとの向き合い方を知り、少しでも肩の力を抜いて妊活に取り組んでいけるようにしていきましょう。

 

 

「二人目妊活」のストレス

 

「二人目妊活」には、1人目のときとはまた違った悩みがあるのではないでしょうか。

ママ友の何気ない言葉や妊娠報告に悩んだり落ち込んだりすることもあるでしょう。また、子育てと仕事を両立しながら妊活もするとなると、体力気力とも自分がいっぱいいっぱいになり、順調にいかないことも多くあります。

妊活中のストレスには以下のようなものがあります。

 

□心理的ストレス

1人目を不妊治療で授かりその大変さをストレスと感じたり、1人目より年齢を重ねているので妊活期間が長くなりやすく、授かりたい気持ちは強いのになかなか授かれないもどかしさ、「2人目まだ?」などという周囲の言葉にもやっとしたり、夫婦のコミュニケーション不足による意見の不一致なども。

 

□身体的ストレス

ワンオペ育児ですでに子育てに疲弊していたり、仕事との両立の難しさ、性交のタイミングを合わせようと思っても思うようにいかない気持ち、痛みを伴う不妊検査や不妊治療による苦痛など。

 

□経済的ストレス

2022年4月から不妊治療の保険適用が始まりましたが、それでも将来の子育てや教育費用に不安を感じ、不妊治療にかけられるお金に制限がかかるなど。

 

 

ストレスは自分を守ってくれている

 

普段通り日常生活を送っていても、ある程度はストレスを感じるもの。何らかの刺激をきっかけにストレスを感じているからこそ、心や身体に不調をきたすなどの症状が出てきます。

ストレスは自分を守ってくれる生体反応の一つ。感じることで自分を守るために避けようとする行動をとったり、改善策を考えたりすることができます。

ただ、過剰に感じないよう、うまく付き合っていくことが大切です。

 

妊活中のストレスが強くなり日常生活に支障が出るようになってくると、「妊活鬱(うつ)」という状態になる方も出てきています。妊活鬱は病名ではなく、妊活中に鬱状態になったり、鬱病を発症することを言います。

このような状態になると、心療内科や精神科での治療が必要。早めの対処と医療機関に頼ることを覚えておいてくださいね。

 

 

ストレスで心が苦しいときにおすすめしたい「マインドフルネス」

 

ストレスには自分を守ってくれる面もあるものの、バランスが崩れると心身に不調をきたしてしまいます。

また、ストレスホルモンと女性ホルモンの分泌は同じメカニズムが働いているため、ストレスにより月経周期が乱れたり、排卵障害が起こったりすることがあります。

妊活中のストレスとうまく付き合っていくためのケアとして、「マインドフルネス」があります。マインドフルネスは、不妊ストレスへの有効国内外の研究や調査で分かっており、日常で簡単に取り組めます

 

 

□マインドフルネスとは

「今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること」と定義。

「ただ観る」の「観る」とは、「見る、聞く、嗅ぐ、味わう、触れる、さらにそれらによって生じる心の働きをも観る」という意味である。(日本マインドフルネス学会)

 

マインドフルネスは「心の筋トレ」とも言われています。日常の中に取り入れて繰り返し行うことで、自己理解が深まり、自分のことをありのままに受け止められるようになります。

妊活中はどうしても自分よりも周りのことに気をとられ、周囲と自分を比べて自己嫌悪に陥ったり、先が見えない状況に未来への不安も大きくなりがちです。

「自分に目を向けることや思いやりを持つこと」「ないものよりも今あるものに意識を置き、幸せやありがたさを感じること」を大切にしてみましょう。

 

生理予定日の数日前にそわそわした気持ちになったり、生理がくると落ち込んだり、いろんな感情が湧いてくると思います。感情の波に気を取られすぎて、仕事や育児が手につかなかったりすることはありませんか?

そんな時は「今ここ」に意識を集中させることです。簡単な方法として「呼吸のマインドフルネス」があります。

呼吸の深さはどうか、リズムはどんな感じかなど、呼吸に意識を向けてみましょう。ポイントは、吐く息に意識をおいてゆっくりと吐くことです。

いつも無意識で行っていることも、意識的に行うことで副交感神経が優位となり、呼吸がゆったりとし、それとともに心が自然と落ち着いてきます。

呼吸に意識をおくだけなので時間も場所も選びません。気がついたときに繰り返し行うことで習慣化され、心のコントロールがうまくできるようになってきます。

 

妊活中の悩みや不安がゼロになることはありませんが、その感情とうまく付き合っていくことは可能です。ストレスの対処法を知っておくことで、妊活中だけでなく妊娠中や出産、産後にも生かされてきます。妊活を通して揺れ動く自分のことを知って認め、ストレスに対処していける自分になってきましょう。

 

シャノン 香織

倉敷市真備町生まれ、2児のママ。倉敷市内の総合病院・個人病院に勤務後、2019年に自宅で「産前産後サロン 助産院あいのわ」を開業。妊活中から妊娠・出産・子育ての悩みと向き合っている女性に向けて、マインドケアで自分軸を整え、自分らしい生き方を見つけるまでをサポートしています。

 

☟過去の記事はこちら☟

・妊活はじめのいっぽ!助産師ママが伝える妊活の基礎知識⑤/妊活に欠かせない睡眠、妊娠力を後押しする質の良い睡眠をとろう

・妊活はじめのいっぽ!助産師ママが伝える妊活の基礎知識④/赤ちゃんを授かりやすい身体を作るための食生活

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