みなさま、こんにちは!
「子どもの絵」心理カウンセラー「おじゃまき」と親子コミュニケーションの専門家「たなきょう」の子育てコラムにようこそ!
2人の経験や専門知識から「子どもたちが今感じていること」や「親子のコミュニケーション」についてお伝えする本コラム。
前回おじゃまきより「子どもたちが周囲の環境から受けている影響」についてご紹介したところ、おかげさまで「絵との対話でそんなにいろいろなことがわかるんだ!」と保護者や教育関係の方などさまざまな方向から反響をいただきました!
今回はたなきょうより、特に「思春期前の子どもたちの内面で起こっている出来事」と“子育ての作り方”についてご紹介します。
私は小学校に行くまでの6年間、父の仕事の関係から広島市内で過ごしました。
その後東京に移住し、就職をきっかけに横浜へ転居、私立女子中高の進学校で音楽科教科主任として8年間勤務していました。
思春期、特に反抗期の女子は「言いたいことを言わない、でも本当は大人にもわかってほしい!」という傾向があります。
それに加えて感受性の鋭い子どもたちは「自分らしさ」より「相手が求めるワタシ」を追求するので、大人にますます本音を隠してガマンする-それはまるでかつての自分を見ているようでした。
授業や研修を通して日本と海外の子の自己表現の差、学校教育の違いに疑問を抱きフランスへ留学、そして結婚を機に隣の「神奈川サイズなのに世界170カ国の人が住む超マルチリンガルな国」ルクセンブルクへ移住。
現地での生活から、こんなに小さな土地に大量の文化が入り混じっても大きな争いなく共存できるのは、「あなたはそう思うのね、でも私はこう考えるの」という「各々が個を大切にしつつ相手を尊重する考え方」が社会で浸透しているからだと感じています。
現在は思春期前に身につけておきたい親子コミュニケーションの専門家として、マルチリンガル小学生2児を育てながら、日本人親子に特化した「子どもが思春期を迎える前に親が身につけておきたい!親子コミュニケーションノウハウ」としてオリジナルメソッドをお伝えしたり、海外在住の日本語バイリンガルキッズ向けに日本語スピーチ講座を行ったりしています。
かつて中高教諭として思春期の生徒たちに向き合っていたとき、強く感じていたことが2つあります。
①生徒たちは反抗期でも見た目以上に保護者との関わりを必要としている
②生徒も保護者も互いに相手を想っているのに本音が伝わらずすれ違っていることが、思春期の親子関係をさらに複雑にしている
よく「子どもの反抗期は親の忍耐期だ」と思っている方もいらっしゃるのですが、実は親が子どもの反抗的な態度をただひたすら受け止めるだけでは関係が改善されることはほとんどありません。
なぜなら反抗的な態度には「私の気持ちにもっと気づいて!」という「本当の気持ちが伝えられていないフラストレーション=コミュニケーションに対する欲求」が込められているから。
特に子どもが「口から出ている言葉と心の中で思っていることが違う」と葛藤しているときにする、ちょっとひねくれたような思春期特有のカオがあります。
その表情は「子どもの言葉を100%鵜呑みにしてはいけない」というサイン。かける言葉に注意が必要なときです。
子どもの成長とともに、親子関係は「親が子どもを育てる」という一方向から「親が子どもの相談相手になる」という相互関係へと変化していきます。
例えば新生児のころは24時間子育てが必要、子どもにつきっきりの生活になります。
その後だんだん歩けるようになり、やがて少しずつ社会性を身につけて友だちと遊べるようになります。
でも小学校に入ると、子どもの世界はそれまでとは比べ物にならないくらいグンと広がります。
発達段階では9歳前後、精神的に成熟の早い子だとそれ以前の時期、子どもの内面では大人には想像できない程の激しい変化が起こります。
子ども自身もその変化とスピードに驚き、自分で自分が手に負えずどうしていいのかわからなくなって葛藤し始めます。
しかし、これらの変化に親はすぐ気づくわけではありません。
それは外から見えにくいし、何より子ども本人が一番その状況をよくわかっていないので説明しようがないから。
今まで大好きだったママやパパの言うことに疑問を持ったり、自分の中で今まで当たり前に受け入れてきたことに対して急に「違うんじゃないか」というキモチが溢れてきたり。
「そんなこと考える自分は、ちょっとヘンなのかも…」「あんなに大好きだったのにイヤになるなんて自分は悪い子なんじゃないか?」と思い、ますます自分の中の「そんな自分」を否定したくなる。
そのため子どもが自分の内面で葛藤するような段階に入ったら、親から子へ何かを教えたり伝えるだけではなく、子ども自身が感じていること、特にモヤモヤしていることと一緒に向き合って、「子どもの言葉にならない気持ち」を大人が読み取り整理してあげる必要があります。
毎日変わっていく「子ども自身が感じている世界」を親子で大切にしていくことで、大人は「大人になろうとしている子どもの本音や素質」を大切にすることができ、子どもは少しずつ大人へと成長していくのです。
子どもの最近の様子が気になるとき、子育て熱心な方はつい育児書などで子どもの育て方の正解を探そうとしてしまうかもしれませんが、答えはお子さんの中にしかありません。
100組の親子がいれば、100通りの子育てがある。
お子さんの性格や様子は保護者の方が一番よく見えているはず。発達段階に合わせて「親として何を手伝えるか」をお子さんに直接聞いてみましょう。
でもモヤモヤしていることや心情をいきなり聞いてみても、お子さん自身が言葉にできなかったり、本当の問題に気づいていないこともよくあります。
そこでぜひ家庭内で実施していただきたいのが、親と子が1対1で行う「親子1on1ミーティング」です。
私がお伝えしているオリジナルメソッドは、週1回たった15分でときには子ども本人でさえ気づいていない「抱え込んでいる本音」を紐解き、親子の絆を強めることができます。
また家庭内で「親子が相談できる関係」を築いておくことで、子どもが大人になっても言いたいことを我慢してしまったり、必要なとき人に頼みごとができず遠慮したり、悩みを相談できずに一人で抱えてメンタルを壊してしまうようなことを避けることができます。
特に感受性の強いお子さんは、自分の言いたいことを我慢してしまう傾向が多く見られます。
でも本来「自分の思っていることを人に伝えること」は練習がいること。
大人でもコミュニケーションに苦手意識を感じている方が多いことからもわかるように、自分の思っていることを人に伝えることは成長と共に「そのうちできること」でもないし、「大人になってから自動的にできること」でもないのです。
お子さんには「自分の思っていることを人に伝える練習は、小さいときからしておいた方がいいんだよ」と伝え、自分の気持ちや考え、時に悩みを伝える練習を親子でやってみましょう!
保護者の方が実際この親子1on1をやってみてよく教えてくださるのは、「いつも家庭での会話を大切にしているし、子どもも自分からいろんなことをたくさん話してくれていたので、そんな深いことを考えていたなんて、想像もしていませんでした!」という声。
やってみたら、あなたのお子さんの中に大きな発見があるかもしません。
オリジナルメソッド「どんな人間関係でも使える!親子1on1・4つのテクニック」の中には、親子1on1の具体的な実践方法となる「15分間の親子1on1の流れを円滑に進める5つのコミュニケーションスキル」というものがあります。
でもいきなり最初から5つのスキルをフル稼働する方法をお伝えしてしまうと「ハードルが高い!」と感じてしまうと思います。
今回はまず「親子1 on 1を軽やかに始めるウォーミングアップ!聴くワーク」についてご紹介します。
やり方はとってもカンタン!ちょっと照れくさいかもしれませんが、15分間だけできるだけ静かな場所でできれば子どもと向き合って座れる環境を作ってください。
そして始める前にテーマを考えてみましょう。例えば「友だち関係」「学校生活」「最近気になること」などでもいいですし、最初は漠然と「好きなことを何でも話してもらう」でもいいと思います。
お子さんと日程調整してお互いの予定を“予約”できたらいざ実践!
タイマーなどで15分設定し、その間とにかくお子さんの話を聴くことに徹してみてください。お互い話に集中することが目的ですので、スマホや仕事、家事などはすべて忘れてくださいね。
もしできるならメモしながら聞くと、お子さんが「自分の話を一生懸命聞いてくれている!」と感じてくれることも!余裕がなかったりお子さんが気にするようであれば、終わってから書き出す形でもOKです。
もし聞いているうちに「よくわからないな」「もっと詳しく知りたいな」と思ったら、お子さんにたくさん質問してみてください。
「興味があるから教えて!」という気持ちを伝えて、少しずつ子どもに外からは見えない情報を出してもらう感じです。
終わったらメモを見返し、改めてお子さんの言いたかったことを整理してみましょう。メモは親子の成長記録として残しておくのもオススメです。
「聴くワーク」で絶対避けたいのは、「親として日ごろ不満に思っていること」や「子どもから求められていないアドバイス」「お小言」。親としてここぞとばかり言いたいことがあっても、この場ではグッと堪えてくださいね。
お子さんの話をじっくり冷静に聞いてみると、子どもの意外な気持ちが見えて今まで納得いかなかった行動が理解できるかもしれませんよ。
実際にやってみた方の感想として多いのは、
・日ごろからよく親子で会話するのになかなか話が続かず、15分はすごく長いと感じた
・思ったより自分は子どもの話を聞いていないことに気づいた…
・ウチの子、意外とマジメに考えていたんだ!など。
大人の職場でもよくあると思いますが、普段の雑談と会議では発言内容が全く違うように、親子という同じ人間同士であっても環境によって生まれる会話は変わります。
オススメは週1回。子どもが巣立ってからも一生続く親子関係は、思春期前後の子どもへの関わり方によって変わってきますのでぜひやってみてくださいね!
また「もっと詳しく知りたい!」という方には、期間限定で動画を無料プレゼントさせていただきます。
ご興味のある方はこちらから視聴リンクを受け取ってみてください。
そして毎回のコラムをさらに具体的にお伝えするため、「おじゃまき&たなきょう」の2人で毎月インスタライブを行っています!
詳細はそれぞれのInstagramでお知らせしますので、ぜひリンクからチェックしてみてくださいね!
引き続き「オトナが見えているようで見えていない!子どもの本当のキモチ」をお伝えしていきますので、次回のコラムもどうぞお楽しみに!
おじゃまき(阪本眞基子、MORE+代表、「子どもの絵」心理カウンセラー)
岡山県出身在住。外資系大手人材派遣会社に支店長として長年勤務する中、支援する求職者を含め“心が壊れてしまう”大人たちにたくさん出会う。
介護により退職後「心が壊れるのは幼少期に課題がある」と知り、ユング心理学に基づいたアートセラピーを学ぶ。
現在は地元美術館での対話型鑑賞のファシリテーションのほか、「絵から診断!言葉にならない子どもの心理」と題して外向きの顔と心の内側を読み解いたり、教育関係者や保護者向けに実際の絵の読み解き方を伝えるなど、子どもたちの表に出ないSOSを知る活動を展開してる。
Instagram~家庭でできる簡単な絵の読み解き方をお伝えしています!
HP
・「子どもの絵」心理カウンセラー養成1day講座
・アートセラピーのご紹介
・岡山県倉敷市で企業研修・人材育成ならMORE+
たなきょう(田中響子、スーパースピーチキッズアカデミー代表、親子コミュニケーションの専門家)
東京都出身、ルクセンブルク在住。関東の私立女子中高での8年間の勤務経験を通して、思春期の生徒たちが「親や先生から求められる私」を追求するあまり本音を抑え込む姿に直面する。
その後、子育てが原因で親子が苦しむ“負の連鎖”を断ち切るため、定期的な親子1on1ミーティングを通して子どものホンネを親が引き出す必要性を痛感。
国内外2500人以上の生徒の指導経験や海外での子育てを通して、日本人親子に特化した「子どもが思春期を迎える前に親が身につけておきたい親子コミュニケーションノウハウ」を体系化。「Kyoko式 親子1on1メソッド」として、東京でのセミナーやワークショップをはじめ、オンラインでもオリジナルメソッドの普及活動に努めている。
Instagram~家庭でできる子どもの本音を引き出す方法をお伝えしています!
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