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『自学道のすすめ』~自ら学ぶ力の育て方~⑩ 自己肯定感を育てるには

わからないことだらけの初めての子育て。パパ・ママも自ら考えて子育てしていく中で、子どもたちも自分で考えて成長していける-。そんな環境づくりができたら嬉しいですよね。

連載コラム「自学道のすすめ」では、自分で考えて行動する「自学力」の大切さを伝える自学道Labo代表の安永吉光さんに、自ら学ぶ力の育て方ついてシリーズでお伝えいただきます。

      

 

みなさんこんにちは、自学道Laboの安永です。

「自己肯定感」という言葉はご存じでしょうか。幼少期にこの自己肯定感を育てることはとても大切だと言われます。今回はその理由と、「自己肯定感の育て方」についてお伝えします。

 

◎自己肯定感とは何か

まず、自己肯定感とは何かということについて確認していきましょう。

辞書で調べてみると、「ありのままの自己を肯定する感覚」「自分の存在には価値があるという感覚」「自分自身に満足できている感覚」といったようなことが書かれていることが多いかと思います。

私たち日本人は謙虚を美徳とすることもあり、自己肯定感の高い人=自慢する人のように感じられるかもしれません。しかし本来、自己肯定感の高い人は、自分に自信を持てているため自慢しません。自慢する人はむしろ承認欲求が強く、自己肯定感が満たされていない人なのです。

自己肯定感は「自分は生きているだけで素晴らしいんだ」と感じることが最終目標です。お子さんの自己肯定感を高めるためには、特に幼少期のうちに「無条件に褒める」ということをしてみてください。慣れるまでは、この「無条件に」というのが難しいところです。私たちはついつい子どもに対して、何かができた時や親の思い通りにしてくれたときに褒めているものです。しかし、毎日無事でいること、元気でいること、それだけでも充分ありがたいことなのではないでしょうか。

このように、自己肯定感は少しずつ自信をつけていくことで高くなっていきます。自己肯定感が高いことは、苦難に出合ったとき乗り越えていく原動力になるものなのです。

 

◎自己肯定感がもたらしてくれること

それでは、自己肯定感の高い人の特徴を見ていきましょう。

自己肯定感が高い人は、物事を前向きにとらえることができます。物事を前向きにとらえることができると、いろんなことに挑戦する気持ちが出てきます。また、自分の苦手を乗り越えようとすることもできるようになり、できることが増え、より自信が持てるようにもなります。

反対に、自己肯定感が低い人は他人に対する承認欲求が高く、誰かに褒めてもらったり、ご褒美をもらったりしないと挑戦しようとしません。そして次第に他人に依存するようになり、自分の思い通りにならないと文句を言ったり、人のせいにしたり、自分をよく見せるために嘘をつくようになったりと、他人へ迷惑をかけていく人になってしまいます。

このコラムでも何度か触れましたが、「人生の主役は自分自身」です。他者依存が強い人は幸福からも遠ざかってしまいます。「お子さんにどんな人になってほしいか」という親の願いを軸に考えれば、自己肯定感は高い方が良いということがお分かりいただけると思います。

 

◎自己肯定感の育て方

先ほども少し触れましたが、自己肯定感を高めるには、まずは日常的に「無条件に褒める」ということが大切です。そして、自己肯定感を育てるための3つの柱というのをご紹介しましょう。

まずは「子どもの話をきちんと聴く」ことです。ここでお伝えしたいのは「きちんと聴く」というところです。毎日忙しいお母さんですから、家事や仕事の合間に子どもと話をすることもあるでしょう。そんなとき、お子さんと目を合わせて話している時間はどのくらいあるでしょうか?意外と短いのではないでしょうか。

「きちんと聴く」というのは、相手(この場合、お子さん)が「自分の話を聞いてもらった」と感じる状態を目指して、①目を合わせて②オウム返しをしながら③評価を脇に置いて、ひとまず聞くことに集中することです。

こうすることで、相手は話を聞いてくれたと思いやすくなります。そして、大切なのは評価をしないということです。ついつい私たち大人は、子どもたちの行動について正したいという気持ちが働いてしまいます。それはダメなことではないのですが、注意は話を聞き切った後にするようにしましょう。話を聞いてくれたという信頼関係が土台にあってこそ、注意は効くようになるのです。

 

次に「失敗しても大丈夫という明るさを持つ」ことについてです。親の方が「失敗したらどうしよう」という気持ちで子どもと接していると、子どもも常に「失敗したくない」という気持ちを持つようになってしまいます。それがやがて挑戦心の無さにつながっていき、「どうせやってもうまくいかない」という自己肯定感の低さにつながってしまいます。

失敗することは、あくまで成功するまでの過程であり、大切なストーリーです。面白いドラマには波風やうまくいかないことはつきもので、それがなければドラマになりません。失敗を楽しむくらいの勇気をもっていくことは、人生においてとても大切なことです。

心配事の9割は起こらないという本もあります。心配事はさらなる心配事を呼ぶ要因になりますので、失敗しても大丈夫だという気持ちを持つことが肝要です。

 

そして最後に「親が自己肯定感を持つ」ことです。自己肯定感の高さは幼少期の家庭環境によるところが大きいものです。親が心配症だと子どもも心配症になりがちです。価値観や考え方は幼少期の過程で育まれます。親御さんの価値観も同様です。まずは親御さんが「自分は生まれながらに偉大」くらいの気持ちをもって、自信を持って行動していきましょう。

 

◎私たちが生まれながらに偉大な理由

私たちには必ず二人の親がいて、その上には四人の祖父母がいます。そうして10代前までさかのぼると約二千人、20代前までさかのぼると約二百万人もの祖先がいると言われています。そのそれぞれの代で、我が子に対して幸せになってもらいたいという願いを継いで、今私たちがいるのです。私たちは生まれながらに200万人のフォロワーがいるようなものです。200万人もフォロワーがいる人はそれだけでもすごいのではないでしょうか。私たち一人ひとりが生まれてきていることがすでに奇跡とも言えることです。お互い自信をもって、人生の主役を堂々と演じていきましょう。

 

やすなが・よしみつ(自学道Labo代表、”成長し続ける親と子の場”自学道場塾長)

塾講師歴20年で延べ1800人以上の生徒を指導し、「自分から学ぶ子」の育て方についてセミナーや教育講演などを開催。プライベートでは一児のパパでもあり、岡山のパパ、ママ、子どもたちからは、親と子どもの間の中立な立場の存在として、相手に寄り添ったアドバイスと穏やかな人柄が支持されています。

 

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